著者
中田 誠一 角谷 寛
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

平成22年度から平成24年までの3年間で北海道八雲町での1年に1回の耳鼻咽喉科地域検診と睡眠や眠気に対してのアンケート調査を行い、かつ簡易睡眠呼吸検査装置を地域に常備し行っていった。睡眠時無呼吸は無呼吸低呼吸指数.が、10.6±7.7回/hrであり、高齢者の数値として考えると病的というより加齢に応じた無呼吸が徐々に進行していると思われた。また睡眠の質の調査では入眠障害や中途覚醒よりも、より早朝覚醒での訴えが多かった。
著者
中田 ゆかり 柴田 英治 角谷 寛 KADOTANI Hiroshi
出版者
厚生労働統計協会
雑誌
厚生の指標 = Journal of Health and Welfare Statistics (ISSN:04526104)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.1-7, 2021-09

目的:本研究の目的は,不眠症の疑いのある労働者が就寝時に「快眠音」を聞くことにより,睡眠潜時(寝つくまでの時間)が短縮するのかを検証することである。方法:研究デザインは,個々の研究対象者が「介入群(快眠音)」と「対照群(無音)」をもつランダム化比較試験とした。快眠音システムは音源内蔵スピーカー(ヤマハ社製ISX-80)とベッドマット下生体センサー(EMFIT社製EMFIT-QS)を用いた。日本企業4社の従業員1,185名を対象として事前にアテネ不眠尺度を用いてスクリーニングを行い,531名より回答を得た。不眠症の疑いのある6点以上の162名を抽出し,研究同意・データが得られた42名を対象に分析を行った。データ収集方法は,対象者が自宅に設置した快眠音システムを用いて就寝時にランダムに「快眠音」と「無音」を聞き,それぞれ平日5晩ずつ計10晩の睡眠潜時,睡眠時間,睡眠効率のデータを収集した。睡眠潜時のデータを主要評価項目とし,同様に睡眠時間および睡眠効率のデータを副次評価項目とした。分析方法は,「快眠音」と「無音」での対応のあるt検定を行った。結果:睡眠潜時,睡眠時間,睡眠効率すべての評価項目において「快眠音」と「無音」で有意な差は認められなかった。結論:「快眠音」は不眠症の疑いのある労働者に対する睡眠潜時の短縮効果は得られなかった。
著者
角谷 寛
出版者
京都大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 さきがけ
巻号頁・発行日
2001

睡眠時呼吸障害は、睡眠中に無呼吸・低呼吸を引き起します。このために頻回に生じる低酸素血症によって、不可逆的な脳の障害が生じ、痴呆症を引き起こす可能性が示唆されています。本研究では、睡眠時呼吸障害の状態をマウスで再現し、痴呆症との関係を解明します。
著者
角谷 寛
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.495-498, 2021 (Released:2022-04-28)
参考文献数
10

Hypoglossal nerve stimulation (HNS) is a novel therapy in treating moderate and severe obstructive sleep apnea (OSA) in patients who cannot tolerate continuous positive airway pressure (CPAP) therapy. Studies showed that HNS decreased apnea–hypopnea index decreased by 68%, and that the device was effective even after five years. HNS has become a therapeutic option for OSA. More studies may be needed to ensure the highest safety profile.
著者
UBARA Ayaka SUMI Yukiyoshi ITO Kazuki MATSUDA Arichika MATSUO Masahiro MIYAMOTO Towa KADOTANI Hiroshi 乳原 彩香 角 幸頼 伊藤 一樹 松田 有史 松尾 雅博 宮本 都和 角谷 寛
出版者
MDPI AG
雑誌
International Journal of Environmental Research and Public Health
巻号頁・発行日
vol.17, no.23, pp.8971, 2020-12-02
被引用文献数
11

We aimed to analyze (a) the changes in depression, sleepiness, insomnia, and sleep habits in relation to the degree of self-isolation and (b) the effects of changes in sleep habits and social interactions on depression, insomnia, and sleepiness during the coronavirus disease 2019 (COVID-19) pandemic. We enrolled 164 patients who visited the sleep outpatient clinic in Shiga University of Medical Science Hospital. We compared the sleep habits, depression (Patient Health Questionnaire-9: PHQ-9), insomnia (Athens Insomnia Scale: AIS), and sleepiness (Epworth Sleepiness Scale: ESS) of patients during the period from April to July 2019 vs. May 2020 (a period of self-isolation due to COVID-19). A Wilcoxon signed-rank test indicated no significant differences in PHQ-9, ESS, and AIS scores between 2019 and 2020 within both the strong self-isolation group and no/little self-isolation group. With respect to sleep habits, earlier bedtime (p = 0.006) and increased sleep duration (p = 0.014) were found in the strong self-isolation group. The former (p = 0.009) was also found in the no/little self-isolation group, but we found significant differences in sleep duration between the no/little self-isolation group and the strong self-isolation group (p = 0.047). Therefore, self-isolation due to COVID-19 had relatively small one-year effects on depression, sleepiness, and insomnia in a clinical population.
著者
鷹見 将規 角谷 寛
出版者
ライフ・サイエンス
雑誌
睡眠医療 = Japanese Journal of Sleep Medicine (ISSN:18822096)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.305-309, 2018-09

・わが国では,睡眠負債は海外よりも大きな経済的影響をもたらしていると考えられる. しかし,これまで,睡眠不足(睡眠負債)は疾患としてとらえられていなかった.今日では「睡眠負債」は一般の広い認知を受けており,また2018年6月に公表された国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)においても,第7章として睡眠障害が追加されたことで,睡眠負債の重要性がさらに増すものと思われる.・長時間勤務やワーク・ライフ・バランスに対する対応などを通して,日本人の睡眠負債が軽減されることを期待している.
著者
岩崎 絢子 仲山 千佳夫 藤原 幸一 角 幸頼 松尾 雅博 加納 学 角谷 寛
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1H4J1303, 2019 (Released:2019-06-01)

睡眠時無呼吸症候群 (SAS) は, 睡眠中に呼吸の停止あるいは呼吸量の減少が頻回に起こる疾患であり, 日中の眠気などの症状を引き起こすほか, 心血管系の合併症のリスクを高める. しかし, 自覚症状に乏しいケースも存在することから, 診断および治療に至っていない患者が多く存在すると考えられている. SAS の診断には終夜睡眠ポリグラフ検査 (PSG) が用いられるが, PSG を実施できる施設が少ないことが問題となっていた. そこで本研究では, 心拍変動解析と長期短期記憶を組み合わせた簡便なスクリーニング手法を提案する. SAS 患者および健常者計 59 名のデータに対して提案法を適用したところ, 感度 100%, 特異度 100% で SAS のスクリーニングが可能であることが判明した.