著者
中里 雅光
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.928-933, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
12
被引用文献数
1

近年,肥満者の増加と,肥満を基礎にして発症する糖尿病,脂質代謝異常,高血圧症などの肥満症やメタボリックシンドロームを呈する患者数が増加している.生活習慣病の根底にある肥満の治療は食事療法や運動療法といった生活習慣の変容が基本であるが,現実的には困難であり,減量に成功する症例は少ない.最近,さまざまな摂食調節ペプチドの同定や各因子間のネットワークを含めた摂食調節機構の解析が進んでおり,摂食調節物質そのものや受容体をターゲットにした創薬により,新しい抗肥満薬が開発され実用化されつつある.
著者
高嶋 伸幹 矢澤 省吾 石原 明 杉本 精一郎 塩見 一剛 廣松 賢治 中里 雅光
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.30-35, 2008 (Released:2008-01-25)
参考文献数
8
被引用文献数
2 3

We report a 49-year-old man who was a human T-cell leukemia virus type 1 (HTLV-1) carrier, born in Okinawa prefecture where both strongyloidiasis and HTLV-1 are endemic. He presented with fever, headache and urinary retention. On the basis of CSF examination and MRI findings, his condition was diagnosed as myelitis. He received methylprednisolone pulse therapy. He was transferred to our hospital due to severe paralytic ileus. Strongyloides stercoralis (S. stercoralis) was found in the duodenal stained tissue of a biopsy specimen. Ivermectin applied both orally and through enema were ineffective because of severe ileus and intestinal bleeding. Nine mg (200μg/kg) of ivermectin solution was administered subcutaneously every other day for five days (total amount 45mg). The S. stercoralis burden in the stool decreased and paralytic ileus gradually resolved. Three weeks after the resolution of S. stercoralis infection, purulent meningitis developed and acute obstructive hydrocephalus appeared. The hydrocephalus improved by ventricular drainage. Approximately three months after drainage, he died of incidental aspiratory pneumonia. Autopsy showed neither eggs nor larvae of S. stercoralis in the organs. In this case, the fourth reported case in the world, subcutaneous ivermectin injection was dramatically effective. We should consider a diagnosis of strongyloidiasis for any patient from Okinawa prefecture who was an HTLV-1 carrier presenting with unknown origin ileus after treatment of steroid therapy.
著者
中里 雅光
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.3, pp.445-450, 2020-03-10 (Released:2021-03-10)
参考文献数
16
著者
上野 浩晶 中里 雅光
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.3, pp.753-759, 2014-03-10 (Released:2015-03-10)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

日本を含めた世界中で肥満者が増加しており,その結果として2型糖尿病,脂質異常症,高血圧,脂肪肝,脳卒中,虚血性心疾患などを合併した肥満症患者が増加している.肥満症患者では3%の体重減少でも糖脂質代謝や血圧などの改善がみられるため減量が重要であるが,現実的には食事運動療法のみでは減量できない場合が多く,抗肥満薬の必要性が出てくる.現在,日本ではマジンドールのみが抗肥満薬として認可されているが,リパーゼ阻害薬であるセチリスタットが最近製造承認を受けた.欧米ではリパーゼ阻害薬のオルリスタット,中枢性食欲抑制薬であるロルカセリンやtopiramateとphentermineの合剤などが使用されおり一定の減量効果を認めている.他にも多数の抗肥満薬が開発または治験中であるが,本稿では世界での抗肥満薬の現状と開発状況について概説する.
著者
望月 仁志 中里 雅光 塩見 一剛 十枝内 厚次 石井 信之
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

慢性砒素中毒は多臓器にまたがる障害を生じ、近年多くの国において健康被害の脅威となっている。宮崎県土呂久地区では、1920年から1962年に高濃度慢性砒素中毒患者が生じた 。住民検診において、多くは温痛覚性末梢神経障害を呈し、重症例では深部感覚障害を併発した。体性感覚誘発電位では重症例において中枢伝導時間の遅延が認められた。低濃度の飲料水砒素汚染が広がっているミャンマー国における住民検診にて、神経学的評価を実施した。50ug/Lを越えた飲料水摂取群では振動覚性末梢神経障害と中枢神経障害を呈した。これらの結果は、初めての知見であり、世界に数千万人と言われる砒素中毒患者の診療に重要な情報となる。
著者
上野 浩晶 中里 雅光
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.127, no.2, pp.73-75, 2006 (Released:2006-04-01)
参考文献数
9

近年,肥満者の増加と,肥満を基礎にして発症する糖尿病,脂質代謝異常,高血圧症などの肥満症やメタボリックシンドロームを呈する患者数が増加している.しかし,その根底にある肥満の治療法は不十分なままである.最近,NPYやそのファミリー(PP,PYY)を含めてさまざまな摂食調節物質の同定や機能解析が進んでいる.NPYは中枢神経系に存在しており,強力な摂食亢進作用を有している.NPYニューロンを活性化する入力系としてグレリンやオレキシン,抑制する入力系としてレプチンやインスリンがある.入力系の中でも胃から分泌される摂食亢進ペプチドであるグレリンは迷走神経や神経線維を介してNPYニューロンにシグナルを伝達してその作用を発揮している.PPは主に膵臓に発現しており,摂食抑制作用を有する.PYYは十二指腸から結腸までの腸管で産生され,摂食抑制作用を有する.PYYは迷走神経を介して中枢の摂食抑制系ペプチドであるPOMCニューロンを活性化してその作用を発揮している.これら摂食調節ペプチドの機能解析が進んで,ペプチドそのものや受容体のアゴニスト,アンタゴニストといった新規の抗肥満薬の開発や実用化が期待される.