著者
白井 宏樹 小堀 正人
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.129, no.1, pp.51-55, 2007 (Released:2007-01-12)
参考文献数
8

バイオインフォマティクスは,各種生物情報を情報科学的手法によって整理や解析をすることで,生物学上の重要な知見を抽出したり,またそれを促進させる研究分野である.様々な生物情報がフリーで入手可能な今日,バイオインフォマティクスは分子生物学研究や創薬において重要な役割を担っている.本稿では,創薬におけるバイオインフォマティクスの現状と問題点,および将来への展望を記述した.とくにバイオインフォマティクスによる仮説立案の役割について,研究2例を紹介し,その重要性と問題点を記述した.
著者
白井 宏明 田村 真治 三浦 晃弘 今中 信人
出版者
Japan Society of Colour Material
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.93, no.7, pp.214-218, 2020-07-20 (Released:2020-07-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

新規な環境調和型の青色無機顔料の開発を目的とし,Ba(TiO)(Cu1-xLix)4(PO4)4(0 ≤ x ≤ 0.15)を合成し,その色彩を評価した。Ba(TiO)Cu4(PO4)4のCuイオンサイトをLiイオンで部分置換し,CuO4ユニットに歪みを生じさせることで,電荷移動およびd-d遷移吸収を制御した。その結果,合成した試料の中でBa(TiO)(Cu0.90Li0.10)4(PO4)4が最も高い青色度(-b*=57.6)を示し,その値は市販顔料であるコバルトブルー(CoAl2O4;-b*=59.5)と同等であり,さらに,その色相角(H°=268.7°)は純粋な青色を示す270°に非常に近い値を示すことが明らかとなった。
著者
小澤 俊文 三浦 恭資 白井 宏和 中川 貴之 齊藤 雅也
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.260-262, 2020-03-25

疾患の概念 食道乳頭腫は上皮性の食道良性腫瘍である.臨床的にしばしば遭遇し,悪性化することは極めてまれで病的な意義は薄い.ほとんどが無症状のため内視鏡検査時に偶然発見されることが多い.男女比は2:1と男性に多く,中高年者に多く認められる1).好発部位は食道下部とされ平均径7mmと小さく,頻度は0.07 2)〜0.44%1)と報告されている.逆流性食道炎や裂孔ヘルニアに合併することが多いことから,病因として酸逆流による慢性刺激が考えられている.また,1980年代以降HPV(human papilloma virus)の関与も報告されているが,現在では否定的とされる.
著者
佐藤 弘康 白井 宏 ヘイマン E.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-I, エレクトロニクス, I-光・波動 (ISSN:09151893)
巻号頁・発行日
vol.78, no.10, pp.439-447, 1995-10-25
被引用文献数
3

等方性インパルス状線電流源によって励振された電磁波が,誘電率の異なる媒質の直線境界平面に入射して作る散乱電磁界について,STT(Spectral Theory of Transients)法によって定式化し,厳密解を求めている.こうして求められた解は,他の方法によるものと一致することが確認され,過渡散乱波を構成する空間スペクトルの特異点の重要性について述べている.更に数値計算によってインパルス波の伝搬のようすを視覚的にとらえやすい形に表現し,直接波,反射波,透過波および頭波のそれぞれの波面が伝搬するようすについて明かにした.
著者
白井 宏美
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
vol.93, pp.137-142, 2021

<p>第4回対話システムライブコンペティション予選1位通過において,本システムは「気遣いができるところが人間らしい」というコメントを多く得ることができた.人間らしい会話に求められる「気遣い」とは何か,語用論の知見をどのように活かして気遣いができる対話システムを作ったのかについて述べる.</p>
著者
山上 祐希 入江 正樹 佐々木 晃一 渡辺 康夫 白井 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.35, pp.29-34, 2005-04-21
被引用文献数
7

