著者
伊藤 靖 中橋 和博 Ito Yasushi Nakahashi Kazuhiro
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所特別資料 = Special Publication of National Aerospace Laboratory (ISSN:0289260X)
巻号頁・発行日
no.44, pp.345-350, 1999-12

航空宇宙技術研究所 16-18 Jun. 1999 東京 日本CAD(コンピュータ援用設計)で規定された表面データから、非構造表面格子を直接生成できる、効率良く、使用者に分かりやすいシステムの開発を行った。システムの鍵になる特徴は、以下の2点である、(1) 前進先端3角形法の適用により物体面を多数の領域への分割が不要となった、(2) OpenGLと Microsoft Visual C++ を使ったGUI(グラフィカルユーザインターフェイス) で表面格子生成を制御することで、マウスの操作により不都合な背景格子の修正、表面上に元となる線や点を挿入することにより格子密度を制御することが出来る。この方法の有効性をいくつかの航空機形態にたいして示した。表面格子生成に要する時間の大幅な短縮を達成した。流れの場を計算することで、生成した表面格子の質を評価した。資料番号: AA0001961055レポート番号: NAL SP-44
著者
富樫 史弥 中橋 和博 伊藤 靖 森野 裕行 岩宮 敏幸
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.48, no.556, pp.142-147, 2000-05-05 (Released:2009-07-09)
参考文献数
6

The use of overset concept for the unstructured grid method is relatively unexplored. However, the overset approach can extend the applicability of the unstructured grid method for real engineering problems without much efforts in code developments. Multiple moving-body problem is one of those applications. In this paper, the overset unstructured grid method is applied to a flow simulation about an experimental supersonic airplane separation from a rocket booster. Two unstructured grids, each of which covers the airplane and the rocket booster respectively, are used for the simulation. The grid around the rocket booster moves with time in the stationary grid about the airplane. The computed result clearly simulates the shock wave patterns between two bodies. Comparisons with the experimental results show good agreements in the lift and pitching moment coefficients of the airplane and booster during the separation process.
著者
中橋 和博 大林 茂
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

本研究では、亜音速場でよく用いられる縦渦導入による境界層剥離制御法が超音速流中の境界層剥離に対しても有効かどうかを数値解析でもって調べること,およびそのための効率よい数値計算手法の構築を目的とし,研究を以下のように進めて大きな成果を得た.1.超音速流中のボルテックスジェネレーターまわりの詳細な数値計算を効率よく行うための数値解法の開発を進めた.従来の差分法計算法に生じる計算特異点等の問題点を解決するため,非構造格子法によるナビエ・ストークス計算コードの開発を進めた.その結果,計算特異点等の問題が解決されたことにより計算時間は従来の計算法に比べ数分の1に減らすことが可能になり,その有効性を確認した.この計算法は,世界的に現在主流の差分法に基づく計算法に取って代わりうる能力があり,数値流体力学研究への貢献は非常に大きい.2.平板上に三角錐状の突起をつけた場合および同様の形状の空洞を設けた場合について,それらが超音速流中において誘起する流れ場をナビエ・ストークス数値計算により調べた.その結果,突起形態および空洞形態ともその後流に対の縦渦を誘起することを確認し,かつその誘起渦度の強さは三角錐の開き角と一様流のマッハ数との関係で大きく変化することを見いだした.また,空洞型ボルテックスジェネレーターは超音速場での衝撃波発生および空力加熱問題点で有利であるが,生成された縦渦が下流では壁面へと進んで平板境界層と融合し,境界層外の運動量を境界層に導く効果は弱くなってしまうこと,また,三角錐開き角とマッハ数との関係も上流境界層が厚い場合は明確ではないとの結果を得た.以上の研究において,備品として購入したコンピュータはプログラム開発および計算前処理と後処理端末として非常に有効であった.