1 0 0 0 OA 活性酸素

著者
佐藤 英介 井上 正康
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.606-614, 2002-01-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
15

Mammalian tissues have large amounts of available ATP which are generated by oxidative phosphorylation in mitochondria. To maintain the body, large amounts of oxygen are required to regenerate the ATP molecules. A small fraction of the inspired oxygen is converted to superoxide radicals and related metabolites even under physiological conditions. Most reactive oxygen species react rapidly with a variety of molecules, thereby interfering with cellular functions and various diseases.
著者
井上 正康
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.36-38, 2002-01-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
26
被引用文献数
2 2
著者
井上 正康
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.9, pp.458-460, 2004-09-25
被引用文献数
1

通常, "疲労"と言えば"肉体疲労"と"精神疲労"に分類されるが, 風邪や慢性炎症などでも強く疲労を感じ, いずれの場合も"しんどい"と感じる. このことは, 筋肉病態, 感染病態, あるいは精神病態が誘起した変化を同じ病態情報として認識する脳の"疲労検知中枢"が存在することを意味する. UVAは体表組織の葉酸を破壊して成長不良を誘起するが, 遺伝子毒性の強いUVBはコレステロールからビタミンD前駆体を合成してクル病を予防する. アフリカ大地溝帯で産まれた人類の祖先は, 紫外線のプラスとマイナスの効果がちょうど折り合うニッチで, 黒人, 黄色人種および白人として環境に適応分布してきた. しかし, 大航海時代以後, 移動システムの進歩, 植民地政策, 奴隷貿易などにより, 肌の色や紫外線感受性とは無関係に人種の分布が混ざり合ってきた. オーストラリアの珊瑚礁などで1時間ほど太陽光を浴びると皮膚細胞の遺伝子に約10万個もの傷がつきメラノーマが生じる. このため, オーストラリアの70歳以上の白人男性の約半数は皮膚癌に悩まされている. 皮膚をUVBで照射すると日焼けすることは常識であるが, 実は「眼に紫外線を当てても皮膚が黒くなる」という驚くべき現象がみつかった.
著者
井上 正康 佐藤 英介
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本申請者は、不安定で短寿命の活性酸素やNOのクロストークが、循環エネルギー代謝、感染防御、発生分化、組織リモデリングなど、種を越えて生物の生存を保証する危機管理スーパーシステムを構築することを世界に先駆けて報告してきた。本研究は、本システムの全容解明とその特異的代謝制御法の開発により各種病態の予防治療法確立を目的として進められた。本研究により、短寿命の活性酸素やNOを個体レベルで組織特異的に代謝制御するシステムがが確立できた。例えば、虚血組織、血管内皮細胞、肝細胞、腎尿細管細胞、白血球や網内系細胞などをその特異的ターゲットとするSOD群、長時間循環型のアスコルビン酸オキシダーゼおよびチトクロムcなどの検出分子系の開発などがその例である。これらを利用し、活性酸素NO系のスーパーシステムが抵抗性血管と所属組織のミトコンドリアエネルギー代謝・活性酸素代謝系を総合的に制御している分子機構が判明し、高血圧やショック病態がその代謝の歪みである可能性も判明した。さらに、ミトコンドリア内膜分子群に対する本スーパーシステムの作用機構を明らかにし、その特異的制御によりアポトーシスのコントロールが可能となった。さらに、本スーパーシステムが細胞の増殖制御や昆虫の変態現象にも関与することが判明した。後者は、感染症との関係で変態時期を認知実行する機構を形成していることも明らかになった。これに関連し、NO代謝を主軸とする活性酸素スーパーシステムが両棲類(オタマジャクシ)、及び昆虫(クワガタ虫やカイコ)の変態(プログラム細胞死と組織リモデリング)、および神経筋疾患の発症の時期や進行速度を統御していることが明らかになった。また、ミトコンドリア依存性細胞死を抑制するカルニチンがミトコンドリア病態を介する神経・筋萎縮性病態の進行を抑制することが判明した。さらに、組織特異的な活性酸素代謝制御による抗ガン剤の副作用(特に腎と消化管上皮細胞のミトコンドリア依存性アポトーシス)の特異的抑制法が可能であることも判明した。
著者
関山 敦生 笠原 恵美子 千田 大 岡村 春樹 内村 健治 井上 正康
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究により、(1)ストレスの種類と量のマーカー、(2) IL18、活性酸素、TNF-αを介する三つのサイトカインカスケード(3)ミトコンドリアが介するサイトカイン誘導メカニズム(FEBS Letter 2011)(4)大うつ病の重症度マーカー(5)ストレス後精神障害予測マーカーをそれぞれ発見した。(4)、(5)に関しては更なる検討を予定。成果は、2011年度後半から東北太平洋沖地震救援活動従事者の健康管理に役立っており、本研究の社会的成果は多大である。