著者
布施 孝志 松本 圭生
出版者
一般社団法人 日本写真測量学会
雑誌
写真測量とリモートセンシング (ISSN:02855844)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.290-299, 2016 (Released:2017-01-01)
参考文献数
16
被引用文献数
2 4

Development of high performance CPU, cameras and other sensors on mobile devices have been used for wide variety of applications. The applications require self-localization of the devices. Since the self-localization is based on GPS, gyro sensor, acceleration meter and magnetic field sensor (POS) of low accuracy, the applications are limited. On the other hand, self-localization method using images have been developed, and the accuracy of the method is increasing. This paper develops the self-localization method by integrating sensors, such as POS and a camera on a mobile device. The proposed method mainly consists of two parts : one is the accuracy improvement of POS data with filtering, and another is development of self-localization method by integrating POS data and images. The POS data filtering combines all data by using Kalman filter. The estimated exterior orientation factors are used as initial value of ones in image-based self-localization method, which is based on structure from motion. The exterior orientation factors are integrated and updated by applying bundle adjustment. Through experiments with real data, the accuracy improvement by the proposed method is confirmed.
著者
吉田 正章 佐々木 武 三町 勝久 松本 圭司
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

絵有方程式の又曲黒写像の離散的類似を得ることに成功した。この結果、離散正則関数及び離散曲面の特異点研究に或方向を与えた。(3,6)型超幾何微分方程式の測多価群が四型領域の離散部分群になる場合と、有限群になる場合に数論的関係があることを示した。空間内の平面配置特に6枚の場合に切り取られる図形を記述した。一般次元の舌寝超平面配置で切り取られる図形を組み合わせ的に調べた。FA型超幾何微分方程式の測多価群の生成元を求めた。
著者
川田 三四郎 神藤 修 落合 秀人 飯野 一郎太 宇野 彰晋 深澤 貴子 稲葉 圭介 松本 圭五 鈴木 昌八
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.619-622, 2015-07-31 (Released:2015-10-31)
参考文献数
8
被引用文献数
2

今回われわれはPress Through Package(以下,PTP)誤飲による消化管穿孔の2症例を経験した。【症例1】87歳女性。心窩部痛を主訴に受診。腹部CTで十二指腸にPTPと思われる高吸収構造と遊離ガス像を認めた。PTP誤飲による十二指腸穿孔を疑い,上部消化管内視鏡検査で,十二指腸水平脚にPTPを確認,摘出しクリップで閉鎖したが治癒に至らず,第48病日に十二指腸・空腸部分切除術を施行した。【症例2】60歳女性。上腹部痛で発症し,CTで遊離ガス像を認め消化管穿孔の診断で当院に搬送された。当院で再検したCTでも異物を指摘できず,穿孔部の同定も困難であった。緊急手術で,Treitz靱帯から240cmの回腸に穿孔部を認めPTPの一部が露出していた。【考察】消化管穿孔の原因としてPTPの誤飲も念頭におく必要がある。PTPは材質によりCTで描出されない場合があることを考慮し,画像診断すべきである。
著者
藤木 哲也 三木 康弘 松本 圭司
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.10, no.6, pp.215-219, 2010-06-01 (Released:2013-06-01)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

ポリヒドロキシアルカン酸 (Polyhydroxyalkanoate) は, 多くの微生物が菌体内に蓄積する熱可塑性高分子であり, かつ環境中の微生物により水と二酸化炭素にまで分解されることから環境調和型プラスチックとして種々の応用が期待されている。ポリヒドロキシアルカン酸の1種であるPHBHはR-3-ヒドロキシブタン酸 (3HB) とR-3-ヒドロキシヘキサン酸 (3HH) から成る共重合ポリエステルであり, 植物油や脂肪酸等を炭素源として微生物によって生産される。PHBHはその3HH組成比によって硬質から軟質の幅広い物性を示すため広範な用途が期待されることから, われわれは工業規模での生産研究および加工研究を行ってきた。
著者
赤堀 将孝 亀山 一義 宍戸 聖弥 松本 圭太 谷川 和昭
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.170-179, 2020-04-15 (Released:2020-04-15)
参考文献数
34

