著者
藤原 耕三 槇 康子
出版者
大阪夕陽丘学園短期大学
雑誌
大阪女子学園短期大学紀要 (ISSN:02860570)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.20-28, 1959-06-01

チクロヘキシルスルファミン酸ソーダを、こしあん、しるこ、ぜんざいに使用してその味見試験を行った。三者の何れも場合も佐藤の甘さの40%をチクロヘキシルスルファミン酸ソーダで置きかえても著しい影響はなかったが、その使用量を増して60%以上にすると二、三問題点が生じた。せんざいにチクロヘキシルスルファミン酸ソーダを使用する場合は砂糖の一部を水あめで置き換えれば味は向上し、片栗粉を混入すると外観上良好であって両者を併用したものでは全糖品に優る結果を得た。
著者
緒方 幸代 藤田 孝輝 石神 博 原 耕三 寺田 厚 原 宏佳 藤森 勲 光岡 知足
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.317-323, 1993 (Released:2010-02-22)
参考文献数
26
被引用文献数
5 21 18

健常成人8名に4G-β-D-Galactosylsucrose (ラクトスクロース: LS) をはじめの1週間1g/日, 次いで1週間は2g/日, さらに, 2週後の1週間は3g/日を摂取させ, 少量LS摂取の腸内フローラおよび糞便の性状に及ぼす影響について検討した。その結果, LSの1g/日, 2g/日および3g/日の摂取のいずれにおいても, Bifidobacteriumが有意に増加し, C. perfringensを含むレシチナーゼ陽性ClostridiumおよびBacteroidaceaeの減少が認められた。糞便中のアンモニアおよび硫化物はLS 2g/日, 3g/日摂取で有意に減少した。糞便pHはLS 3g/摂取で低下し, 糞便重量および水分量はわずかな増加をした。以上の成績から, LSの最小有効摂取量は健康成人において1日当り1~2gと判断された。
著者
藤原 耕三 堀井 安姫子
出版者
大阪夕陽丘学園短期大学
雑誌
大阪女子学園短期大学紀要 (ISSN:02860570)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.24-29, 1957-03-25

煮干を用いてその煮出し汁に移行する成分を測定した。得られた結果は次の如くである。1)水道水1Lに対して20gの煮干を使用して沸騰水中で浸出する場合,最初の1分間における浸出量は著しく,7分以後においてはそれ以前に比して低下するが15分後においても尚相当量の浸出を見た。2)浸出されるL-グルタミン酸は,浸出時間に拘わらずその液の全窒素,アミノ態窒素に対しほゞ一定の比率を示し,グルタミン酸窒素の各々に対する比率は約0.7%,4%であった。3)煮干の煮出し汁は鰹節のそれに比して窒素成分に乏しく脂肪が著しく多い。4)煮干を粉砕して使用した場合,各成分の浸出量は丸ごとのものに比して増加し浸出時間の短いものでは2〜3倍を示すが,この比率は浸出時間が長くなると次第に低下した。特にアミノ態窒素においてその傾向が著しかった。5)使用する煮干の量が水の1〜4%程度においては浸出成分は使用煮干量に比例して増加した。終に臨み本研究に種々御指導を賜った阪大工学部教授寺本四郎先生に深甚の謝意を表します。
著者
緒方 幸代 藤田 孝輝 石神 博 原 耕三 寺田 厚 原 宏佳 藤森 勲 光岡 知足
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.317-323, 1993
被引用文献数
16 21

健常成人8名に4<SUP>G</SUP>-β-D-Galactosylsucrose (ラクトスクロース: LS) をはじめの1週間1g/日, 次いで1週間は2g/日, さらに, 2週後の1週間は3g/日を摂取させ, 少量LS摂取の腸内フローラおよび糞便の性状に及ぼす影響について検討した。その結果, LSの1g/日, 2g/日および3g/日の摂取のいずれにおいても, <I>Bifidobacterium</I>が有意に増加し, <I>C. perfringens</I>を含むレシチナーゼ陽性<I>Clostridium</I>およびBacteroidaceaeの減少が認められた。糞便中のアンモニアおよび硫化物はLS 2g/日, 3g/日摂取で有意に減少した。糞便pHはLS 3g/摂取で低下し, 糞便重量および水分量はわずかな増加をした。<BR>以上の成績から, LSの最小有効摂取量は健康成人において1日当り1~2gと判断された。
著者
青山 佐喜子 高田 修代 藤原 耕三
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.8-14, 1992-02-20
被引用文献数
1

