著者
早川 和樹 野口 律奈 前原 大輝 松田 桃香 庭池 知里 本柳 圭亮 山口 圭太 小山 徹 伊村 智 大西 伽枝
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.32, 2021

<p>【背景】南極での食事は以下のような特殊性を持つ。①南極到着後食糧の補給はなく、一度持ち込んだ食糧のみで食生活を維持する。②保存性・貯蔵性に乏しい食品(野菜・果物など)は、食せない時期(越冬後半)がある。③メニューは調理隊員が決定し、個人による選択の余地はない。④ゴミ減量化、排水制限等の制約がある。⑤南極生活での数少ない楽しみの1つであり、隊員同士の紐帯の源である。こうした特殊性は、災害時の食事と共通点が多い。南極調理隊員による食糧の選択と配分、食べられない食品の代替メニュー等は、災害用備蓄や災害時の食事に活用できると思われる。さらに、隔離・閉鎖された空間である南極での食事が、隊員にとってどのような存在か、調理隊員は何を心がけているのかを知ることは、災害時の食事を単なる栄養補給ではなく、被災者に寄り添う食として捉える上で重要であると考える。</p><p>【目的】本研究の目的は、南極越冬隊の食事の特徴を明らかにし、災害食への応用を検討することである。本発表では、南極での献立の特徴について報告する。</p><p>【方法】第1次隊(1956-58年)から第60次隊(2018-20年)までの日本南極地域観測隊報告書を対象とし、献立に関する記載を記述的に分析した。</p><p>【結果】朝食はバイキング、昼食は短時間で食べられる麺類か丼もの、夕食は定食スタイルであった。お菓子は、持参した分が最後までなくならないよう、調理隊員が管理して配分していた。BARが定期的に開かれ、お酒が自由に飲めるようになっていた。さらに、曜日感覚を維持するために毎週金曜日はカレーとする、季節感感覚を維持するために日本の季節に合わせた特別食を実施する(7月に流しそうめん等)などの工夫がされていた。</p>
著者
眞鍋 治彦 久米 克介 加藤 治子 前原 大 平田 顕士
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.2-11, 2008 (Released:2008-02-16)
参考文献数
27
被引用文献数
1

帯状疱疹罹患例のなかで, 高齢者, 重症皮疹, 急性期高度疼痛, 皮疹出現に先行して疼痛を認める例は, 長期間疱疹痛が持続し帯状疱疹後神経痛に移行しやすい. このような患者では, アシクロビルやバラシクロビルなどの抗ウイルス薬を適切に用いるとともに, 発症早期より, 繰り返し神経ブロックを行うか, あるいは硬膜外腔に局所麻酔薬を連続的に注入するなど十分な鎮痛処置を行い, 疱疹痛が軽減・除去された状態を保つ必要がある. また, 神経ブロック適応外例では, リドカインの点滴静注を繰り返す. これらの方法は, 帯状疱疹による疼痛刺激の持続がもたらす末梢や中枢の感作・機能異常の発生を防ぎ, 帯状疱疹後神経痛への移行阻止に役立つと考えられる.