- 著者
-
佐藤 俊哉
- 出版者
- 一般社団法人 日本統計学会
- 雑誌
- 日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, no.3, pp.493-513, 1993 (Released:2009-01-22)
- 参考文献数
- 107
- 被引用文献数
-
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リスク要因と疾病発生との因果関係を調べるための疫学研究で用いる生物統計手法に関するレビューを行う.疫学研究で興味のある,リスク要因への曝露の効果の指標を導入した後,曝露効果を推定するための古典的な研究デザインである,コホート研究,ケース・コントロール研究とそこで用いる生物統計手法を解説する.最近では,生物統計学の発展にともなって,コホート研究,ケース・コントロール研究に代わる新しい研究デザインがいくつか提案されているが,新しいデザインのうち代表的なネステッド・ケース・コントロール研究,ケース・コホート研究, 2段階ケース・コントロール研究の紹介を行う.また,疫学的観察研究から因果推論を行うための最近の研究成果についても報告する.その他の重要な話題である,誤分類の影響, Ecologica bias,経時観察研究,についても簡単ではあるが文献紹介を行う.