- 著者
-
佐々木 成朗
塚田 捷
- 出版者
- 公益社団法人 応用物理学会
- 雑誌
- 応用物理 (ISSN:03698009)
- 巻号頁・発行日
- vol.67, no.12, pp.1370-1375, 1998-12-10 (Released:2009-02-05)
- 参考文献数
- 33
最近,摩擦力顕微鏡 (FFM) によって,ナノメートルスケールの探針-表面間隙に現れる摩擦現象が原子尺度で測定されるようになり,ナノトライボロジーとでもいうべき新しい研究分野が開かれつつある.しかし測定結果を解釈するには,「FFMがいかなる物理量を測定しているのか?」という問題を理論的観点から解決する必要がある,本講義では,数値シミュレーションと解析的手法に基づく実験結果の理論的解釈方法を紹介し,測定像の明暗パターンの物理的意味と,原子尺度の摩擦の素過程の諸性質を明らかにする.