著者
迯目 英正 八木田 浩史 角田 晋也 伊藤 拓哉 鈴木 誠一 小島 紀徳
出版者
日本マクロエンジニアリング学会
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1-39, 2021 (Released:2021-04-30)
参考文献数
18
被引用文献数
1

スターリングエンジンはカルノー効率に近い発電効率を発揮できる「夢のエンジン」と言われてきたが、200年間、実用化・普及に遅れていた。2015年、Jürgen Kleinwächter(ユルゲン・クラインヴェヒター)教授は長年の研究を経て低温スターリングエンジンSunpulse500(高温側熱源温度200℃・低温側熱源温度25℃で、出力500W、発電効率12%)を発表した。 筆者らはSunpulse500を参考に、低摩擦係数素材や高性能断熱材などの最先端技術を採用し、新たな低温スターリングエンジンを開発した(実験機の実施設計レベル)。著者らの試算では、高温側熱源温度95℃・低温側熱源温度5℃で、出力308W、発電効率11.4%を達成できる。 低温スターリングエンジンは、エクセルギーが小さい低品位の熱源を利用でき、太陽熱湯沸装置を用いることでエネルギーロスや装置・運用・熱源コストを下げ、発電効率に優れるので発電コストを下げ、他の発電装置・発電方式に対し価格競争力をもつ。
著者
兪 洪欽 八木田 浩史
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会大会講演要旨集 第24回日本エネルギー学会大会 (ISSN:24238317)
巻号頁・発行日
pp.288-289, 2015-07-27 (Released:2017-03-22)

The subject of this study is two meat production systems. One system is that craftsmen production the meat in domestically but the feed was imported, focus of this study compares the environmental efficiency of two meat production systems. One system is where the livestock is grown domestically, but the feed is imported. The other system is where the meat is produced overseas then imported into Japan. The results of this study shows that when using the same production systems and same economic situation, chicken had the highest environmental efficiency, and chicken was followed by pork, then beef. The study confirmed that the environmental efficiency of meat production in the domestic situation was higher than meat production imported from overseas.
著者
時松 宏治 小杉 隆信 黒沢 厚志 伊坪 徳宏 八木田 浩史 坂上 雅治
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.327-345, 2007-09-28 (Released:2010-06-28)
参考文献数
36

本論文は「持続可能な発展(SustainableDevelopment;SD)」指標の将来値の推計方法と,将来が「持続可能かどうか」の提示を試みようとする論文である。推計する指標は,世鉦が発行するWorldDevelopmentIndicator(WDI)で提示されているGenuineSaving(Sg,)とWealth(W)である。前者はフローの概念,後者はストックの概念に基づいている。こ¢指標の開発者であるD.W.Pearce,G.Atkinson,K.Hamiltonらロンドン大と世銀のグループらによると,これら2つの指標がともに正であることが「持続可能な発展」の必要条件である。理論的な定式化は最適経済成長理論に基づく世銀のHamiltonらの考え方を利用した。その上で,これら2つの指標の将来値の推計に必要なデータを,統合評価モデルから休生的に得られるシミュレーションデータに求めた。そのシミュレーションデータは,殿存の統合評価モデル(GRAPE)に日本版被害算定型ライフサイクル影響評価手法(LIME)を組み込んだGRAPE/LIMEモデルによる最適経済成長のシミュレーション結果を用いた、LIMEを用いた理由の1つは,LIMEは環境影響の経済評価にコンジョイント分析による支払い意思額を用いていることにある。Hamiltonらによる持続可能な発展指標の推計には支払い意思額と環境影響物質の排出量が必要となるが,GRAPE/LIMEモデルを開発することによりこれらがモデルで内生的に整合的に得ることが可能となる。また,環境影響被害を防ぐ支払い意思額は一種の外部コストと解釈可能であり,外部コストの内部イヒをGRAPE/LIMEモデルで行うことで,最適経済成長のシミュレーションを行うことが可能となった。 以上の方法により,2!00年までの世界10地域におけるsgおよびWの推計が可能となった。結果について議論をするのは今後の課題であるが,今回の推計方法によると,世界といわゆる先進国では21世紀にわたって「持続可能な発展」の必要条件を満たすが,いわゆる発展途上国においては21世紀後半になるまで,「持続可能な発展」の必要条件を満たさないことになった。 本研究の手法により,次の点で,従来の「持続可能な発展」指標の推計方法を,学術的にアドバンスすることが可能となった。1つ目は,従来では過去あるいは現在における推計だったものを,最適経済成長理論に基づいて,将来時点の推計を可能にしたことである。2つ目は,従来では推計に必要な各種データを整合的に収集して実証すること自体に難しさがあったが,本研究の方法では統合評価モデルにより内生的に得られるデータを利用して推計するため,整合性が高まったことである。3つ目は,異なる複数の指標から何らかの形で統合化する場合には,推計者の主観的判断により指標間のウェイトを決定せねばならないケースが多かったが,本研究ではその統合化に環境経済学の方法によるコンジョイント分析を用いたことである。 本研究は「弱い持続可能性」の立場に立って「持続可能な発展」指標の将来を推計する方法と結果を提示することには成功したものの,将来の「持続可能性」を評価し議論するという点では,今後多くの課題に取り組む必要がある。「持続可能な発展」の将来,Genuine Saving,Wealth,統合評価モデル,最適経済成長シミュレーション
著者
八木田 浩史
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

可処分時間を考慮した産業の生産性および環境効率の改善を評価した。各種製造業の生産性を整理し、一人当たりの生産性が高い技術集約型の産業と、一人当たりの生産性は必ずしも高くないが産業規模が拡大している労働集約型の産業に分けられることを確認した。タブレットPCの導入による産業の効率改善に着目して、メール処理および出張報告書の作成などをシナリオ分析し、ICTが可処分時間の拡大に寄与することを確認した。現代の時間の価値を論ずる際には、単に時間の量に基づく議論だけではなく、人的側面では可処分時間の内容、産業側面では製品の開発・普及速度などの質的な側面も考慮した検討が必要であることを確認した。
著者
上田 翔 八木田 浩史
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.21, pp.338-339, 2012-07-30

The purpose of this study is to elucidate the transmission and transformation structure of information concerning environmental issues. The appearance frequency of the words, which were used in the environmental document such environmental reports and environmental law, is analyzed. The following documents are analyzed: Environmental White Paper issued by the Ministry of the Environment, IPCC report, and 252 environment-related laws.