- 著者
-
今岡 春樹
- 出版者
- 奈良女子大学
- 雑誌
- 挑戦的萌芽研究
- 巻号頁・発行日
- 2008
2台のデジタルカメラから得られた2枚の画像から,3次元人体形状の奥行き情報を得る装置を開発することが目的である.この際にランダム柄の密着衣服(レオタード)を着用すると,2枚の画像間の対応が明確になり便利であるランダム柄密着衣服については,大型のプリンターで布にランダム柄を印刷し,実際にレオタードを試作し着用実験を行った.一昨年度購入したレオタード作成CADを用い,7種類の異なる縫製部位を持つ型紙について,最もフィットする型紙がどれであるか,またフィットするとはどこを評価すればよいかを研究した.その結果ブラウス原型が最もフィット性が高く,その評価においては服とボディの空隙量を用いることが良いことが示された.この結果は学会で発表した画像の対応関係から注目点の奥行きを計算するには,2台のカメラの位置情報(外部パラメータ)とレンズや焦点距離の位置情報(内部パラメータ)が必要になる.昨年度購入したデジタルカメラについてその内部パラメータの同定(キャリブレーション)を行った.キャリブレーションの方法としては,2度にわたって行列の最小固有値を求めることが基本であり,対応する固有ベクトルの向きを定めることが,内部パラメータでは影響しないが,外部パラメータでは影響することを見出し,ヒューリスティックによる解法を定めた,データの標準化によって精度が向上すること,最終的な精度としては±0.4mm以内であったことは,学会で発表した