著者
勝二 達也 金 智隆 林 晃正 北村 栄作 岡田 倫之 中西 功 椿原 美治 岸川 政信 桂田 菊嗣
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.89-93, 1995-01-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
17

意識障害が約1か月間遷延し, 多臓器不全を合併しながらも救命しえた熱中症の1例を報告する. 症例は14歳, 男性. 平成5年8月17日, サッカー部の練習中, 突然呼吸困難, 意識障害をきたした. 入院時, 意識レベル3 (JCS), 直腸温40.8℃, 発汗停止し, 呼吸不全を認め, さらに急性腎不全, 肝不全, DICを合併し多臓器不全に進行した. 9日間の高度意識障害と, さらに1か月に及ぶ軽度から中等度の意識障害を伴ったが, 持続的血液濾過, 血液透析, 血漿交換療法等の血液浄化法により多臓器不全の管理を行い, 救命するに至った.熱中症は現在でも致死率の高い疾患であり, 特に意識障害が遷延する場合は, 極めて予後不良である. 迅速な体温冷却と多臓器不全の管理が重要であり, 血液浄化療法を行うにあたって, 体温冷却を念頭におくことが望ましい.
著者
椿原 美治 飯田 喜俊 湯浅 繁一 河島 利広 中西 功 横川 朋子 友渕 基
出版者
社団法人 日本腎臓学会
雑誌
日本腎臓学会誌 (ISSN:03852385)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.1127-1136, 1982-10-25 (Released:2010-07-05)
参考文献数
30

Borah, et al, demonstrated that HD is a severe catabolic stress to N-metabolism. EAA loss during HD has been speculated as a stress. In order to study this mechanism, AMIYU® (contained 8 EAA and His. 7% solution, Morishita Pharm. Co. Ltd., ) was infused into venous line throughout 5 hrs. HD with the speed of 40 ml/hr. (study A) and during the last 1 hr. of 5 hrs. HD with the speed of 200 ml/hr. (study B) . The time courses of urea generation rate (Gu.), aminogram and N-balance were compared among control, study A and study B-HD. There were no significant changes in EAA level during control HD suggesting that EAA loss was replacedd by protein catabolism. Gu. (mg/min) during 4 hrs, after control HD (20.1±1.2) was significantly higher than predialysis value (4.7±0.1), indicating the catabolic stress due to HD. Gu. after study A-HD (17.3±1.3) was significantly lower than that after control HD. But Gu. after study B-HD (23.0±0.9) was significantly higher than that after control. HD. This shows that the high dose of EAA administered during the last 1 hr. of HD is not lost into dialysate but is degradated to urea about a half because the last 1 hr, in 5 hrs. HD may be already the catabolic phase. N-balance was -3.6±0.8 (g/day) on control HD day and improved by EAA supplementation throughout HD (-2, 1±0.8). Plasma total. EAA and nonEAA levels significantly increased during 4 hrs. after control HD, suggesting that amino acids were supplied through protein degradation. But in study A, plasma total nonEAA level significantly decreased during HD, indicating that protein catabolism was suppressed by EAA supplementation throughut HD. From these results, HD itself is shown to be the strong catabolic stress to N-metabolism. The rapid decrease in plasma EA.A level due to EAA loss during HD would be one of this factor. The low dose administration of EAA throughout HD is considered to be not only replace the EAA loss, but also suppress this catabolic stress.
著者
中田 友明 菊山 榮 豊田 ふみよ 山岸 公子 横須賀 誠 蓮沼 至 中倉 敬 中西 功樹
出版者
日本獣医生命科学大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

脊椎動物の性フェロモンの繁殖制御機序を解明するために、イモリの性フェロモンであるソデフリンの受容機序について分子・細胞・組織レベル、さらに個体群間において調べた。その結果、ソデフリンは繁殖期にプロラクチンとエストロジェンの影響で増加する鋤鼻器の感覚細胞で受容され、受容体は受容細胞に発現するGタンパク質から2型鋤鼻受容体であること、2つのシグナル伝達系を経て発生した性フェロモンの感覚信号は脳の副嗅球を一次感覚中枢として処理されることを見出した。また、フェロモンの構造と活性の発現には地域差があることが明らかになり、性フェロモンによる繁殖制御機序の一端が解明できた。
著者
中西 功 服部 雅史 原田 秀喜 神戸 健太 圓岡 岳泰 金城 希望 泉 佑樹
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

動画像中に高速に切り替わる画像を挿入することで,知覚できない視覚刺激を作成し,それを提示した際の誘発脳波を被験者20名から集めた.脳波のα帯域のスペクトル変化を個人特徴として,ユークリッド距離により識別を試みた結果,識別率は60%程度という結果であった.また,人には知覚できない超音波(周波数20KHz以上の音)を用いて知覚できない聴覚刺激を作成し,それを10名の被験者に提示し,脳波を測定した.脳波スペクトルを対数変換したものを個人特徴とし,識別器にサポートベクターマシンを用いて識別性能を評価した結果,77%程の識別率が得られた.
著者
山上 泰史 伊藤 良生 中西 功 副井 裕 小林 正樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-03-06

巡回型LMSアルゴリズムが, 安定に動作するためのステップサイズの範囲は, 文献[1]で与えられている. また, それに基づく可変スデップサイズ型アルゴリズムも提案されている[2]. しかしこのアルゴリズムの収束特性については詳しく検討されていない. 本文では, 可変ステップサイズ型アルゴリズムの, z平面上における動作について考察する.
著者
中西 功 西口 直登 伊藤 良生 副井 裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.87, no.6, pp.805-815, 2004-06-01
被引用文献数
17

オンライン署名照合において,筆順(位置情報)の時間的変化を離散ウェーブレット変換(DWT)に基づくサブバンド分解により多重レベルに分解した信号を用いることを提案する.時間領域の信号では本人と詐称者の違いが明確でない場合でも,サブバンド分解した高周波成分では個人ごとの違いがより顕著となることを利用する.ただし,本人であっても署名ごとにストローク数が変動することがあり,それが照合結果に影響を与えることから,DPマッチング法を導入することにより,ストローク数の変動を考慮した柔軟な照合方法を実現する.一方,照合アルゴリズムとしては適応信号処理技術を応用する.適応信号処理は出力と所望信号との誤差が小さくなるようにシステム内の係数を更新するもので,入力が所望信号に近ければ係数は1に収束することを利用して照合を行う.特に,正規化ステップサイズアルゴリズムを導入することにより安定した収束特性を実現する.署名照合実験の結果,本人には自筆署名の参照を許さず,詐称者には本人署名をなぞることを許した条件下において,識別率約95%が得られた.時間領域で照合する場合に比べて識別率が10%向上した.