著者
続 有恒 荻野 惺 冨安 芳和 秦 安雄 梶田 正巳 永田 忠夫
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大學教育學部紀要. 教育心理学科 (ISSN:03874796)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.43-57, 1968-03-25
被引用文献数
1

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
梶田 正巳 KAJITA Masami 西口 利文 NISHIGUCHI Toshifumi
出版者
名古屋大学大学院教育発達科学研究科
雑誌
名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要 (ISSN:13461729)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.1-8, 2001-12-27 (Released:2006-01-05)

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを利用している。
著者
梶田 正巳 中野 靖彦
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.160-170, 1973

1. TABLE1のごとく, 独立した2種類の対連合学習を5才から13才の5つの年齢水準の児童に実施した。刺激は, 線画で全体として関連のないようなものを選んだ。反応はカラーラベルである。実験は, パスの表裏に刺激と反応を入れ, 色のボールを当てる遊びとして実施した。学習完了後, 実験者は, 提示刺激を20秒間自由再生させ, その後でどのようにして速くボール当てをできるようにしたか, 質問した。そして, 実験者は, この応答と実験中に与えられる手掛りを基礎にして, 被験者がどのような学習型を採ったか判断した。カテゴリーは,(1) 刺激と反応を直接連合するS-R型,(2) 個別反応刺激のみS-R 結合し, それに属さぬ刺激には, 総て共通反応をするE R型,(3) 学習型を決定できないUD, とした。<BR>まず, 2種類の学習課題が, 発達的にどのようなパフォーマンスを生むか分析した。その結果, 次の事が明らかとなった。<BR>(1) 打切り基準内で, 学習基準を達成しえなかった被験者は, 5才児で最も多く, 7才児, 9才児と少なくなった。未到達者は, 第2学習課題で多かった。<BR>(2) 第2学習課題が, 第1学習課題より多くの試行数を要した。また, 年少児が, 年長児より多くの試行を必要とした。年齢水準と課題に相互作用はみられなかった。<BR>(3) どの年齢をとっても, 第2学習課題で提示刺激の再生される数は多かった。しかし, 刺激の何割が正しく再生されたかを示す正再生率をみると, 2種の学習課題に相違はみられなかった。また, 一貫して, 個別反応刺激の正再生されやすい傾向がみられた。<BR>(4) 年長児が年少児より, 個別反応刺激をはじめに続けて反応しやすい傾向がみられた。また, 個別反応刺激から反応する被験者は, ほとんど総てER型学習者と判定されていた。<BR>次に, 分類された学習型に分析の視点を移して, 整理してみると,<BR>(1) 特に, 5才児には, S-R型学習者が多く, 第1 学習課題では, 7才児でER型学習者がドミナントになった。第2学習課題) においても, 5才児でS-R型学習者が多くみられ, 7才児で両学習型は均衡し, 9才児では, ER型学習者が大多数を占めた。7才から8才の間に, 移行期のみられることが示唆された。<BR>(2) 第1学習課題では, S-R型とER型学習者の間に, 学習基準までの試行数の相違はみられなかった。しかし, 第2学習課題ではER型学習者がS-R型学習者より速く学習を完了しており, ここではうER型学習者の発達的増加が試行数の発達的減少に貢献していた。両学習課題のこのような相違は, 課題を構成する刺激の数によって考察された。<BR>2. 研究方法について対連合学習の実験では, 研究者の操作する実験条件にデータを整理する視座を定め, パフォーマンスの種々の側面について関係を調べるのが普通である。この研究でも, 始めに, そのような点から, 2種類の異なった学習課題が発達的にどのようなパフォーマンスを生じさせたか検討してきた。一般的に言って, このようなアプローチは, 研究者が誰でも一致しうるような, また, それゆえに, 再構成可能な独立変数に依存しているので, 資料を分析整理するには, 比較的危険度の少ない方法であろう。しかし, 一定の外部条件を操作したとしても, 被験者の中には実にさまざまな内的過程の生起していることは, あまりにも明らかなことである。ある操作が, ある内的過程に, 一義的に対応しているようなことは, きわめて稀なことではないであろうか。特に, 人間の学習のごとき, 複雑な対象を扱う場合には, その感をまぬがれえない。このように厳密にできる限り外部条件を整えたとしても, 多様な内的過程の干渉によって, パフォーマンスの高い予測性を十分に獲得できないでいるのである。たとえば, 著者らの弁別移行学習の研究においても, 移行条件は確かにパフォーマンスに有意差をもたらしはしたが, 条件とパフォーマンスの関連度は, せいぜいω2 =. 16にとどまっていた (梶田1972)。<BR>それでは, このような欠陥を補なう他の分析方法をとるとしたら, どのような方法が考えられるであろうか。直ちに可能な方法は, 所与の条件下で, 実際, 被験者がどのような内的過程を経ているかを質問し, 接近し, 記述, 分類することであろう。
著者
杉江 修治 梶田 正巳
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.381-385, 1989-12-30