本研究の目的は,地域連携を視野に,地域に関わる専門職種が抱く作業療法士の認識を明らかにすることであった.質問紙調査により,作業療法士という職種についての自由記述をKH Coderを用いて分析した.結果,地域包括支援センター職員から見た作業療法士の認識には「人」,「作業」,「生活」の3つがあった.さらに,法の定義を基準にした認識や他のリハビリテーション専門職との違い,認知症を有する人の支援を行う職種,望む生活を支援するといった認識などが階層的な構造を示していた.以上から,地域包括支援センター職員との関わりでは,生活動作だけでなく対象者の「その人らしい」生活を支援する視点が必要となることが改めて確認された.
著者
白濵 成希 松本 圭司 森谷 健二 合志 和洋 渡邉 志
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会大会講演論文集 32 (ISSN:13451510)
巻号頁・発行日
pp.A2-1, 2019-11-23 (Released:2021-02-01)

We have been researching subjective evaluation experiments using Visual Analog Scale (VAS). VAS has the advantage of expressing subjectivity more intuitively. In this paper, we report an attempt of the subjective evaluation related to human lightness sense as fundamental research on what kind of color sense human has. We used VAS to obtain answers on where each gray image with different lightness corresponds to on the grayscale. Numeric values obtained by this evaluation experiment were analyzed to confirm the characteristics of the sensitivity of the individual. Moreover, at the same time, it was examined whether the VAS accurately reflected the subjective view of the person by the answer of what percentage of the grayscale was by the numeric value input. In order to conduct experiments smoothly, we developed an app that can perform VAS measurement and numeric value input simultaneously. We presented ten grayscale images to 13 subjects and obtained subjective measurements using this app. It was confirmed that when the lightness of the grayscale image is high, it can be recognized relatively accurately, but when the lightness is low, it tends to feel darker.
著者
木村 雅行 池田 雅和 柴田 英之 池田 祥子 松本 圭介
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.67-74, 2004-09-28 (Released:2017-12-01)
参考文献数
13

To estimate the laxative threshold (LT) and 50% effective dose (ED50) for diarrhea of a galactooligosaccharide (GOS) syrup (43% GOS ; 9.5% lactose ; 18% glucose ; 6.3% galactose ; 24% water), we asked 24 healthy subjects (12 men and 12 women ; age, 20 to 58 years ; weight, 39.0 to 96.0 kg) to ingest 190mL of aqueous solutions containing 5 different amounts (11.7,23.3,46.7, 70.0, 93.3g) of the syrup once every week from a low content to high one. Of the 24 subjects, 16 had diarrhea after ingestion of any test beverage. We estimeted the LT and ED50 of the GOS syrup by using a regression equation between the minimal dose levels (g/kg body weght) of the syrup caused diarrhea and the cumulative incidence of diarrhea. For the entire population, the estimated LT was 0.68 g/kg (0.30 g/kg as GOS) and the ED50 was 1.39 g/kg (0.60 g/kg as GOS). For men, the LT and ED50 were 0.65 g/kg and 1.13 g/kg, respectively, as compared with 0.90 g/kg and 1.50 g/kg for women. An increased frequency of bowel movements seemed to increase the incidence of diarrhea. The other abdominal symptoms reported were borborygmus (88%), flatus (58%), and abdominal distention (46%), all of which were transient, as was diarrhea. We also examined the safety of ingesting daily near amount of LT of the GOS syrup (15 g/person daily as GOS) for 2 weeks in 20 healthy adults. Although this dose increased the occurrence of abdominal gas in these subjects, the prevalence of diarrhea was unchanged as compared with that for the placebo beverage. These results show that the GOS syrup is safe even in repeated intake for near amount of LT.
著者
寺杣 友秀 花村 昌樹 松本 圭司 志甫 淳 木村 健一郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

