著者
井倉 一政 牛塲 裕治 児玉 豊彦
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.110-116, 2019-06-20 (Released:2019-06-26)
参考文献数
14

目的:20代の子どもを持つ親で構成される精神障害者の若手家族会において,参加家族にとっての家族会の意義を明らかにする.方法:若手家族会に参加している親に半構造化インタビューを行い,質的帰納的分類法でカテゴリーを抽出した.結果:5人の親の同意が得られ,【語り合うことが可能となる場】【楽しく気持ちが楽になる場】【他家族とつながりを作れる場】【同じ課題を共有し合える場】【本人以外のことも話し合える場】【相互に学び合える場】【親自身のエンパワメントが促される場】【本人と向き合いやすくなる場】【家族関係が良好になる場】【地域へ問題提起する準備の場】の10のカテゴリーが示された.結論:若手家族会に参加する親は,本人の兄弟の内容や本人が自立するにあたり直面する住居の内容,本人が加入できる保険商品の内容の問題を共有する意義を感じていた.また,地域へ問題提起する準備の場であるという意義も感じていることが示された.
著者
藤井 雄太 児玉 豊
出版者
一般社団法人 植物化学調節学会
雑誌
植物の生長調節 (ISSN:13465406)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.48-51, 2016 (Released:2017-02-15)
参考文献数
25

Protein-protein interaction plays a fundamental role to maintain biological process. Bimolecular fluorescence complementation (BiFC) assay is an imaging technique to visualize protein-protein interaction in living cells. BiFC assay is based on structural complementation between two non-fluorescent N-terminal and C-terminal fragments derived from a fluorescent protein. Over the past decade, BiFC assay has been widely used in plant science fields, due to its technical simplicity. However, designing appropriate control experiment is quite important for BiFC assay, because non-specific self-assembly of the non-fluorescent fragments induces background fluorescence, which may lead to misinterpretation of BiFC results. In this technical note, we describe information regarding fluorescent protein and BiFC assay in plants, and introduce “BiFC competition assay” as a control experiment.
著者
井倉 一政 牛塲 裕治 長谷川 真子 齋藤 希望 児玉 豊彦
出版者
東海公衆衛生学会
雑誌
東海公衆衛生雑誌 (ISSN:2187736X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.98-102, 2020-07-11 (Released:2020-07-30)
参考文献数
20

目的 本研究では中学3年生のストレスコーピング特性とソーシャルキャピタルの関連を明らかにすることを目的とした。方法 A市の公立B中学校の3年生を対象として、無記名自記式質問紙調査を実施した。調査項目は、性別、ストレスコーピング特性簡易評価尺度ジュニア版(以下BSCP-J)、ソーシャルキャピタル尺度(以下SC)を用いた。下位尺度の関連の検討は、Spearmanの相関係数を算出した。すべての検定において、p<0.05を統計学的に有意差ありとした。調査期間は2016年10月であった。結果 質問紙は85人に配付し、76人から回答を得た(回収率89.4%)。BSCP-Jの下位尺度の得点は、「気分転換」がもっとも高く、次いで「積極的な問題解決」であった。SCの下位尺度の得点は、「社会的信頼」がもっとも高かった。「積極的な問題解決」、「解決のための相談」、「気分転換」、「発想の転換」の4項目は互いに有意な正の相関を示した(相関係数0.400~0.627)。また、残りの2項目である「他人に感情をぶつける」と「がまんと先送り」が有意な正の相関を示した(相関係数0.286)。また、「積極的な問題解決」と「発想の転換」は、「互恵性」、「社会的信頼」、「身近な社会規範の遵守」と正の相関が認められ、「解決のための相談」は「互恵性」、「社会的信頼」と正の相関が認められた。また、「気分転換」は「社会的信頼」、「身近な社会規範の遵守」と正の相関が認められた。結論 ストレスコーピング特性とソーシャルキャピタルは多くの項目で正の相関が認められた。また、ソーシャルキャピタルを醸成することは、中学生がストレスに対処する力を養成することにつながる可能性が考えられた。
著者
児玉 豊
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.21-28, 2018-12-20 (Released:2019-12-20)
参考文献数
20

生物はどうやって温度を感じるのか? 非常にシンプルな問いであるが,わからないことが多い.これまで,さまざまな生物で温度センサー分子が報告されているが,植物では一つも見つかっていなかった.筆者らは,植物細胞で起こる温度依存性の葉緑体配置変化について研究し,最近,青色光受容体フォトトロピンが温度センサー分子であることを発見した.また,この発見を基盤にして,生物の温度感知に関する新しい説を提唱している.本稿では,青色光受容体フォトトロピンによる温度感知のメカニズムを解説するだけでなく,これの解明にたどりつくまでの10年間について記録したいと思う.
著者
児玉 豊
出版者
一般社団法人 植物化学調節学会
雑誌
植物の生長調節 (ISSN:13465406)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.44-48, 2019 (Released:2019-06-26)
参考文献数
12

Chloroplasts change their intracellular position in response to environmental alterations. What is being most studied is the relocation induced by light. For example, chloroplasts move towards weak light, maximizing photosynthesis. However, when ambient temperature decreases, chloroplasts escape from the weak light. We call the cold-induced phenomenon “the chloroplast cold-avoidance response”. In this review, I would like to summarize the findings on the chloroplast cold-avoidance response during the past over 100 years, and also propose a new hypothesis on biological thermosensing.
著者
橋本 健志 四本 かやの 児玉 豊彦 田中 千都 平良 勝 大畠 久典 北岡 祐子 藤本 浩一
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、自殺未遂歴および希死念慮がある精神障害者に対してリスクをマネージメントしながら、就労支援を行う特化型就労支援プログラムを開発しその有用性を検討することを目的に実施した。このプログラムは、医療機関と連携した特化型就労支援窓口と携帯メール自動配信サービスから成り立っている。K市内の就労支援事業所と精神科診療所外来作業療法部門の2箇所で医療機関と連携した特化型就労支援窓口を開設しその有用性を検討した。さらには、希死念慮等の精神症状を有する精神障害者に対して携帯メールを配信するプログラムを開発し、それによって希死念慮が低下し、社会資源を積極的に利用する者が有意に増加したことを報告した。
著者
児玉 豊彦 新地 浩一 前川 昭子 小栗 清佳 神崎 匠世 吉水 清
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.827-837, 2009
参考文献数
21

目的:佐賀県における看護師の自殺の実態を調査し,自殺のリスク要因を明らかにし,予防対策に取り組むことを目的として,今回の研究を実施した.対象者および方法:佐賀県看護協会主催のストレスマネージメント研修会に参加した看護師83名,およびA大学医学部医学系研究科看護学修士課程に在籍している大学院生の看護師10名の計93名.方法:対象者に自記式質問紙調査票による調査を実施した.また,同僚の自殺または自殺未遂を経験した対象者のうち,同意が得られた2名に面接による調査を実施した.結果:回収率は91.4%で85名(男性8名,女性75名,性別不明2名)から回答を得た.有効回答率は100%,同僚の自殺もしくは自殺未遂を経験したものは8名であった.自殺者または自殺未遂者11名のうち,20歳代が9名(81.8%)で最も多く,7名(63.6%)が通算勤務年数が5年以下であった.婚姻状況は10名(90.9%)が独身者であり,8名(72.7%)が交替制勤務に従事していた.自殺の推測される動機は,職場の人間関係や恋愛関係など対人関係に関するものが7名(63.6%)と最も多かった.結語:看護師の自殺予防のために,就職後の早い時期からメンタルヘルス対策に取り組む必要性があると思われた.