著者
松坂 敏博 森山 陽一 小笹 浩司 太田 秀樹 藤野 陽三 宮川 豊章 西村 和夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.1-18, 2017 (Released:2017-01-20)
参考文献数
25
被引用文献数
1 7

我が国の社会や経済活動を支える重要な社会インフラとなっている高速道路は,名神高速道路の開通から既に50年以上が経過したように,経過年数の長いものが増えてきている.高速道路の構造物は,過酷な使用状況に曝されており,長期的に健全な状態で機能させることが重要な課題となっている.本稿では,東,中,西日本高速道路会社3社が管理している高速道路の構造物の2011年度末時点での健全度データと点検調査データなどを用い,さまざまな角度から変状の要因を分析するとともに,これらのデータを用いて経年劣化の見通しを予測した.そのうえで,高速道路を長期的に健全な状態で機能させるために必要な,これらの構造物の大規模な更新や修繕の計画と課題について示した.
著者
荒井 康之 鈴木 隆雄 長島 晃司 福地 将彦 小坂 由道 太田 秀樹
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.150-157, 2019-09-20 (Released:2019-09-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1

目的:在宅ケアを受けたがん患者において,患者・家族が希望する最期の場所は在宅ケアを受ける中で変化するのか,実際に希望の場所で患者が最期を迎えるのかを検討する.方法:A診療所が在宅ケアを提供したがん患者111人の診療録調査.在宅ケアの開始当初と最終段階での患者・家族が希望する最期の場所,患者が最期を迎えた場所を検討した.結果:当初の希望が自宅である患者の95.6%・家族の96.8%が最期まで自宅を希望し,当初の希望が自宅でない患者の87.9%・家族の84.8%が最期に自宅を希望した.患者の97.4%・家族の97.2%で,最終段階の希望と最期を迎えた場所が一致した.結論:一診療所の調査ではあるが,自宅での最期を希望した患者・家族は最期までそれを希望し続け,当初はそれを希望しなかった患者・家族も最期には自宅を希望しやすいことが示唆された.また患者の多くが希望の場所で最期を迎えることが示唆された.
著者
森 吉昭 内田 善久 中野 靖 吉越 洋 石黒 健 太田 秀樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.687, pp.233-247, 2001
被引用文献数
3

大型重機により現場転圧された粗粒材料の高応力下での圧縮性状について検討を加えた. フィルダムロックゾーンの築堤時実測沈下データを整理し, 大型ダムのような高応力下では転圧された粗粒材料が弾塑性的な圧縮変形挙動をとること, 圧縮変形量が粒子サイズ, 粒度分布, 間隙比などの影響を受けて変化することを明らかにした. 実堤体の材料定数を, 供試体の粒子サイズに制約を設けた室内試験結果によって直接評価できないことを指摘し, 現場材料と室内供試体の材料粒度の違いに関する変形パラメータの補正方法を示した後, これを用いてあるロックフィルダムの築堤, 湛水工程を再現した応力変形解析を実施した. 解析結果は実測値と概ね良好な一致を示し, 提案手法の実務レベルでの適用性が確認された.
著者
太田 秀樹 齋藤 邦夫
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

降雨後の駿河湾地震 (2009年8月) で崩壊した東名高速道路牧の原盛土の盛土材料を実験に供したうえで現場データと比較照合したところ、現場で崩壊せずに残った盛土がおおむね1200kPa程度の定体積せん断強度を持っていたと判断された。崩壊した盛土の強度が120kPa程度であったことが分かっているから、崩壊した盛土は水がしみ込んで泥濘上になり強度が120kPa程度にまで低下していたと推定できる。永年の浸水による盛土の劣化・強度喪失のメカニズムを一連の実験によって推定したところ、崩壊前後の現場状況と定量的に整合し力学的に妥当と思われる結果がえられ、水による盛土の経年劣化機構が明らかになった。
著者
太田 秀樹 桑野 二郎 竹村 治朗 日下部 治 小林 一三 飯塚 敦
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

平成11年度はジオシンセティックスで補強された土構造物の力学的挙動を合理的に説明することを目的とし,ジオシンセティックスと締固め土の力学的相互作用と補強効果の関連に着目し,締固め土のせん断特性を考慮したモデル化を行った.すなわち締固め土と等価と考えられるような過圧密粘土を想定し,締固め試験に対する一連の等体積一面せん断試験結果に基づき,計算に必要なパラメータの決定方法を提案し,2つの実物大現場試験を有限要素解析によりシミュレートした.その結果,・ジオシンセティックスの敷設が,せん断による土の体積膨張を拘束すると,その補強効果は土の違い(締固め度合いの違い)によってどのように現れるかを解析的に調べ,関口・太田モデルを用いた場合には,強く締め固めすぎるとジオシンセティックスの拘束効果をかえって減ずる場合があることを示した.・締固め土を対象として,解析に必要な入力パラメータの決定法を提案した.締固め管理図を描くことにより,締固め土を過圧密粘土の概念を用いて置き換え,締固め度合いを過圧密比で表すことができた.・実物大現場試験を有限要素解析にてシミュレートし,実測された変形挙動,特にせん断ひずみの集中を説明を説明することができた.