混合TateモチーフのHodge実現関手の構成のために、semi-algebraic setを使ってある鎖複体を構成し一般化されたコーシー公式を証明した。また混合楕円モチーフについて、深さフィルトレーションをあたえるモチーフのフィルトレーションを定義した。高次チャウ群からコホモロジーへのサイクル写像の像の次元が大きい曲面の構成をした。2変数超幾何方程式系が可約になる特別なパラメーターに関する Schwarz 写像を研究した。このタイプの周期逆写像をテータ関数を用いて記述した。種数2の代数曲線族についてのAbel-Jacobi 写像の像特徴づけた。
著者
石黒 智紀 松井 照明 松本 圭司 渡邊 由香利 濵嶋 浩 池山 貴也 窪田 祥平 北村 勝誠 高里 良宏 杉浦 至郎 伊藤 浩明
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.70, no.9, pp.1207-1210, 2021 (Released:2021-11-10)
参考文献数
7

12歳,女児.既往に気管支喘息,アレルギー性鼻炎あり.自宅で作ったたこ焼きを4個摂取直後にアナフィラキシーショック,呼吸不全を認めた.開封後1カ月間室温で保存したたこ焼き粉を使用したこと,ダニ抗原特異的IgEがクラス6と強陽性であったことからパンケーキ症候群を疑った.被疑粉が破棄されていた為,冷蔵保存されていたたこ焼きから虫体数と抗原量の測定を試みた.ワイルドマン・フラスコ法によるダニの洗い出しとELISA法による抗原量測定を実施した.結果は,コナヒョウヒダニ430匹/gを認め診断に至った.ELISAではDer f 1 21.1ng/gを検出したが,これは虫体数に比して少なかった.検出されたダニ抗原量が少なかった原因として,加熱や還元剤による抗原性の減弱,ダニ抗原とグルテンとのジスルフィド結合による不溶化等が考えられた.パンケーキ症候群が疑われるが被疑粉の入手が困難な場合,調理された食品の鏡検を行うことで直接ダニ虫体を確認することを考慮すべきである.
著者
貝戸 清之 松本 圭史 鎌田 敏郎 北野 陽一郎 山中 明彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.22-00111, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
36

下水道管渠は埋設構造物であるために,管理対象全域において悉皆調査を行うことが困難である.一方で,調査が実施できなくとも,管渠の劣化に影響を及ぼす属性情報であれば全域で利用可能であることが多い.本研究では,部分的に獲得された調査データを用いて調査実施管渠に対する劣化予測を行ったうえで,回帰クリギングを用いて管渠の劣化異質性と属性情報の空間的関係性を表す空間マッピングモデルにより,調査未実施管渠も含めた全管渠の劣化を予測する方法論を提案する.さらに,劣化予測結果をもとに作成した健全度分布に対して,デュアルカーネル密度推定を用いて老朽管渠の空間的集積傾向を視覚化し,改築更新区域を抽出する.最後に,提案手法を大阪市の下水道コンクリート管渠に対する調査データに適用して,その有用性を検証する.
著者
松本 圭 塩谷 亨 伊丸岡 俊秀 沢田 晴彦 近江 政雄
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.23-39, 2009-01-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
1

本研究は、注意の瞬き(AB)課題を用いて、脅威語に対する注意バイアスの時間的特性に社会不安が与える影響を検討することを目的としていた。健常な実験参加者(n=40)に、白色の中性語が高速逐次視覚呈示(RSVP)される中に出現する、2つの緑色の標的(TlとT2)の報告を求めた。このAB課題では、T2の内容(一般的・社会的)および情動価(脅威・中性)と、標的間隔を操作した。実験参加者を不安水準によって群分けし、T2に対する正答率を比較した結果、高状態・特性不安群は、通常ABがみられる標的間隔において脅威語のT2に対する正答率の上昇を示し、時間的注意バイアスを有することが示唆された。高社会不安群ではそのような傾向はみられず、むしろ低社会不安群で脅威語に対する時間的注意バイアスがみられることが示唆された。最後に、画像刺激を用いた先行研究の結果と比較しながら、本研究でみられた注意バイアスの時間的特性について議論した。
著者
小番 美鈴 渡邊 智 奥川 洋司 石澤 太市 松本 圭史 綱川 光男 園田 巌 井戸 ゆかり 早坂 信哉
出版者
一般財団法人 日本健康開発財団
雑誌
日本健康開発雑誌 (ISSN:2432602X)
巻号頁・発行日
pp.202244G03, (Released:2022-11-12)
参考文献数
10

