著者
中谷 勇哉
出版者
日本社会病理学会
雑誌
現代の社会病理 (ISSN:1342470X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.31-45, 2020 (Released:2021-11-01)
参考文献数
18

2000年代以降、ネット右翼と呼ばれるヘイトスピーカーの台頭に代表される意見の先鋭化現象とその言説の拡散はたびたび議論となっている。そこで、本稿は「右翼的言説の拡散メカニズムを推論すること」を目的とし、ツイートの表現に焦点を当てて分析した。そのために、楽曲「HINOMARU」をめぐって起こった炎上現象に関するツイートを収集し、分析を行った。その結果、1) 炎上が4つの段階に分けられ、その段階後半では、 2) 多く共有されたウェブサイトがオンラインニュースサイトからまとめサイトに移行していること、3) その移行とともに、自分自身について用いられる中立的な表現は減少し、批判する他者を「左翼」や「在日」とする表現が増加していったことが示された。またこの分析を踏まえ、右翼的言説の拡散が、「人々が個人的な意見・信念を批判から保護する過程でネット右翼言説と接続されていく」というメカニズムによって引き起こされていると捉える。
著者
村山 修 中谷 勇 西田 満
出版者
Carcinological Society of Japan
雑誌
Crustacean Research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.69-73, 1994-10-26 (Released:2017-05-15)
被引用文献数
6 5

成体のアメリカザリガニProcambarus clarkii(頭胸甲長30-35mm)の鉗脚前節内部の組織を針で引っかき、また幼弱個体(頭胸甲長8-12mm)の鉗脚前節の一部を押しつぶして過剰再生体を誘発した。この再生体は、傷をつけてから第一回目の脱皮で突起状の構造物として生じた。構造物のなかには第二回目の脱皮で枝別れしたものもあった。しかし、枝別れした構造物でも関節は形成されなかった。成体の過剰再生体の先端には鈎爪が形成されていた。
著者
中谷 勇哉
出版者
日本社会病理学会
雑誌
現代の社会病理 (ISSN:1342470X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.31-45, 2020

<p>2000年代以降、ネット右翼と呼ばれるヘイトスピーカーの台頭に代表される意見の先鋭化現象とその言説の拡散はたびたび議論となっている。そこで、本稿は「右翼的言説の拡散メカニズムを推論すること」を目的とし、ツイートの表現に焦点を当てて分析した。そのために、楽曲「HINOMARU」をめぐって起こった炎上現象に関するツイートを収集し、分析を行った。その結果、1) 炎上が4つの段階に分けられ、その段階後半では、 2) 多く共有されたウェブサイトがオンラインニュースサイトからまとめサイトに移行していること、3) その移行とともに、自分自身について用いられる中立的な表現は減少し、批判する他者を「左翼」や「在日」とする表現が増加していったことが示された。またこの分析を踏まえ、右翼的言説の拡散が、「人々が個人的な意見・信念を批判から保護する過程でネット右翼言説と接続されていく」というメカニズムによって引き起こされていると捉える。</p>
著者
中谷 勇
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Crustacean Research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.142-150, 1996
参考文献数
13
被引用文献数
4 3

アメリカザリガニProcambarus clarkiiの鉗脚に種々の形の過剰再生体を誘発した.前節の一部を側方から神経幹の1本を切断するようにU-字型に切除すると,前節の基部側と先端側それぞれの傷面から不動持と同様の構造物が向かい合って形成された.この1対の構造物は,傷の幅が相対的に広いと互いに離れており,それぞれの鈎爪と鋸歯は向かい合って形成された.この1対の構造物は,傷の幅が狭いと基部付近で融合しているが先端の方では二つに分かれるか,または全長にわたって融合した.後者の場合は,それぞれの鋸歯は背側または腹側に並列に形成されたが,鈎爪は形成されないか,または,先端に1対の鈎爪が形成されたが,鋸歯は形成されないものもあった.過剰再生体に鈎爪も鋸歯も形成されない,単一の棘状の構造物も形成されたが,これは1対の過剰再生体がより密に融合したものと考えられる.傷口から2〜3対の融合した構造物が形成された個体もあった.
著者
中谷 勇哉
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.167-177, 2015

<p>本発表の目的は, 与えられたテーマ(「現代日本にある多様な文化はそれぞれ, 情報技術とどのような相互作用を持っている(あるいは持っていない)」)のであろうか)について, 知覚の変化という観点から, 現代を「メタ複製技術時代」として捉え考察することである。事例としては, 初音ミクのライブを扱う。そのなかでまず, 既存の初音ミク論について整理した後, フラッシュモブとハクティビズムという現代の文化現象が, ロックフェスティバルとハッカー文化にその原型をもっていること, そしてそれらの関連性について述べる。その後それらのことから, 複製技術時代からメタ複製技術時代への移行と音楽聴取形態の変容が関連して起きていることを示す。また, 以上の議論から, 文化領域における情報の価値についても考察を試みる。</p>
著者
中谷 勇介
出版者
Japan Association for Comparative Economic Studies
雑誌
比較経済体制学会年報 (ISSN:13484060)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.117-126,211, 2002 (Released:2009-07-31)
参考文献数
6

This paper presents a Cournot model analysis for joint venture with cost effects. When a firm enters foreign market, it has an alternative choice between joint ventureand export. First, a relation with cost and joint venture gain is examined. In this situation, a range of cost differences is needed and this gain's change is analyzed. Then, a range of cost difference is less than trade barrier not reduced.
著者
中谷 勇哉
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.167-177, 2015-03-31 (Released:2017-01-25)
参考文献数
14

本発表の目的は, 与えられたテーマ(「現代日本にある多様な文化はそれぞれ, 情報技術とどのような相互作用を持っている(あるいは持っていない)」)のであろうか)について, 知覚の変化という観点から, 現代を「メタ複製技術時代」として捉え考察することである。事例としては, 初音ミクのライブを扱う。そのなかでまず, 既存の初音ミク論について整理した後, フラッシュモブとハクティビズムという現代の文化現象が, ロックフェスティバルとハッカー文化にその原型をもっていること, そしてそれらの関連性について述べる。その後それらのことから, 複製技術時代からメタ複製技術時代への移行と音楽聴取形態の変容が関連して起きていることを示す。また, 以上の議論から, 文化領域における情報の価値についても考察を試みる。