The quality of interactions among small group members constitutes a significant factor that brings about positive effects in school learning. And aspects affecting the quality of the interactions are still more numerous. In this study, we chose one of the important aspects, namely: "the effects of teaching activities", and examined the reasons why the activities would produce good results in small groups. Two types of instructions were given...A: "You must teach another person after learning yourself", B: "Your attainment will be evaluated after you have learned". Two types of activities were directed after a study lasting 25 minutes...a: To teach another person, b: To review the learning tasks. E_1 was the condition of A+a, and E_2: A+b, and C: B+b. Ss were 11-12 year-old children, and the tasks used were arithmetic. Results were as follows. (1) The learning set to teach another person "after one has learned" had positive effects on academic achievement. (2) The activities to teach another person seemed to have a possibility to raise some positive effects.
著者
梶田 正巳
出版者
椙山女学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

「動きイメージ」の認知的機能を研究することが基本的目的であった。「動きイメージ」は単語の認知処理である記憶実験によって検討した。そのためにカタカナ語をその筆順を示すことで、「動きイメージ」の効果を検討することになった。すなわち、「動きイメージ」をディスプレイに示すソフトウエアを利用して「動きイメージ」を生成することになった。しかしながら、初年度から、参照モデルがないために、以前には予想もしなかったいろいろな問題、テーマに遭遇した。単語刺激であるカタカナ語の筆順は、ストローク間を一定のtime-intervalでコントロールして、「動きイメージ」を生成した。しかし、単語刺激のカタカナを見た被験者は、筆順の「動きイメージ」がやや不自然に見えるという問題が発生したのである。この不自然さが、かえってカタカナ語の認知に大きな影響を及ぼすために、いかに不自然さを縮減することが出発点となった。すなわち、文字の「ストローク」を自然な動きにするために、カタカナ語の各ストロークを異なったタイム・インタバルによって制御することが不可欠になり、基礎的な実証的研究をしなければならなくなった。そこで、カタナカ語を大人に書いてもらい、ストロークごとの「動きの速さ」を反映した「動きイメージ」を作成しなかればならなくなった。厳密には、不可能であるが、新しい基礎研究を実施することになった。すなわち、カタカナ語を書かせて、文字のストローク毎に動きの速さを測定した。多くの被験者のカタカナ語の筆順の動きを集めて、ストロークの速さの概要を把握することにした。ここで明らかになったことは、「自然な筆順の動きイメージ」は、学校の教育過程で習得され、具体的には、文字学習の過程と一体になった実践的研究をすることは不可欠になった。こうした問題意識にかわって、当初と違って大きく深まった。しかしながら、単語の「動きイメージ」は、その認知処理過程に「生成処理」と同じ効果を持つであろうという理論は、関連研究をレヴューすると間違っていないので、理論編を学会誌に発表することにしている。