著者
中野 潔
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.1252-1258, 2000-09-15
被引用文献数
1

ディジタル化, ネットワーク化の進展に伴い, 知的財産権法政も変化しつつある.コピープテクト破りの違法性を明記した著作権法の改正および不正競争防止法の改正が1999年夏に成立した.中古ソフト販売の違法性問題, ビジネス方法の特許問題, ドメイン名と商標の問題などでも, 議論が進展した.
著者
浅野 幸治 中野 潔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.32, pp.9-16, 2005-03-19
被引用文献数
7

犯罪の増加傾向が目立つようになり、「安全安心まちづくり」に対する行政や住民の関心が高まってきた。特に、情報通信技術(ICT)を用いた防犯システムなどに興味が集まるようになった。大阪府は、ひったくりの件数が29年連続で日本一になるなど、防犯に力を入れざるを得ない状況にある。その中で、ICTを活用した「安全安心まちづくり」を目指して動き出し、それに関する研究会、協議会を設立したりしている。同研究会でまとめた資料に登場する16のICTによる防犯関連システムを、5つに分類することができる。こうしたシステムを分析すると、地域向け社会システムをどう構築するのか、構築や運営における主導役を誰が果たすのか--といった「地域ガバナンス」とでも呼ぶべき課題の状況に変化が生じていることがわかる。ウェブ、電子メール、携帯電話といった新しいICTの普及が、社会構造の変化をもたらしている。こうした問題、また、監視社会化への懸念といった問題は、いろいろな主体が胸襟を開いて語り合うことでしか解決できないと思われる。A criminal upward tendency has come to be conspicuous. Then, the concern of administration and residents about "development of secure and peaceful community" has increased. Especially, interest came to gather for the crime prevention system using ICT (Information and Communication Technology). Since the number of cases of snatching in the area became No.1 of Japan for 29 consecutive years, Osaka-fu is in the situation that she must put the power into crime prevention. Osaka-fu began to move aiming at "development of secure and peaceful community" which utilizing ICT. Osaka-fu organized the study group and the council about it. The 16 crime prevention related systems which appears in the document edited by this study group can be classified into five. If we analyze such systems, we can understand that change has arisen in the situation of the subject of "local governance". It relates on the subjects such as "how the social system for areas is built?" or "who plays the role of initiative in construction or management of the system?". The new spread of ICT(s), such as a web, an E-mail, and a cellular phone, has brought about change of social structure. Such a problem and the problem of the concern to surveillance socialization should be unsolvable unless various stake-holders only open the heart of and discuss together.
著者
西岡 徹 中野 潔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.30, pp.1-8, 2007-03-17

N コードは、10進数のみで実空間の中での位置を指定するための仕組みである。ユビキタスネットワーク社会における位置指定手法として、優れたものであると考える。N コードでは、全世界を 30 の大領域に分け、大領域を 100×100 の中領域(約 50km 四方)に分ける。中領域の中では、6桁で 50m、8桁で 5m の分解能で位置が指定できる。筆者らは、06年1月に、堺市南区登美丘地区で、GPS 機能付き携帯電話を用い、N コードに基づく児童の安全確保システムの実証実験を実施した。児童の安全確保のシステムでは、電子タグ活用型と携帯電話活用型とが、2つの典型例となっているが、筆者(西岡)は、携帯電話活用型の方が、コストが安く優れていると判断している。The N code is the method for specifying the position only with decimal integer values in the inside of real space. The authors think that N-code is excellent as the position specification method in ubiquitous network society. The whole world is divided into the large domain of 30 in N-code system. The large domain is diveded into the middle domain of 100 times 100 (approximately 50km square) in the system. If we use 6 digits, the granularity is approximately 50m. If we use 8 digits, one is 5m. The authors performed a proving experiment of safety assurance system of children based on N-code method using a cellular-phone in Tomioka area in Minami-ku, Sakai-shi, Osaka-fu at January, 2007. There are 2 typical examples in the field of secure assurance system of children : IC tag type and cellular-phone type. One of the author (Mr.Nishioka) evaluates that cellular-phone type is better because of costs and other factors.
著者
中野 潔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.13, pp.9-16, 2000-01-29

ネットワーク上のデジタルコンテンツを巡って、種々の動きが出ている。業界が融合され、合従連衡が急なため、従来、各業界に存在した役割分担の図式が入り乱れている。さて、安心してデジタルコンテンツのビジネスを実行するには、コンテンツが違法にコピーされないことが必要である。そこで、ネットワーク上のデジタルコンテンツを巡って、コンテンツを同定するための仕組みが、いくつか提唱されている。また、業界の枠組みが定まらない中で、ビジネスの関係者が利益の分配を含めて、種々の試みをなすためには、仲介業務法による仲介事業者の制限が問題になる可能性がある。2000年には、法律の改正を含め、幾多の動きが出てくるであろう。
著者
中野 潔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. EIP, [電子化知的財産・社会基盤] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.27-34, 2004-05-08

デジタル・ネットワークが普及し、その利用技術が発達してきたため、コンピューティング・パワーの確保について「所有から使用へ」とでもレッテルを張るのが可能な状況が生まれている。しかし、技術が発達すれば所有から使用へ一方的に流れるという単純なものではない。また、デジタル・ネットワークが発達した時代には、知的財産あるいは著作物でありさえすれば、それを刻印した有体物の流通というくびきから逃れて流通しうる--という意見がある。これをもとに、「所有への対価から使用への対価へ」とでも呼ぶべき変化が起きているとの議論があるが、これもそう単純ではない。また、デジタル・ネットワークの発達、および、所有から使用への意識の転換--の2点からよく言及される、pay per use、pay per viewと持続可能な社会との関係についても、慎重な検討が必要である。pay per viewと投げ銭の類とでは、その性質が、一瞥すると似て見えても、大きく異なる。