近年, 無線LANや自動車レーダ等に見られるように, ミリ波帯電波以上の利用が進みつつあり, これに沿って高周波帯における電波吸収体の開発研究が行われている. 高周波帯電波吸収体に求められる性能として, 薄形・軽量, 耐環境性能, 広帯域, 広角度性能, 両偏波対応が挙げられる. 電波吸収体の実現には, 電波吸収体材料の電気材料定数の計測, 電波吸収体材料の理論的検討, 厚みの設計及び電波吸収体の製造, 吸収量の計測及び特性評価の4つの過程が必要となる. 本稿では, 不燃性, 耐候性, 意匠性に優れ, 軽量な酸化チタン多孔体を用い, Wバンド電波吸収体を試作評価した結果を報告する. 実験方法として, 試作した電波吸収体の複素比誘電率を計測し, 電界ベクトル回転法と反射電力法を用い吸収量計測を行った. その結果, Wバンドでの電波吸収体の作製が可能であることを示した.
著者
澤井 亮 原田 博司 白井 宏 藤瀬 雅行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1187-1197, 2001-07-01
被引用文献数
3

一つの機器で複数の無線通信システムの同時処理を可能にするマルチモード・マルチサービスソフトウェア無線通信(MMSR:Multi-mode & Multi-service software Radio communications)システムが提案されている。本論文では, このようなシステムを一つのシステムクロックを用いて省スペースに実現する方法として, 稼動するシステムのシンボル(チップ)レートに応じてシステムクロックを決定し, その一つのシステムクロックをすべてのシステムに効率良く配分する適応マルチサンプリング処理法を提案する。提案方式の評価には, 将来的なITSサービスに向けたMMSR無線機を設計し, 白色ガウス雑音及び1波のレイリーフェージング環境下におけるビット誤り率について計算機シミュレーションを用いて評価する。
著者
杉原 興浩 岡本 尚道 小松 京嗣 戒能 俊邦 白井 宏政 芦高 秀知 江上 力 秋月 隆昌
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

情報通信分野における急速な情報量の増加により、光導波路を用いたモジュール間あるいはボード間の光インターコネクションの研究が活発に展開されている。本研究では、高耐熱性・優れた透明性を備えた樹脂を開発し、それを用いて光導波路デバイスを作製・評価することを目的とする。材料として高いガラス転移温度を有するポリアリレート樹脂を開発し、現行樹脂の欠点を克服し、これまでにない優れた光学特性を有する材料を得る。また該樹脂を光導波路デバイスに応用し、ポリアリレート高分子光導波路作製において、光インターコネクションや宅内・車載LANに応用できる低損失マルチモード光導波路(コア径:30〜100μm)を実現する。従来のポリアリレートは、200℃以上の耐熱性を有していたが、その構造にC-H結合を多く有するため、赤外域での吸収損失が無視できなかった。そこで、C-H結合の一部をC-F結合に置換したフッ素化ポリアリレートを開発し、その材料としての特性を評価した。その結果、ガラス転移温度は基本的なポリアリレートであるU-100と比べて30℃上昇し、耐熱性が向上していることが明らかとなった。また、可視〜赤外の広い領域でU-100と比較して透明性が向上しており、光導波路コア材として適していることも明らかとなった。このフッ素化ポリアリレートを用いて、フォトリソグラフィ及び反応性イオンエッチング法でコア径90μm及び30μmのマルチモード光導波路を作製した。また、ポリアリレートは、電子線直接描画と熱現像により微細加工できるが、フッ素化ポリアリレートにおいては、微細加工に必要な電子線照射量がU-100の1/20で良いことがわかり、材料の電子線感度が大幅に向上することが新たに発見された。
著者
白井 宏樹 小堀 正人
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.127, no.1, pp.103-112, 2007-01-01 (Released:2007-01-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

We describe the prospects of bioinformatics for drug discovery and discuss the current status, problems, and future direction of the interface between bioinformatics and docking studies. We also describe our recent work on sequence and structure analysis using the guanidino-modifying enzymes superfamily as a good example.
著者
望月 章志 渡辺 聡一 和氣 加奈子 多氣 昌生 山中 幸雄 白井 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.210, pp.1-5, 2002-07-11
被引用文献数
1

近傍界の特性が異なる波源による頭部内ばく露特性への影響を評価するために,理想的な電磁波放射波源が近傍に存在する場合の不均一組織の数値頭部モデル内電磁界レベルを有限差分時間領域シミュレーションにより計算した.頭部近傍に位置する電磁波放射波源の近傍界特性の違いが頭部内の電磁界分布に大きく影響することが示された.さらに,半波長ダイポールと微小電気ダイポールの場合,頭部内の電磁界,電流密度やSARは,入射電界よりもむしろ入射磁界に依存していることが示唆された.