- 著者
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伊丸岡 俊秀
- 出版者
- 日本認知心理学会
- 雑誌
- 日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第5回大会
- 巻号頁・発行日
- pp.139, 2007 (Released:2007-10-01)
本研究では,単語の意味から想起される色が探索効率に与える影響を,単語の視覚探索課題を用いて調べた.実験では,色を想起しやすい語10語(色想起条件;例えば“空”)と想起しにくい語10語(色非想起条件;例えば“心”)を用いた.全ての単語には課題とは関係のない色がつけられていた.探索目標となる単語は,事前に被験者ごとに調査しておいた単語から想起される色(“空”ならば薄い青)あるいは,赤・青・緑・黄・橙・白のいずれかで彩色され,妨害項目は目標項目の輝度にマッチした別々の色によって彩色された.実験の結果,想起条件に関わらず,想起した色がつけられた目標に対する探索効率が他の色が着けられたときに比べて良くなることが示された.目標が想起した色ではない色で彩色されたときの効率低下は色想起条件で大きく,単語によって想起された色と実際に単語に着けられた色との不一致が今回見られた効果の原因であると考えれる.