著者
二宮 祐
出版者
日本工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究が明らかにしたことの一つは、「人事アセスメント」の中でも新規学卒者を対象とする採用テストが特に大企業を中心として普及した理由である。導入された「自由応募」制度への対応、企業経営における行動科学の知識の活用、科学的知識による採用の正当化、面接試験への活用のためにテストが広まったのである。もう一つは、全国の大学・短期大学の就職支援担当部局を対象とした質問紙調査の結果から、現代における採用テスト対策の教育的意義を明らかにしたことである。大学にとって対策の意味は、対策を実施しないことによる不利益を回避する「保険」と、大学生が心的負担を感じることのないリメディアル教育であった。
著者
工藤 浩 渡邉 卓 福田 武史 奥田 俊博 松本 弘毅 小林 真美 松本 直樹 小村 宏史 伊藤 剣
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

日本文学・日本史学・神道学・日本語学の四分野の研究者による「先代旧事本紀研究会」を組織し、学際的に『先代旧事本紀』の研究史上の問題点と今後の課題を考究する共同研究を行った。平成29年9月に公開研究発表会を実施した。神話としての特徴、用字意識など編纂と内容の問題に加えて、神道の祭儀・思想・文献、訓詁注釈・国学等に与えたの影響について、『先代旧事本紀』の持つ学問的な意義を明らかにした。本研究の成果は、研究代表者、分担研究者に3名の研究者を加えた12名による論文10編とコラム4編を掲載する『先代旧事本紀の現状と展望』(上代文学会叢書)を平成30年5月に笠間書院より刊行し、広く開示する。
著者
樋口 勝
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

一般的な規格の階段を含めた人間の移動環境内において,安定かつ高効率な移動を可能とする4足歩行ロボットとして,階段のような不整地を移動するための広い作業領域を有する2つのモードと,水平面を移動するための移動効率に優れた1つのモードの合計3つの歩行モードを自由度を追加することなく切り替えることのできる歩行ロボットを提案し,その具体的な関節機構やブレーキ機構,小型実験機および試作機の設計・製作を行い,その有効性について検討した.
著者
中里 裕一 遠山 茂樹
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、薬液や造影剤の注入、血管の拡張あるいは閉塞などを行うカテーテル手術を自動的に行うシステムの開発を目的としている。特にカテーテルの挿入作業は術者の技能や経験に依存するため、自走式のカテーテルの開発を行った。生理食塩水の圧送・吸収による複数の節に分かれたバルーンの周期的な膨張・収縮による蠕動運動を利用した自走式のカテーテルの開発をした。この結果を基に、移動メカニズムのモデル構築の検証も行った。
著者
八木田 浩史
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

可処分時間を考慮した産業の生産性および環境効率の改善を評価した。各種製造業の生産性を整理し、一人当たりの生産性が高い技術集約型の産業と、一人当たりの生産性は必ずしも高くないが産業規模が拡大している労働集約型の産業に分けられることを確認した。タブレットPCの導入による産業の効率改善に着目して、メール処理および出張報告書の作成などをシナリオ分析し、ICTが可処分時間の拡大に寄与することを確認した。現代の時間の価値を論ずる際には、単に時間の量に基づく議論だけではなく、人的側面では可処分時間の内容、産業側面では製品の開発・普及速度などの質的な側面も考慮した検討が必要であることを確認した。
著者
三宅 正二郎
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

極低摩擦を実現するためナノ周期積層膜、ナノコンポジット膜など,カーボンを主成分とするナノ構造薄膜を形成した。その構造,組成の評価は透過型電子顕微鏡などの表面分析法を活用し、ナノメートルスケールの摩擦・摩耗など機械特性の評価と対比させた。さらにカーボンと各種金属を組み合わせた積層膜、ナノコンポジット膜について膜の構造と境界潤滑特性の関係を追求した。その結果からコバルト(Co)、マグネシウム(Mg)などを複合したカーボン系膜について境界潤滑下で極低摩擦を実現した。
著者
飯倉 道雄 吉岡 亨 樺澤 康夫
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

昨今、携帯電話などのモバイル機器が広く普及している。携帯電話にはメールの機能があり、携帯電話型の文字入力装置で文章を書くのが巧みな携帯電話ユーザも多い。そこで、コンピュータへの文字入力装置として、携帯電話型文字入力装置の利用の可能性について調査し、携帯電話型文字入力装置の文字入力練習システムを開発した。コンピュータへの携帯電話型文字入力装置の適用性について検討したので報告する。
著者
波多野 純 野口 憲治 フォラー マティ
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、ライデン国立民族学博物館所蔵の、1830 年頃の日本の町家模型を通して、近世の町家に関する従来の理解を、西欧人の目という新たな視点から見直し、再構築することを目的とする。模型は、実際の町並みを切り取ったのではなく、代表的な町家を組み合わせていた。つまり出島の西欧人は、特徴的な町家に着目し、生業・職種により町家の形式や生活空間が変化することを正確に理解していた。
著者
北後 寿 貫井 光男 小竿 真一郎 加村 隆志 宮坂 修吉 竹内 淳彦
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