目的 未就学児(子)における浴槽入浴がもたらす子の健康感や機嫌などの変化について、子の浴槽入浴習慣、保護者の背景因子との関連を示す。方法 2021年1月に、全国の0~5歳の子を持ち調査参加に同意を得られた429名を対象にweb調査による自記式横断研究を実施した。そのうち、データ欠損を含まない369名を分析対象とした。浴槽入浴をすることで得られる子の変化を「寝つきが良くなった、健康になった、機嫌が良くなった、会話が増えた、特に変わらない」とし、子の浴槽入浴頻度、入浴剤使用頻度、保護者の子の入浴法の意識、保護者の幼少期における入浴の思い出との関連について二項ロジスティック回帰分析を行った。結果 浴槽入浴を習慣的に行っている子は84.32%であり、そのうち、浴槽入浴をしっかり行うことで心身の変化が得られた子は58.68%(寝つきが良くなった19.07%、健康になった14.40%、機嫌が良くなった14.40%、会話が増えた10.81%)、特に変わらない子は25.64%であった。浴槽入浴により、子が健康になった、親子の会話が増えたと回答した者は、入浴剤使用頻度が高く、保護者の幼少期における入浴で楽しんだ思い出と関連があり、子の機嫌が良くなったと回答した者は、入浴剤使用頻度が高く、皮膚への乾燥防止などの子の入浴法の意識と関連があった。考察 浴槽入浴から得られる子の健康感や機嫌、親子の会話などの変化は、入浴剤の使用や子の入浴法の意識、保護者の幼少期の入浴の思い出と関連している可能性がある。
著者
寺杣 友秀 松本 圭司 志甫 淳 ガイサ トーマス 齋藤 秀司 木村 健一郎 花村 昌樹
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

超幾何関数に代表される特殊関数論を幾何学的な視点から見直し、それによってこれまで具体的に与えられていなかった対象の表示をあたえ理解を深める。とくに代数多様体の周期に関係したものを扱い、超幾何関数だけではなく、多重対数関数、多重ゼータ値、楕円曲線と関連する特殊関数の関係を明らかにする。その手法としてホモトピー修正の理論や曲線の対称積などがありこれらを用いて代数的サイクルを構成することが考えられる。また、多重ゼータ値の重さフィルトレーションに関するより詳しい解析を行った。また混合テイト・モチーフに関しては基礎理論の整備がまだまだ不完全なところもあるので、厳密な構成法などを確立する。
著者
松本 圭 塩谷 亨 伊丸岡 俊秀 沢田 晴彦 近江 政雄
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.83-95, 2009-01-31 (Released:2019-04-06)

本研究の目的は、情動ストループ課題とプローブ検出課題のそれぞれによって測定される注意バイアス指標の収束的妥当性を検討することであった。健常な実験参加者(n=39)に、情動ストループ課題、プローブ検出課題、状態-特性不安検査を実施した。本研究では、情動ストループ課題においては単語タイプをブロック化して呈示する手続きを、プローブ検出課題においては中性語ペアが呈示される試行のプローブへの反応時間を基準として、脅威語に注意が向けられる傾向と、脅威語からの注意の解放が困難となる傾向を切り分ける手続きをそれぞれ用いた。相関分析の結果、情動ストループ課題にみられる脅威語への色命名の遅延が、プローブ検出課題においてみられる脅威語からの注意の解放の困難さと関連していることが示された。ただし、それらと不安との関連はみられなかった。これらの結果から、両課題で測定される注意バイアスの解釈について議論した。
著者
諏訪 大八郎 西野 暢彦 松浦 めぐみ 神谷 欣志 松本 圭五 馬場 恵 田中 達郎 今野 弘之 中村 達 馬塲 正三 青木 克憲
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.378-385, 1998-08-10 (Released:2010-10-20)
参考文献数
47
被引用文献数
3 2

