著者
廣中 詩織 佃 洸摂 濱崎 雅弘 後藤 真孝
出版者
ARG Webインテリジェンスとインタラクション研究会
雑誌
ARG 第11回Webインテリジェンスとインタラクション研究会 予稿集 = Proceedings of the 11th ARG Web Intelligence and Interaction
巻号頁・発行日
pp.17-22, 2017

オリジナルコンテンツから次々と新しい派生コンテンツが制作されるN 次創作活動では,複数人のクリエータがコラボレーションをしてひとつのコンテンツを制作することが盛んに行われている.本稿では,動画共有サービスに投稿された,音楽に関するN 次創作動画を対象として,コラボレーションがもたらす効果について分析する.具体的には,以下の3 つの観点から分析を行う:(1)コラボレーションが動画の視聴のされ方に与える影響,(2)コラボレーションがクリエータのアクティビティに与える影響,(3)コラボレーション関係に基づくクリエータの特性.分析の結果,コラボレーションによって制作された動画は再生数がより多くなること,コラボレーション動画を制作したクリエータはより長い期間N 次創作活動を行うこと,コラボレーションをしたクリエータのペアの25%以上は複数回のコラボレーションをしており,コラボレーションには一定の継続性があることなどが明らかになった.
著者
佃 洸摂 石田 啓介 濱崎 雅弘 後藤 真孝
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2021-MUS-132, no.15, pp.1-10, 2021-09-09

本稿では,人々が Web 上で集まって同じ瞬間に同じ楽曲を聴きながら,リアルタイムにコミュニケーションが取れる音楽発掘カフェ「Kiite Cafe」を提案する.この Web サービスでユーザが楽曲を聴取する体験は,(i)各ユーザの楽曲に対する「好き」という反応が可視化される,(ii)Kiite Cafe で再生される楽曲はユーザの好みの楽曲から選択される,という 2 つのアーキテクチャによって特徴づけられる.これらのアーキテクチャによって,ユーザは対面で一緒に楽曲を聴いているかのように,他のユーザとの社会的繋がりを感じたり,自分の好きな楽曲を他者に紹介する喜びを感じたりできる.さらに,Kiite Cafe のアーキテクチャによって(1)再生中の楽曲に対して「好き」を伝えることの動機づけ,(2)多様な楽曲を好きになる機会の獲得,(3)キュレータとしての貢献,という 3 つの体験がユーザにもたらされる.1,760 名の Kiite Cafe ユーザによる約 5 ヶ月間の行動を分析することで,これらの体験を通して生まれる,ユーザにとってポジティブな影響を定量的に示す.
著者
佃 洸摂 中村 聡史 山本 岳洋 田中 克己
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.3471-3482, 2011-12-15

映像の編集や検索を行う際に,ある人物がより視聴者の注目を集めている映像を検索したいということはよくある.また,現在視聴している映像の関連映像として,登場人物の活躍パターンが似ている映像を推薦してほしいということもよくある.しかし,映像に登場する人物がどの程度視聴者の注目を集めているかは,映像のテキストデータや画像解析だけでは判断できないことが多く,視聴者の反応に基づいて注目されている人物を推定する必要がある.そこで本稿では視聴者の反応として映像の再生時刻に沿って付与されたコメントを用いて,映像に登場する人物が視聴者の注目を集めているシーンの推定と各シーンにおける各登場人物の活躍の度合いの推定を行う手法の提案をする.ただし,本稿ではニコニコ動画に投稿された映像の中で,コメントが一定数以上付与された映像に登場する,視聴者に名前が広く知れわたっている人物を対象とする.
著者
佃 洸摂 大島 裕明 山本 光穂 岩崎 弘利 田中 克己
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.1-17, 2014-03-28

本稿ではユーザが与えた1語のクエリに対して,そのクエリに関する意外な情報を発見する手法の提案を行う.提案手法では,クエリに対して意外度の高い関連語を発見し,クエリと意外度の高い関連語を基に意外な情報を発見する.その際,クエリの関連語の中でもクエリとの関係が非典型的であり,かつ認知度が高い関連語ほど意外度が高いという仮説に基づいて関連語の意外度を求める.たとえば提案手法により,“落合博満”というクエリに対して“ガンダム”という関連語の意外度が高いことが分かり,これを基に“落合博満はガンダムマニアである.”という意外な情報を発見できる.提案手法では,Wikipediaから得られる情報のみを用いてクエリに対する意外な情報の発見を行う.実験では75語のクエリを用いて評価を行い,クエリと関連語間の関係の非典型度,および関連語の認知度を考慮することの有効性を示した.
著者
佃 洸摂
出版者
国立研究開発法人産業技術総合研究所
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2015-08-28

