著者
森 吉昭 内田 善久 中野 靖 吉越 洋 石黒 健 太田 秀樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.687, pp.233-247, 2001
被引用文献数
3

大型重機により現場転圧された粗粒材料の高応力下での圧縮性状について検討を加えた. フィルダムロックゾーンの築堤時実測沈下データを整理し, 大型ダムのような高応力下では転圧された粗粒材料が弾塑性的な圧縮変形挙動をとること, 圧縮変形量が粒子サイズ, 粒度分布, 間隙比などの影響を受けて変化することを明らかにした. 実堤体の材料定数を, 供試体の粒子サイズに制約を設けた室内試験結果によって直接評価できないことを指摘し, 現場材料と室内供試体の材料粒度の違いに関する変形パラメータの補正方法を示した後, これを用いてあるロックフィルダムの築堤, 湛水工程を再現した応力変形解析を実施した. 解析結果は実測値と概ね良好な一致を示し, 提案手法の実務レベルでの適用性が確認された.
著者
中野 靖久
出版者
日本視覚学会
雑誌
VISION (ISSN:09171142)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.17-27, 1995 (Released:2019-04-19)
著者
遠藤 有美 小松 賢一 福井 朗 小林 恒 中山 勝憲 中野 靖子 木村 博人
出版者
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
雑誌
日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.313-318, 1996-12-15 (Released:2010-05-31)
参考文献数
25
被引用文献数
3 1

他臓器の悪性腫瘍が顎・口腔領域に転移することは比較的まれである。顎骨への転移性腫瘍の原発臓器は, 乳房, 肺, 副腎の順に多く, 口腔領域に初発症状を呈する転移性肝細胞癌はきわめてまれである。今回, 著者らは, 下唇の知覚麻痺を初発症状とする下顎骨への転移性肝細胞癌の一例を経験したので臨床経過ならびに文献的考察を報告する。患者は59歳, 男性で, 歯科, 麻酔科, 耳鼻科, 神経内科を経て, 当科を紹介された。X線所見で4に近接する骨に, びまん性の骨吸収像を認めた。下顎骨より採取した生検標本の病理組織学的所見で下顎骨の転移性肝細胞癌の診断を得た。肝癌が口腔領域に転移した場合の初発症状として, 腫脹, 出血が多いとされていたが, 1957年から1996年における下顎骨に転移した肝細胞癌の報告では27症例中5症例に, 三叉神経の知覚麻痺を認めた。さらに50歳代の男性に多く, 発生部位としては下顎骨体部と下顎枝に多いことが明らかとなった。
著者
梶田 正巳 中野 靖彦
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.160-170, 1973

1. TABLE1のごとく, 独立した2種類の対連合学習を5才から13才の5つの年齢水準の児童に実施した。刺激は, 線画で全体として関連のないようなものを選んだ。反応はカラーラベルである。実験は, パスの表裏に刺激と反応を入れ, 色のボールを当てる遊びとして実施した。学習完了後, 実験者は, 提示刺激を20秒間自由再生させ, その後でどのようにして速くボール当てをできるようにしたか, 質問した。そして, 実験者は, この応答と実験中に与えられる手掛りを基礎にして, 被験者がどのような学習型を採ったか判断した。カテゴリーは,(1) 刺激と反応を直接連合するS-R型,(2) 個別反応刺激のみS-R 結合し, それに属さぬ刺激には, 総て共通反応をするE R型,(3) 学習型を決定できないUD, とした。<BR>まず, 2種類の学習課題が, 発達的にどのようなパフォーマンスを生むか分析した。その結果, 次の事が明らかとなった。<BR>(1) 打切り基準内で, 学習基準を達成しえなかった被験者は, 5才児で最も多く, 7才児, 9才児と少なくなった。未到達者は, 第2学習課題で多かった。<BR>(2) 第2学習課題が, 第1学習課題より多くの試行数を要した。また, 年少児が, 年長児より多くの試行を必要とした。年齢水準と課題に相互作用はみられなかった。<BR>(3) どの年齢をとっても, 第2学習課題で提示刺激の再生される数は多かった。しかし, 刺激の何割が正しく再生されたかを示す正再生率をみると, 2種の学習課題に相違はみられなかった。また, 一貫して, 個別反応刺激の正再生されやすい傾向がみられた。<BR>(4) 年長児が年少児より, 個別反応刺激をはじめに続けて反応しやすい傾向がみられた。また, 個別反応刺激から反応する被験者は, ほとんど総てER型学習者と判定されていた。<BR>次に, 分類された学習型に分析の視点を移して, 整理してみると,<BR>(1) 特に, 5才児には, S-R型学習者が多く, 第1 学習課題では, 7才児でER型学習者がドミナントになった。第2学習課題) においても, 5才児でS-R型学習者が多くみられ, 7才児で両学習型は均衡し, 9才児では, ER型学習者が大多数を占めた。7才から8才の間に, 移行期のみられることが示唆された。<BR>(2) 第1学習課題では, S-R型とER型学習者の間に, 学習基準までの試行数の相違はみられなかった。しかし, 第2学習課題ではER型学習者がS-R型学習者より速く学習を完了しており, ここではうER型学習者の発達的増加が試行数の発達的減少に貢献していた。両学習課題のこのような相違は, 課題を構成する刺激の数によって考察された。<BR>2. 研究方法について対連合学習の実験では, 研究者の操作する実験条件にデータを整理する視座を定め, パフォーマンスの種々の側面について関係を調べるのが普通である。この研究でも, 始めに, そのような点から, 2種類の異なった学習課題が発達的にどのようなパフォーマンスを生じさせたか検討してきた。一般的に言って, このようなアプローチは, 研究者が誰でも一致しうるような, また, それゆえに, 再構成可能な独立変数に依存しているので, 資料を分析整理するには, 比較的危険度の少ない方法であろう。しかし, 一定の外部条件を操作したとしても, 被験者の中には実にさまざまな内的過程の生起していることは, あまりにも明らかなことである。ある操作が, ある内的過程に, 一義的に対応しているようなことは, きわめて稀なことではないであろうか。特に, 人間の学習のごとき, 複雑な対象を扱う場合には, その感をまぬがれえない。このように厳密にできる限り外部条件を整えたとしても, 多様な内的過程の干渉によって, パフォーマンスの高い予測性を十分に獲得できないでいるのである。たとえば, 著者らの弁別移行学習の研究においても, 移行条件は確かにパフォーマンスに有意差をもたらしはしたが, 条件とパフォーマンスの関連度は, せいぜいω2 =. 16にとどまっていた (梶田1972)。<BR>それでは, このような欠陥を補なう他の分析方法をとるとしたら, どのような方法が考えられるであろうか。直ちに可能な方法は, 所与の条件下で, 実際, 被験者がどのような内的過程を経ているかを質問し, 接近し, 記述, 分類することであろう。
著者
中野 靖夫 前田 恵三 和泉 嘉則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.433, pp.21-28, 1998-11-20
参考文献数
6
被引用文献数
1

これまで、キーボードの操作履歴の分析により、プログラム作成過程を解明してきたが処理過程における学習者の状況認知や意思決定が不明であった。そこで、非反応測定法によりBASICプログラム作成中のキー入力デ-タを収集するとともに、発話思考法によって発話データを収集し、両者の情報を統合してプログラミングにおける状況認知と処理過程を明らかにすることを試みた。本研究は中学生2名の状況認知と処理過程について報告する。