- 著者
-
菅沼 一男
丸山 仁司
- 出版者
- 理学療法科学学会
- 雑誌
- 理学療法科学 (ISSN:13411667)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, no.6, pp.773-776, 2008 (Released:2009-01-28)
- 参考文献数
- 11
[目的]本研究は,健常人を対象とし広範囲侵害抑制調節(以下DNIC)が立位体前屈の指床間距離に及ぼす即時的効果について検討した。[対象]対象は,健常者40名(男性20名,女性20名),平均年齢20.7歳であった。「方法」方法は1日に30秒程度の間隔をあけ3回の連続した立位体前屈の指床間距離を測定することとし,各測定日間の相互の影響を考慮し,各測定日の間隔を3日間あけ,1日目,5日目,9日目に測定を行った。DINCの介入による影響を検証するために5日目の2回目のみ,手の背側骨間筋に圧迫刺激による痛み刺激を与えるDNICの介入を行った。[結果]1日目および9日目の測定値は1回目から3回目の各測定値間には有意差はみられなかった。しかし,5日目においては,男女合わせた測定値が1回目から3回目の順に-8.3±7.0 cm,0.1±6.1 cm,-0.4±6.0 cmであり有意差がみられた。[結語]DNICの介入により,立位体前屈の指床間距離の改善が認められ,少なくとも介入時および直後まで効果の持続が確認された。