著者
横井 彩 山中 玲子 森田 学 山崎 裕 柏﨑 晴彦 秦 浩信 友藤 孝明 玉木 直文 江國 大輔 丸山 貴之 曽我 賢彦
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

舌の上に白い苔のように付着している汚れ(舌苔)の面積と、口の中のアセトアルデヒド濃度について、健常者65人(男性51人、女性14人)で調査し、舌苔の付着面積が大きい人は、付着面積が小さい人に比べ、口の中のアセトアルデヒド濃度が高くなることを明らかにしました。その理由として、舌苔に含まれる細菌がアセトアルデヒドの産生に関与していると考えられ、舌苔を取り除く舌清掃を行うと、口の中のアセトアルデヒド濃度が減少することも確認しました。
著者
森田 学 丸山 貴之 竹内 倫子 江國 大輔 友藤 孝明
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

高齢者をターゲットとした研究は、日本をはじめとする先進国の喫緊の課題である。これまでの歯科領域における研究対象としての“高齢者”は、主に“要介護高齢者”あるいは“要支援高齢者”である。これに対して近年、“オーラルフレイル(口腔機能の虚弱)”という口腔機能の軽微な衰えを表す概念が注目されている。現実には、日常生活で口腔機能に不自由を感じていない高齢者(前オーラルフレイル期高齢者)は多数存在する。しかし、このような高齢者を対象に歯・口の機能の継時的変化(機能の衰え)を追跡した研究は少ない。本研究では、オーラルフレイルに関連する要因とオーラルフレイルに至るまでのプロセス(パス)を解明することとした。岡山大学医療系部局研究倫理審査専門委員会で承認を得たのちに大学病院外来患者を対象に、オーラルフレイルと関連する身体的、精神的、社会的指標を調査した。オーラルフレイルの判定には、オーラルディアドコキネシス、舌圧、口腔乾燥、咀嚼能力、咬合接触面積、細菌検査、質問票の結果から総合的に判定した。オーラルフレイルと関連している可能性のある指標として、全身の老化指標(BMI、栄養状態、日常生活動作)、生活のひろがり(活き活きとした地域生活を送っているか否か)、精神・心理状態(WHO Five Well-Being Index)など調査した。総計150名の患者が調査に参加した。現在35名(平均年齢74.3±5.0歳、男性10名、女性25名)について入力し、分析を開始している。舌圧、口腔乾燥、咀嚼能力、質問票については正常の者が多かった。しかし、細菌検査、咬合接触面積、オーラルディアドコキネシスについては、正常以下の者が多かった。総合的に判断した口腔機能低下症が認められる群(6名)と認められない群(29名)との間で、全身の老化指標、生活のひろがり、精神・心理状態を比較したところ、2群間で有意に異なる指標はみられなかった。
著者
丸山 貴之 森田 学 友藤 孝明 江國 大輔 山中 玲子 竹内 倫子
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近年、生活習慣病の対策として、成人に対する食育の重要性が注目されている。本研究では、食育活動の実践頻度と生活習慣病に関する検査値との関連性、早食いの主観的評価と客観的評価の関連性について調査し、食育活動が低い(早食いを自覚している)と判断された者を対象に、早食い防止啓発パンフレットの配布や食行動記録を行うことで、食育活動の改善がみられるかについて検討した。さらに、食育の知識とう蝕との関係について、歯科保健の立場から調査した。