著者
喜早 ほのか 別所 和久 高橋 克
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

哺乳類の歯には、通常は退化・消失する第3歯堤が存在する。通常の歯数よりも多く形成される歯を過剰歯といい、実際にヒトにおける第3歯堤由来と考えられる過剰歯症例を経験し、報告した。本研究では歯数の制御に着目し、機能を抑制することで歯数が増加する分子と、逆に機能を亢進することで歯数が増加する分子を標的とした。USAG-1とBMP-7は歯の形態形成と大きさに重要な役割を果たす可能性があることを報告した。さらにヒトの多発性過剰歯の発生由来として幹細胞が関与する可能性を報告した。また、CEBP/βとRunx2の解析により、上皮間葉転換が離脱した歯原性上皮幹細胞に過剰歯を発生させることを報告した。
著者
前澤 仁志 松橋 眞生 吉田 和也 澤本 伸克 美馬 達哉 長峯 隆 別所 和久 福山 秀直
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3+4, pp.258-267, 2009 (Released:2011-06-30)
参考文献数
14

脳磁図は非侵襲的にヒトの脳活動を捉える技術であるが、磁性を帯びた金属がアーチファクトとなり計測を妨げることがある。本研究では18種類の歯科用金属の組成の違いが脳磁図計測へ与える影響、磁気共鳴画像装置(MRI)による高磁場の影響、さらにハンディタイプの消磁器の効果を検証した。それぞれの金属材料を(1)未処理、(2)消磁器による消磁後、(3)MRIによる磁場印加後、(4)再度の消磁後の4つの状態で磁場計測した。各材料を往復運動させた時の磁場を全頭型脳磁図計で計測し1分間の平均パワーを求めた。対照として材料のない状態での状態の磁場を1分間、10回ずつ記録し、平均値+標準偏差の5倍をアーチファクトの判定基準値とした。主成分が強磁性体の8種類のうち状態1から4で基準値以上であった材料は、それぞれ6、5、8、7種類であった。強磁性体でない10種類では、それぞれ1、0、4、2種類であり、状態1での1種類も基準値を6.2%上回るのみであった。以上より、1.強磁性体でない材料では脳磁図計測に大きな影響を及ぼさない可能性が高いこと、2.強磁性体であっても脳磁図計測に支障をきたさない材料も存在すること、3.MRI検査による磁場の印加では磁性体の性質に関わらず材料が磁化する可能性が高いことが示された。この結果は様々な歯科用金属を装着する被験者の脳磁図計測の際に役立つ。
著者
宮本 郁也 高藤 洋之 中尾 一祐 中野 郁子 坪井 陽一 別所 和久
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.519-523, 2007-08-20 (Released:2011-04-22)
参考文献数
6

This report describes occlusal reconstruction in a 23-year-old man with cleidocranial dysplasia (CCD).It is often difficult to perform dental treatment in patients with CCD because of complicated skeletal and alveolarabnormalities. First, endosseous implants were used to restore the mandibular molar region. After careful examinations, Le fort I type osteotomy was performed with distraction osteogenesis to advance the maxilla.Subsequently, implants were used to restore the maxillary arches with a fixed prosthesis. After the provisionalrestoration, the final prosthesis was set. The most recent follow-up, 1 year after the final treatment, confirmed asatisfactory treatment result.