著者
伊勢 正明
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
no.50, pp.85-98, 2013-03-31

最近、筆者は「保育士」あるいは「保育者」の専門性について考える機会に多く出会っている。本稿は、そのような状況においてこれまで筆者なりに推測してきた保育者の専門性について、施設養護の原理、保育所保育指針、幼稚園教育要領、保育者の専門性について言及した文献、そして「真宗保育」に関する文献を基に、言語化することを目的とした。 結論として、保育者全般に共通する専門性として、"養護(安全と情緒の安定を保障する関わり)"を取り出すことができ、保育者の基底を支持する専門性として位置付けられるのではないかと考察した。しかし、本稿では、「保育臨床」、「反省的実践家」、「感情労働」といった視点からの検討ができなかった。また、真宗保育についての理解は不十分な域に留まっている。今後、これらの観点から継続して保育者の専門性を検討したい。
著者
松岡 優 吉村 栄子 伊勢 正夫 久保 雅宏 山下 和子
出版者
徳島医学会
雑誌
四国医学雑誌 (ISSN:00373699)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4-5, pp.244-249, 2003-10-25

We studied the onset of allergic diseases and allergy march in 1,029 children aged from 3 months-old to 18-years old.A clinical study showed the close relationship between atopic dermatitis and asthma,and between asthma and allergic rhinitis. Specific IgE to house dust, mites, pets and pollen was recognized to be positive in early infants aged 4- or 5 months-old.This finding is earlier than the previous report, indicate the recent increase of allergic disease. Allergy to food allergens, inhalanted allergens and contact allergens are linked each other, and tend to be IgE-mediated sensitization to multiallergen.
著者
佐野 浩彬 田口 仁 花島 誠人 伊勢 正 佐藤 良太 高橋 拓也 池田 真幸 鈴木 比奈子 李 泰榮 臼田 裕一郎
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

<b>報告の背景と目的</b> <br>2016年4月14日21時26分に発生した震度7の地震(Mj6.5)と,4月16日1時35分に発生した地震(Mj7.3)およびそれ以降に続く余震(2016年熊本地震)に対して,防災科学技術研究所(防災科研)では災害対応の一環として,地図情報の作成・集約・共有による情報支援を実施した.防災科研が独自に行っている地震や液状化,降雨,火山,土砂災害などの観測・予測データや,熊本県庁から提供された道路規制情報や避難所情報,通水復旧のインフラ情報などをWeb-GISに統合し,俯瞰的な被害状況を把握できる仕組みを構築した.各種情報が集約された地図は,防災科研が構築した熊本地震のクライシスレスポンスサイト(http://ecom-plat.jp/nied-cr/index.php?gid=10153)において公開したほか,避難所情報などの公開が難しい一部の情報については,熊本地震災害対応にあたる特定機関向け地図を構築して提供した. 本報告では,熊本地震における地図情報の作成・集約・共有における災害対応支援のなかで,熊本県庁をはじめとする各種機関が集約・発信する情報が,どのように地図情報として一つの地理空間情報基盤上に整理されたのかについて報告する. <b><br>熊本地震における地図情報支援</b> <br>4月14日に発生した震度7の地震を受けて,防災科研では地震による被害状況把握ならびに情報集約のためのWeb-GISを構築した.当初は防災科研が観測した震度分布や推定全壊棟数分布のデータをWeb-GISに統合した.また,地震発生翌日の4月15日には,熊本県庁に防災科研研究員が派遣され,熊本県や中央省庁などと連携し,各機関から提供される災害情報を,構築したWeb-GIS上に統合した.直接Web-GIS上に取り込める形で提供された情報には,国土地理院の「被災後空中写真」やITSジャパンの「通れた道マップ」,地震推進本部の「活断層図」などが挙げられる.また,熊本県庁から提供された道路被害情報や避難所情報などはテキスト形式やExcelで整理されたもの,独自の地図で描画されたものなど,Web-GISに直接地図情報として取り込むことができなかったものもあり,それらは住所情報などを頼りにして位置情報を付与することでWeb-GIS上に統合した.各機関から集約・整備したデータは約45種類,データ数として424を数える(6月27日時点).Web-GIS上で集約されたデータは,利用者がニーズに応じて必要な情報を適宜選択して表示することができる.例えば,通水復旧状況のレイヤと避難所情報のレイヤを組み合わせることで,給水支援が必要な避難所を分析できたり,避難所と推定全壊棟数分布,道路規制情報の3レイヤを重ね合わせることで,生活支援が必要な地域と,支援に向かうためにたどり着くための最適ルートを事前に検討することが可能となる. <b><br>地図情報作成・集約・共有における課題</b> <br>被害情報をWeb-GIS上に統合することで、災害対応支援への活用が可能となるが、情報の統合化においては様々な課題が明らかとなった。例えば、避難所情報については国土交通省があらかじめ国土数値情報のなかで整備している避難所情報もあれば、DMATが独自に収集し整理している広域災害救急医療情報システム(EMIS)の避難所情報、また熊本県庁で集約されたものや熊本市で集約されたものなど、災害発生直後に各種機関が独自に情報収集を始めてしまったため、一つの情報として集約することが困難な状態だった。また、避難所情報の統合にあたっては、各機関が整理する情報の避難所名称に差異があったり、本来は指定されていない避難所が開設されているなど、単純な統合化・集約化が難しいという課題があった。こうした各種機関が独自に情報を収集、集約すると、その後の情報統合化が難しくなるため、あらかじめ共有情報の標準化(COP,Common Operational Picture)を検討しておくことが重要となる。今後の課題としては、地図情報の作成・集約・共有における自動化や高度化、災害情報におけるCOP実現に向けた検討が挙げられる。 &nbsp; <br> <b>謝辞:</b>本報告の一部には、総合科学技術・イノベーション会議のSIP(先着的イノベーション創造プログラム)「レジリエントな防災・減災機能の強化」(管理法人:科学技術振興機構)の予算を活用した。
著者
伊勢 正明
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
no.47, pp.11-20, 2010-03-31

本稿は、平成19年4月から開始された特別支援教育についての現状について整理・検討する中から、発達障がい児の早期発見・早期対応に資する仕組みとして保育所・幼稚園・小学校の三者連携が有効に機能することが望ましいとの視点に立って、効果的な三者間連携の構築条件を研究仮説として提示することを目的とした。結論として、これら三者間の連携の他に、地域社会資源としての各市町村教育委員会及び保健センター等の行政機関の動向が重要な要因と考えられ、連携様態も就学前後の接続時だけではなく平時の連携の在り方に目を向ける必要があることを論じた。