平成7〜9年度に実施した調査研究内容につき,構造・材料・計画・環境・工業地理の各側面から列記し,研究成果の概要を述べる。1.構造は,建築物の構造種別分布状況について現地調査を実施した。結果より,沖縄地方における建築物の構造および施工の特徴を明らかにした。さらにアンケート調査結果より,沖縄地方の設計関係者による建築物の構造計画,施工方法などの考え方を明らかにした。2.材料は、製造関係の調査結果を基に,沖縄県の空洞ブロック造の歴史的変遷(ブロック製造・使用時期,施工方法,ブロック造の変遷)について,また実態調査結果より,琉球セメント・拓南製鐵・本部町の砕石製造業の現状を明らかにした。3.計画は,沖縄本島における地理的環境が及ぼす建物形態を6タイプに分類し,その違いを明らかにした。住宅におけるコミュニティーのアメニティーの調査については,この地方の住宅は台風,雨,火災等については災害の心配が殆どなくなっており,その他のアメニティーも著しく向上していることを明らかにした。4.環境は,沖縄の南部,中部,北部地域10住宅で室内浮遊真菌と付着真菌の調査を実施した。このエリアは高温多湿の特徴を有している。結果として,真菌同定と濃度の両面で東京エリアとの差違が認められた。5.工業地理は,コンクリートブロック製造業の存在形態,市場構造,コンクリートブロック・コンクリート系住宅の建築体系について調査を行った。その結果,沖縄地方における住宅建築に関わる建築材の生産と分配,市場構造,コンクリート系住宅建築の地域的体系等の社会・経済的特質を明らかにした。
著者
丹治 明
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

工業技術博物館は、発足当時から、工作機械等の実機ばかりでなく、文献資料や工作機械等の製作用図面を収集している。本研究では、「収集・保存されている製作用図面のデジタル・データ化の推進」と「本データベース・システムの試用」を行った。製作用図面を大判スキャナーを用い、製作用図面の約80%のデジタル化を実施した。得られた製作用図面のデジタル・データは、当研究室内に設置したサーバーマシンを用いて、閲覧を実施して、試用を進めている。
著者
波多野 純 野口 憲治 フォラー マティ
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、長崎出島のオランダ商館長などが遺した記録(模型、日誌など)を基に、日本の町家の地域的特質を、従来とは異なる目で分析する。オランダ商館長らが製作させた模型は、長崎の町家等をモデルとした。それらは、外観の特徴ばかりではなく、部屋の格式や用途によって室内意匠が異なることを正確に伝えている。また、その様相は、1822年~1828年代の状況を示している。
著者
波多野 純 野口 憲治
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

町家形式は、気候風土のみによって決定されるのではなく、より広い視点から、総合的に検討する必要がある。本研究は、いずれも雪国でありながら、町家の形式が大きく異なる金沢と仙台をとりあげ、町家形式の形成要因を明らかにすることを目的とする。まず、統一したルールで全国の宿場が描かれている『五街道分間延絵図』について、建築上の描写精度を検討し、その信頼性を明らかにした。その上で、「東海道分間延絵図」に描かれた各宿の屋根葺材に注目し、瓦葺の普及と人口の関連などを明らかにした。つぎに、金沢の町家について、元禄期には板葺と石置板葺屋根が混在し、卯建も一部に存在したことを示した。その様相は『洛中洛外図』に描かれた京町家に近い形式であり、他に農家風の建築があったことを示した。その後、天保期になると大半の町家が石置板葺屋根となった。仙台の町家については、芭蕉の辻に面して建つ城郭風町家およびその他の土蔵造町家について、検討した。城郭風町家の外観意匠は城郭建築の意匠を受け継ぎ、塗籠真壁風である。いっぽう、周辺の土蔵造町家は大壁である。初期江戸における城郭風町家には、三階建と二階建があり、当初は真壁風の外観意匠であったが、やがて大壁がふえる。仙台では、江戸中期まで、板葺、茅葺の町家が建ち並んでいたが、享保の大火後、芭蕉の辻付近には土蔵造町家が建ち並んだ。その意匠は土蔵からの大壁の系譜であった。その後、芭蕉の辻には城郭風(真壁風)町家が建てられた。つまり、仙台では江戸とは逆の系譜をたどり、城郭風真壁が遅れて登場した。以上の結果、金沢と仙台の町家は、屋根葺材や土蔵造町家などさまざまな点で形式が異なることを示した。つまり、同じ雪国でありながら町家の形式が大きく異なることから、気候風土は、町家形式を決定する要因でないことは明らかである。むしろ、藩の都市政策や文化的伝搬経路が重要な要因であると考えられる。
著者
成田 剛 黒河内 宏昌 スカン チットパンヤー ピシット シハラート
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究により,これまでの報告をはるかに超える数の仏教寺院がシェンクアン地域に存在し,ルアンパバーンをはじめとする他の建築様式には認められない形式の仏堂(小規模で入母屋屋根を載せる)が存在することが明らかとなった。屋根形態を切妻から入母屋に改修したことが,遺構に残る痕跡から明らかな仏堂が存在する背景には,仏堂建築におけるシェンクアン様式の成立が関わっているものと考えられる。