著者
横井 彩 山中 玲子 森田 学 山崎 裕 柏﨑 晴彦 秦 浩信 友藤 孝明 玉木 直文 江國 大輔 丸山 貴之 曽我 賢彦
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

舌の上に白い苔のように付着している汚れ(舌苔)の面積と、口の中のアセトアルデヒド濃度について、健常者65人(男性51人、女性14人)で調査し、舌苔の付着面積が大きい人は、付着面積が小さい人に比べ、口の中のアセトアルデヒド濃度が高くなることを明らかにしました。その理由として、舌苔に含まれる細菌がアセトアルデヒドの産生に関与していると考えられ、舌苔を取り除く舌清掃を行うと、口の中のアセトアルデヒド濃度が減少することも確認しました。
著者
丸箸 圭子 村岡 正裕 中農 万里 横井 彩乃 山田 晋也 中村 奈美 脇坂 晃子 大野 一郎 村上 婦美
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.327, 2018

はじめに当院では2012年より多職種による緩和ケアチーム(以下、PCT)を立ち上げ活動している。その中で重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))の緩和ケアに取り組んだ5例について報告する。症例症例1:亜急性硬化性全脳炎 誤嚥により低酸素性虚血性脳症となる。体位変換、吸引などのケア時にあえぎ呼吸、SpO2低下、徐脈が頻回にみられ、PCTに相談した。あえぎ呼吸の原因が咽頭けいれんによるミオクローヌスであるとの見立てよりクロナゼパムの内服を開始したところ、呼吸状態は改善した。症例2:細菌性髄膜炎後遺症 CTにより偶然、食道がん、多発肺転移と診断。末期がんではあるが苦痛様症状をとらえることが難しく、PCTに相談した。バイタルサインに加えFaces Pain Scaleを用いた評価、疼痛、呼吸緩和の方針、栄養管理、家族へのケアを確認した。症例3:脳性麻痺 介護スタッフの交代を機に摂食量低下した。低栄養に伴う皮膚トラブルなどが増えてきたためPCTに相談。療育、遊びを通してスタッフとの信頼関係を築き、お気に入りの場所や嗜好に合わせた食事内容の検討をしたところ摂食量も増え、活気も戻ってきた。症例4:脳性麻痺 肝細胞がん 診断後定期的にPCT介入し、塩酸モルヒネを少量より開始していたが効果の評価は難しかった。症例5:脊髄小脳萎縮症 がん性胸膜炎 PCT介入にて主な苦痛の原因は上気道閉塞および胸水貯留による呼吸苦と判断し、呼吸リハビリチームに協力を要請し呼吸ケアに重点をおいて関わっている。 まとめ重症児(者)は、言語的コミュニケーションをとることが難しく、苦痛な状態を評価し、治療やケアの方法を選択するのに苦慮する場面が多い。病棟内外の多職種で関わることで倫理的、効果的な治療方針を立てていくことができる。今後もガイドラインに沿いながらも当院の患者に合った緩和ケアに取り組んでいきたい。
著者
横井 彩 眞鍋 求 能登 舞 蓮沼 直子 野澤 一美 川口 尚子 情野 治良 奥田 誠 吉田 康弘
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.347-353, 2018 (Released:2019-08-13)
参考文献数
7

乾皮症に対して,保湿剤によるスキンケアが有用であることは広く周知されている。そこで今回,我々は同一分子内に両荷電を有する両親媒性キトサン誘導体である部分ミリストイル化カルボシキシメチルキトサン(以下 PMCMC)を配合した O/W 型乳液を開発し,乾皮症を有する被験者19名に対する保湿効果を検討した。 4 週間の使用試験の結果,皮膚所見(乾燥・落屑)・角層水分量・経皮水分蒸散量・痒みのいずれの項目も,試験開始時に比べ有意な改善が認められ,対照として用いたW/O 型乳化製剤のヘパリン類似物質製剤(医薬品)と同等であった。また,興味深いことに,被験者による使用感評価は対照よりも高く評価された。これらの所見は,PMCMC 配合乳液が医薬品と同等の保湿効果と高い使用感特性を有することを示唆するものである。よって,本製品はアドヒアランスやスキンケアの継続性を高め,また QOL の向上に寄与することが期待される。 (皮膚の科学,17 : 347-353, 2018)