著者
山田 武士 中野 良平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.597-604, 1996-04-15
被引用文献数
7

ジョブショップスケジューリング問題(JSSP)はNP-困難な組合せ最適化問題の中でも特に難しい問題のひとつとされている. 本論文では 確率的な局所探索法であるシミュレーテッドアニーリング(SA)法を用い これに確定的(deterministic)な局所探索法であるshifting bottkeneck(SB)法を組み合わせることによってJSSPの効率的な近似解法を提案する.現在のスケジュールに対して新たなスケジュールがクリティカルパス上の作業順序の入れ換えと Giffer and Thompsonのアクテイブスケジュール生成法を用いて生成され SAによって確率的に受理される. さらに 受理されなかったスケジュールに対して 本方法のために変更を加えたSB法が適用され スケジュールは修正される. 修正されたスケジュールは改善が見られた場合に限って受理される. 本方法をよく知られたいくつかのべンチマーク問題に適用した結果 解の品質において従来の近似解法を上回る結果を得ることができた.The Job-Shop Scheduling Problem (JSSP) is one of the most difficult NP-hard combinatorial optimization problems. This paper proposes a new method for solving JSSPs based on simulated annealing (SA), a stochastic local search, enhanced by shifting bottleneck (SB), a problem specific deterministic local search. In our method new schedules are generated by a variant of Giffler and Thompson's active scheduler with operation permutations on the critical path. SA selects a new schedule and probabilistically accepts or rejects it. The modified SB is applied to repair the rejected schedule; the new schedule is accepted if an improvement is made. Experimental results showed the proposed method found near optimal schedules for the difficult benchmark problems and outperformed other existing local search algorithms.
著者
斉藤 和巳 中野 良平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.490, pp.13-18, 2003-12-01

本報告では,統計モデルとして定式化した2種類のニューラルネットを用いて,文書が属すると思われるトピックの推定とトピックを特徴づける単語群の抽出法を論じる.これら推定と抽出法の特徴は,事後確率の最大化によるトピック抽出に着目した目的関数を採用して学習し,その結果として得られたパラメータの大きさに基づいて特徴語を抽出することである.Web上のテキストヘの適用事例を通して,トピック抽出性能と特徴語抽出能力を評価する.
著者
中野 良平 斉藤 和巳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.28, no.12, pp.1246-1254, 1987-12-15

代表的な関係データベース言語は関係論理に基づくが データベースマシンのサポート言語は多くの場合関係代数である.したがって 関係論理で表現した検索を データベースマシンでの実行を想定して 最適な関係代数表現に変換する研究が重要になる.関係論理表現に集約関数が入って来ると 閉じないアルファが現れるので 関係代数への変換は容易でない.本論文は関係論理表現に現れる集約関数を Klug の補正も考慮に入れた最適な関係代数表現に変換する体系を述べたものである.Klug の補正に効率良く対処するため 関係代数演算に新しいタイプの集約演算を導入する.新変換法の基本的アイデアは 代数表現への変換が容易な標準集約形を中継地点とし それの生成と解決という2フェーズの変換体系にある.同法は3漣の基本変換則と3種の発見的変換則から構成される.新変換法の目的は 集約関数を含んだ関係論理表現を人間が考え出すような最適な関係代数表現に変換することにある.変換プログラムを作成し 考えられる様々な複雑な検索に適用して 極めて満足すべき結果が得られることを確認した.