Esophageal perforation is a serious acute disease. In this paper, a case of esophageal perforation by a fish-bone with severe mediastinitis and a cervical abscess is reported.For a 50-year-old male, the diagnosis was made 15 days after he had swallowed a fish-bone, because the symptoms were slight before severe chest pain began. Two esophageal perforations (19-21 cm and 24-31 cm from his initial tooth line) were confirmed by endoscopy. Moreover, mediastinitis and a huge cervical abscess were recognized perioperatively. Most of his esophagus was resected due to the two long perforations, and mediastinal drainage, cervical esophagostomy and gastrostomy were also performed. After the operation, the patient suffered from a severe pyothorax, but he fortunately recovered. 10 months later, an esophageal reconstraction by gastric tube was done. Since fish-bones sometimes cause esophageal perforations and severe complications are often seen, strict follow-up is needed for patients who accidentally swallow them.
著者
馬越 啓介 木下 勇 松本 圭司 大井 俊一郎
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.11, pp.1517-1520, 1986-11-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
7
被引用文献数
1

The violet bis(2-aminoethyl 2-pyridyl sulfide)cppper(II) perchlorate [1] and blue bis(2-aminoethyl 2-pyridyl sulfoxide)copper(II) perchl3fate [2] were synthesized and have been characterized by means of X-ray crystallography. The Cu(II) atom in 'the cation o[1] is located at the center of symmetry and has a square-planar coordination by 4 N atoms. The S atom in Cu-NH2CH2CH2S-C-N ring lies in the position near to the axial site. The Cu…S distance is 2.832(1) Å and the Cu→S vector intersects the coordination plane at 59.8°. The Cu atom in the centrosymmetric cation of [2] has an elongated octahedral coordination by 4 N (equatorial) and 2 O atoms (axial). The Cu-O distance is 2.301(7) Å.
著者
脇本 博 青野 敏博 松本 圭史 高安 進
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.421-424, 1983-06-10

睾丸性女性化症は性染色体がXYで,腹腔内に睾丸を有し,外性器は女性型を呈する。思春期には正常女性と同様に乳房の発育がみられ,男性化徴候は出現しない。腋毛,陰毛はほとんど認められない。このような睾丸性女性化症の症状は,胎生期または思春期に男性ホルモン作用が発現されていないことを示唆する。本症の病因として,1)睾丸における男性ホルモン分泌能の低下,2)男性ホルモンに対する標的器官の感受性の低下の2つが考えられるが,本症の患者睾丸のテストステロン合成能は正常男子と同様良好であることが明らかにされた1)。そこで標的器官のホルモン感受性の低下が本症の病因として重要視されるようになった。近年,Bullock2),Griffin3)らの研究により,本症の男性ホルモン不応は男性ホルモンレセプターの欠損に起因するものであることが証明された。したがって,睾丸性女性化症の確定診断には,アンドロゲンレセプターの検索が不可欠と考えられる。しかし,実地臨床の場でアンドロゲンレセプターの測定が,本症の鑑別診断に利用されたという報告は未だ見られない。我々は正常のヒト皮膚由来培養線維芽細胞中における5α-dihydrotcstosterone(DHT)に対するレセプターをデキストランーチャーコール法によって検索し,その最大結合部位数(B max)ならびに解離恒数(Kd)をScatchard分析によって求め,その正常値を決定した4)。同様に睾丸性女性化症および外性器異常を伴う内分泌異常疾患,染色体異常疾患を有する患者の皮膚由来培養線維芽細胞中のDHTレセプターを検索し,正常値と比較対照することにより睾丸性女性化症の診断に本検査法を応用した。本稿では,睾丸性女性化症の病像を解説した後,本検査法の実際的な使用例について報告したい。