認知的尺度に基づく動画検索に関する研究では、動画に投稿された時刻同期コメントを利用し、視聴者が「かわいい」や「高音綺麗」などと言っている動画を探すことを実現した。研究成果をICDMW 2016で発表し、Webサービス「Songriumコメント分析」(http://comment.songrium.jp/)として公開した。N次創作活動のモデル化に関する研究では、派生コンテンツの制作を引き起こした要因を推定するためのモデルを提案した。研究成果をCIKM 2016で発表し、Webサービス「Songrium派生要因分析」(http://factor.songrium.jp)を公開した。
著者
佃 洸摂
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012-04-01

本年度は大きく二つの研究課題に取り組んだ。一つ目の研究では、語の上位下位関係を用いて、入力クエリに対する同位語らしい語および上位語らしい語を発見する手法を提案した。提案手法では、語の上位下位関係を基に作られる2部グラフに対してHITSアルゴリズムを拡張した手法を適用することで、同位語らしさ、上位語らしさを求める。例えば、「落合博満」というクエリに対しては、同位語らしい語として「野村克也」や「イチロー」といった語が、上位語らしい語として「野球監督」や「野球選手」といった語が得られることが期待される。 実験では、クラウドソーシングを用いた大規模な実験を行い、提案手法の有用性を明らかにした。二つ目の研究では、社会認知量に基づく典型度と、データ量に基づく典型度に差がある情報は意外であるという仮説の基、意外な情報の発見を目的とした。特に語間の関係の典型度に着目し、上記の仮説を検証するために、クラウドソーシングを用いて社会認知量に基づく関係の典型度および関係の意外度を取得した。さらに、語の認知度および同位語を考慮することで社会認知量に基づく典型度の推定手法を提案した。最後に、社会認知量に基づく典型度、データ量に基づく典型度、オブジェクトの認知度を用いて情報の意外度の推定を行った。本研究の手法を用いることで,既存手法により求められる関連度は高いが関係の認知度が低い語を「非典型的な語」としてユーザに提示することが可能になった。
著者
佃 洸摂 中村 聡史 山本 岳洋 田中 克己
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.3471-3482, 2011-12-15

映像の編集や検索を行う際に,ある人物がより視聴者の注目を集めている映像を検索したいということはよくある.また,現在視聴している映像の関連映像として,登場人物の活躍パターンが似ている映像を推薦してほしいということもよくある.しかし,映像に登場する人物がどの程度視聴者の注目を集めているかは,映像のテキストデータや画像解析だけでは判断できないことが多く,視聴者の反応に基づいて注目されている人物を推定する必要がある.そこで本稿では視聴者の反応として映像の再生時刻に沿って付与されたコメントを用いて,映像に登場する人物が視聴者の注目を集めているシーンの推定と各シーンにおける各登場人物の活躍の度合いの推定を行う手法の提案をする.ただし,本稿ではニコニコ動画に投稿された映像の中で,コメントが一定数以上付与された映像に登場する,視聴者に名前が広く知れわたっている人物を対象とする.When a user edits or searches a video clip, he/she often hopes to extract a scene or search video clips in which a character is active. Moreover, he/she also often hopes to be recommended a video clip that has a similar activity pattern of characters as a relevant video clip that he/she is watching. However, it is difficult in many cases to judge the active characters from only text data or image analysis. We estimate the degree of attention based on viewers' reaction. In this paper we use comments posted to a video clip as the viewers' reaction. We propose a method to estimate the spotlighted scenes of each character in a video clip and the degree of it. We especially target video clips that is uploaded to Nico Nico Douga and a character whose name is known widely.
著者
佃 洸摂 中村 聡史 山本 岳洋 田中 克己
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J94-A, no.7, pp.476-487, 2011-07-01

本論文では,あるレシピに対して,追加・削除可能な食材を発見し推薦する手法を提案する.Web上にある料理レシピを閲覧しているときに,レシピに対して食材をあと一つ追加または削除したいということはよくあるが,従来のシステムではこうした食材の発見は困難である.本研究では料理レシピの構造を分析することで,追加・削除可能な食材を推薦するシステムについて述べる.例えばこれにより,ある料理レシピに対して食材を追加・削除することで,典型的なレシピに近づけたり,一風変わったレシピに近づけたりすることが可能となる.また,検証実験により,システムによるレシピの構造分析の評価や,システムが推薦する追加・削除食材の妥当性の評価を行った.また,追加・削除食材に基づいたレシピ探索を実現するシステムの実装,実装システムを用いたユーザヒアリングにより得られた提案する検索方式の利点・問題点を述べる.