著者
作田 誠
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.27-34, 2007-01-01
被引用文献数
1

不完全情報ゲーム研究の動向を以下の内容でレビューする.まず不完全情報ゲームがどういうものかを説明した後,研究の意義と重要性について触れる.次に研究手法として,ゲーム理論によるもの,相手モデル化によるもの,論理プログラミング,シミュレーションや探索を主体とした手法,完全情報問題として解く手法などを紹介する.最後に,スクラブル,ポーカーやブリッジ,麻雀,衝立将棋を始めとする主要な問題領域における現状と展望を示す.また新しいゲームであるDI将棋についても言及する.
著者
作田 誠 飯田 弘之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.1-10, 2002-01-15

不完全情報2人ゲームである衝立将棋の詰め問題を題材として,不確定性を持つ問題をAND/OR木探索として決定論的に解く手法を導入する.このAND/OR木は詰将棋など通常の完全情報2人ゲーム問題において生成されるものに比べてより一般化されており,節点はそれぞれ不確定性を持つ.探索アルゴリズムとして,局面表を活用した全幅深さ優先反復深化探索(ID),および証明数探索の深さ優先版の一種であるPDSを実装し動作を調べた.またPDSを不確定性のあるAND/OR木の探索に特化させたUPDSを開発しパラメータを変化させて動作を調べた.さらに,UPDSにおいて実行時にパラメータを順次変化させて解けるまで繰り返し探索を行うdpUPDS,および,UPDS,IDにおいて不確定性の探索閾値を小さな値から順次増加させて解けるまで繰り返し探索を行うuidUPDS,uidIDというバリエーションを考案・実装し動作を調べた.dpUPDS,uidUPDS,uidIDは解答能力が高く,特にuidUPDSはすべての問題を解いた.しかし,確実に最適解を得る効率の良い探索法は課題として残る.
著者
作田 誠
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.44, no.9, pp.916-920, 2003-09-15
著者
武下 信夫 杉山 隆志 作田 誠 飯田 弘之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.58, pp.43-50, 2001-06-07

チェス系ゲームにおいて初心者からエキスパートまで様々な強さのプレイヤのモデル化をするため,セミランダム自動プレイと,駒の損得のみを考慮する評価関数付きセミランダム自動プレイを提案した。これら2種の自動プレイを行うゲームアナライザを作成し,ゲームの戦略的複雑さを表す指標√B/Dを初めとする統計データを調べたところ,SHATRAXJからチェスへの進化において,最初にフィルツェーン・フィールからクイーン・ビショップへの変更が起こり,その後ポーンの初手2マス移動が加わったことを示唆する結果を得た。For chess-like games, in order to model the players with various levels of strength, we introduced the semi-random self-play with or without the evaluation function only based on the piece material balance. This paper describes a game analyzer that performs the above two types of semi-random self-play, and examines the statistical data such as √B/D, which represents the strategic complexity of a game. The results of the experiments on the game analyzer suggest that the Firzan and Fil were replaced by the Qween and Bishop, and which was followed by the inclusion of the rule of the two-square move option of a pawn, in the evolution from SHATRAXJ to CHESS.