著者
阿部 誠 山田 正人 井上 雄三
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集 第17回廃棄物学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.350, 2006 (Released:2006-10-20)

ミミズの忌避行動に着目した浸出水試料の環境影響評価試験の開発を行った。オオミジンコの急性毒性試験の結果と比較したところパラレルな応答が得られた。また、浸出水に含まれる塩分を考慮し、NaCl水溶液を対照区とした試験を行った結果、塩分以外の要因による忌避性を検出することができた。
著者
遠藤 和人 中川 美加子 肴倉 宏史 井上 雄三 井 真宏 杉原 元一
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.31-36, 2012-01-15 (Released:2012-01-20)
参考文献数
8
被引用文献数
1

Necessity to promote a recycle of waste plaster board is mounting, since the waste plaster board has been legally prohibited to dispose into inert landfill site. However, it is concerned that the recycled waste plaster board (recycled gypsum) produces hydrogen sulfide gas, so that it is one of the interference with the recycling. There is a possibility to control the hydrogen sulfide gas production from the recycled gypsum by artificially changing into alkaline condition or adding iron oxide. In this study, we discussed the hydrogen sulfide gas production from a ground improvement with the recycled gypsum, quick lime, and/or iron oxide powder. In addition, unconfined compression strength of the ground improvement is evaluated in order to obtain an incentive of the recycling. Adding only the recycled gypsum cannot improve strength of a soft ground having much amount of fine particles. Quick lime was required for strength improvement. If pH of the ground improvement is greater than 9, it was observed that the hydrogen sulfide gas production potential is negligible. Increasing pH by adding the quick lime is able to more effectively control the production of the hydrogen sulfide gas than adding the iron oxide powder. The production of the hydrogen sulfide gas is able to be controlled by adding the quick lime more than half of the amount of gypsum addition.
著者
大迫 政浩 山田 正人 井上 雄三 金 容珍 朴 政九 李 東勲 吉田 悳男 野村 稔郎
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会論文誌 (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.12, no.6, pp.256-265, 2001-11-30 (Released:2010-05-31)
参考文献数
30
被引用文献数
3 2

韓国では, 都市ごみ焼却主灰 (以後主灰と略す) からの鉛の溶出濃度が判定基準に適合しないために, 埋め立てできない状況に陥っており, 深刻な問題になっている。その原因を明らかにするとともに, 日本の主灰においても同様の問題が生じていないかを明らかにするために, 韓国の都市ごみ焼却施設に野積み保管されている主灰を採取し, 日本の施設からも主灰試料を採取して, 含有量試験, 環境庁告示13号法による溶出試験およびpH依存性試験を実施した。試験結果に基づいて, 日韓の主灰の重金属類含有量および溶出量を日本を中心にした文献データと比較検討した。その結果, 韓国の試料で鉛 (Pb) の溶出濃度が高い原因は, アルカリ・アルカリ土類金属の含有量が高く, それらの酸化物等の溶解によってpHが高くなったためであると考えられ, 文献データを基にした考察から, 日本の主灰でも同様の現象が起こっていることがわかった。韓国において埋立を法的に可能にするためには, 埋立前にエイジングを行う方法などが考えられる。日本では主灰に対する溶出基準はなく, 今後の埋立処分および有効利用の観点から適切な対策を講じる必要がある。
著者
井上 雄三 FAN Bin
出版者
独立行政法人国立環境研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

石油や埋立地汚水漏洩による地下帯水層のオンサイト修復を模擬したベンチスケール実験装置(電極材料:ステンレス製タワシ)を作成した。本装置は透過性反応型地中壁(PRB)の原理を発展させた透過性電気生成反応型地中壁(e-PRB)であり、近年、米国にて発見された微生物の嫌気性代謝の一つ(電子受容体として陰電極を用いて微生物が有機物質を酸化)である。電子は電流として陽電極に伝達され、そこで酸素が還元される。開発中のe-PRBは、透過性反応壁としての地中バイオフィルム(陰極)、地下水以浅の酸素還元(陽極)、電気とイオン移動回路の3つから構成される。通常は最終電子受容体として大気中の酸素を地下水に供給するが、酸素の溶解は効率的でなく、従来のPRB技術では高コストが懸念されている。E-PRBは酸素を地下水中に溶解の必要がないため、経済的で効率的な地下水浄化技術となる。有機汚濁物質としてグルコース、石油系汚染物質としてBTEX(ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン)をモデル汚染物質として浄化実験を行い、本装置が長期間(約4ケ月)にわたり安定した電極出力分解反応を継続できることを実験的に明らかにし、e-PRB技術が地下水汚染現場に適用可能なことを示した。本反応の電気出力は、グルコースでは有機炭素濃度が5〜20mg/Lの範囲で電流値4mA、電位差(陽極:0.39V,陰極:0.19V)となった。これは、本プロセスの浄化能力が、量論的に0.2kg-有機炭素/(m3・日)と非常に大きな有機物分解速度となることを示すものであり、オンサイト浄化技術としての能力が非常に高いと判断できる。一方、BTEXでは2mA程度になり、電極活性に阻害が生じないことは示されたが、BTXの具体的な分解能力は評価することができなかった。