著者
牛田 美鈴 小早川 義貴 新納 教男 越崎 雅行 山森 祐治 佐々木 晃 松原 康博
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.7, pp.361-366, 2009-07-15 (Released:2009-09-04)
参考文献数
4
被引用文献数
2 1

56歳の男性が卓球中に突然心肺停止となりバイスタンダーCPR(cardiopulmonary resuscitation)を施行され,救急要請された。救急隊到着時automated external defibrillator(AED)の波形にてventricular fibrillation(VF)と思われたが除細動適応外と判断された。 4 回目の解析で除細動適応と判定されて除細動が施行され,自己心拍が再開した。入院後順調に経過し後遺症なく社会復帰に至った。冠動脈造影にて右冠動脈に99%狭窄を認めVFの原因と思われた。各社のAED解析ソフトはAHA(American Heart Association),AAMI(Association for the Advancement of Medical Instrumentations)の基準を満たすように作成されているが,いずれも感度は100%ではない。AEDの特異度を高くするためには感度がある程度犠牲となることはやむを得ず,除細動適応波形であるにもかかわらずAED解析の結果適応外と判断される症例が存在することをメディカルコントロール協議会を通じて救急隊員に周知する必要がある。その際,ショック不適応と判断されても絶え間ない胸骨圧迫を行い,解析を繰り返すことが重要であることを強調すべきである。
著者
甫水 佳奈子 脇田 建 佐々木 晃
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.85-101, 2013-08-29

本稿は,JavaScriptの構文拡張を可能にするHygienic構文マクロシステムの実装技法を提案する.Hygienic構文マクロシステムは,マクロ展開の前後で変数の束縛や参照関係を破壊しない安全な構文マクロシステムである.このHygienic構文マクロシステムを利用することによって,プログラミング言語の構文の自由な拡張が可能になる.しかし,Hygienic構文マクロシステムは,S式という一貫した構文構造を持つSchemeには標準で組み込まれているものの,その他の一般的なプログラミング言語に実装された例はほとんどない.本稿では,まず,汎用的なプログラミング言語におけるHygienic構文マクロシステムの実装の難しさを示し,次に,本研究が提案するJavaScript向けHygienic構文マクロシステムの実装技法について述べる.提案する実装技法では,マクロ構文の追加によって拡張されるJavaScript構文を解析するための拡張可能なパーザの実現に解析表現文法を用い,マクロ展開は既存のSchemeマクロ展開器に委ねる.マクロ展開においては,マクロを含むJavaScriptコードをそれと等価なS式へと変換し,Schemeマクロ展開器で展開を行った後に,JavaScriptコードに逆変換するという言語間相互変換を行う.これらの工夫によりわずか2,000行弱のコンパクトな実装によってJavaScriptに対する記述力が高いHygienic構文マクロシステムを実現できた.
著者
角野 容子 泉 江莉 大田 海 佐々木 晃己 河野 幸徳 重 美樹子 福嶋 さや子
巻号頁・発行日
2015-10-09

平成27年度 大学図書館職員短期研修 [京都大学会場] 2015.10.06(火)~10.09(金), 共催: 国立情報学研究所
著者
山上 祐希 入江 正樹 佐々木 晃一 渡辺 康夫 白井 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.35, pp.29-34, 2005-04-21
被引用文献数
7

近年, 無線LANや自動車レーダ等に見られるように, ミリ波帯電波以上の利用が進みつつあり, これに沿って高周波帯における電波吸収体の開発研究が行われている. 高周波帯電波吸収体に求められる性能として, 薄形・軽量, 耐環境性能, 広帯域, 広角度性能, 両偏波対応が挙げられる. 電波吸収体の実現には, 電波吸収体材料の電気材料定数の計測, 電波吸収体材料の理論的検討, 厚みの設計及び電波吸収体の製造, 吸収量の計測及び特性評価の4つの過程が必要となる. 本稿では, 不燃性, 耐候性, 意匠性に優れ, 軽量な酸化チタン多孔体を用い, Wバンド電波吸収体を試作評価した結果を報告する. 実験方法として, 試作した電波吸収体の複素比誘電率を計測し, 電界ベクトル回転法と反射電力法を用い吸収量計測を行った. その結果, Wバンドでの電波吸収体の作製が可能であることを示した.
著者
脇田 建 佐々木 晃
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

マクロシステムはさまざまなプログラミング言語で使用されているが,多くの問題の原因となることも指摘されている.この点を改善するHygienic構文マクロシステムはLISPについて研究されてきたが,一般のプログラミング言語への応用は限定的であるため,われわれはこの系統的な実装方式にうちて研究し,その技術を応用してJavaScriput,およびScalaのためのHygienic構文マクロシステムを完成させた.研究成果として拡張可能な構文解析器の実装,および,汎用マクロ展開器の実装という二つの主要な困難を解決した.研究成果としてWebで実装を公開している.
著者
佐々木 晃 須賀 康行
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.124-124, 2008-09-26

本発表では,プログラミングを支援する言語指向エディタの自動生成手法を提案する.本研究で対象とする言語は,汎用プログラミング言語ではなく,特定の分野で使われることに目的を特化した言語,ドメイン特化型言語である.このような言語の利用者は必ずしもプログラミングの知識を持つわけではない.そこで,プログラミング支援をする専用の言語指向エディタが不可欠となる.たとえばGUIによるウィザード形式でテンプレートに埋めながらプログラムを完成させるようなエディタが考えられるが,そのような単純なものでも,開発では,言語仕様を満たすための緻密性が要求される.したがって,自動生成による開発コスト削減,保守性の向上が望まれる.汎用言語に対する言語指向エディタの自動生成は,インクリメンタル構文解析,属性評価など関連する研究が古くからなされている.一方で,今回想定しているエディタでは,プログラマが編集するものはプログラムのテキストではない.そこで本研究では,テキストの構文などを抽象化した抽象構文木を編集させるという視点を持ち,木の文法(tree grammar)に基づいた仕様記述に基づいてエディタを生成する方法をとる.この方式では汎用言語における構文エラーは発生しない.一方で,言語要素の型や静的意味チェックが必要となるが,これは属性文法に基づく手法を用いる.本発表では,以上で述べた仕様記述やエディタ生成のアルゴリズムの詳細,本研究の評価について実例を交えて示す.We propose a method for generating language-oriented editors. Target languages in this study are domain specific languages that are specialized to supporting tasks in specific domains. Primary users of such languages do not have programming skills. This means we should also offer a programming development tool with the language processor. These tools are expected to be generated from specifications, since the development and maintenance cost of such tools tends to be high. There are several studies on syntax-oriented editors for general purpose programming languages, such as incremental parsing and attribute evaluation techniques. On the other hand, in this study, it is not a program text that a programmer is to edit. Therefore, our approach to generating such tools is based on abstract syntax trees (ASTs) in which text structure is abstracted out. The method for checking of static semantics is based on the attribute grammar formulation. In this presentation, we will show the details of specification, generating algorithms, and evaluation with experiments.