エリストールとしょ糖の混合溶液及びエリストールを各種調理に用いた場合のし好について官能検査を行い次の結果を得た。1.しょ糖溶液7%を基準にその甘味の25%、50%、75%、100%をエストリールで置き換えた場合に25%置き換えた試料とエリストールだけの試料の収れん味と総合評価の項目には、5%の危険率で有意差があったが、その他の項目にはなかった。2.レモンスカッシュのような酸味のある飲料にエリストールを用いた場合は、しょ糖とし好の差はなく、しょ糖濃度約12%と低いため低温でも溶解しやすく、飲料はエリストールの利用に適していると考えられた。3.ゼリーは甘味だけの場合、酸味を加えた場合とも、各項目についてしょ糖との間にし好の差はなかった。4.アイスクリームやシャーベットのようなエリストールを冷凍する場合には硬くなる傾向がみられたが、甘味を50%置換した場合にはその傾向は少なく、冷菓において、甘味の一部にエリストールを用いることは可能であると思われた。5.水ようかんはしょ糖濃度が高く、冷やして食するためにエリストールだけでは利用できなかった。甘味の50%をエリストールで置換した試料(SE)の総合評価は5%の危険率で好まれなかった。6.しるこの甘味の20%、40%をエリストールに置き換えた場合、エリストール40%の試料(SE40%)は、口ざわりが好まれず、しょ糖より後味が乏しく感じられた。しかし、エリストール20%の試料(SE20%)としょ糖には差はなかった。7.一般のそう菜に利用した場合、エリストールの甘味質があっさりしているため、他の調味料の味が後味として残る傾向があると思われた。日常の低甘味度での煮物や酢の物にしょ糖の一部または全部を置き換えてエリストールを用いることが可能であった。
著者
小林 和子 中村 宗亥 藤原 耕三
出版者
大阪夕陽丘学園短期大学
雑誌
大阪女子学園短期大学紀要 (ISSN:02860570)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.32-48, 1964-07-01

調理した食物6種(煮タコ,椀種用塩茹でハモ,塩茹でレバー,塩茹でエビ,茹で卵,チキンカレー)を電気冷蔵庫(品温3±2℃)とフリーザー(品温-23±2℃)に8週間貯蔵してその味の変化を検討した。得られた結果を要約すると次の通りである。1. 6種食物を冷蔵車内に貯蔵した場合は,貯蔵可能日数は7日位であったが,フリーザー内で貯蔵した場合は8週間に亘る実験期間を通じて食べられる状態に貯蔵できた。2. フリーザーに貯蔵した場合,味の変化の起る程度は各食物により異り,6種食物中煮タコ,塩茹でハモ,塩茹でエビ,塩茹でレバーは貯蔵中味の変化の少いものであった。これに反して,茹で卵は特に白身が変化して,冷凍貯蔵では味が劣化した。良好な状態で保ち得た4種食物は,温度降下が速かであった事により,冷凍貯蔵では,貯蔵中に於けるよりも凍結時に於ける変化が重要である事が示唆された。3. フリーザーに貯蔵した場合の味必変化は,冷蔵庫に貯蔵した場合に較べて緩慢であったが,中でも特に香の変化が少いのが特徴であった。
著者
寺田 厚 原 宏佳 加藤 慎二 木村 剛 藤森 勲 原 耕三 丸山 司 光岡 知足
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.291-295, 1993-04-15
被引用文献数
4

猫8頭(ヒマラヤン3頭とペルシャ5頭)に乳果オリゴ糖を50mg/kg/日を2週間投与し, 投与前, 投与7日目および14日目, 投与後7日目に糞便フローラ, 糞便内腐敗産物, 水分, pH, 尿内アンモニアおよび環境のアンモニアを測定した. 腸内フローラでは投与期間中Lactobacillusは有意(p<0.05)に増加し, Clostridium perfringensとEnterobacteriaceaeは有意(p<0.05)に減少した. FusobacteriumおよびStaphylococcusは乳果オリゴ糖投与7日目に投与前に比べて有意(p<0.01)に低下し, Bacteroidesは投与後14日目に有意(p<0.001)に増加した. 検出率については, 乳果オリゴ糖投与14日目においてBifidobacteriumは有意(p<0.001)に上昇し, 一方, Spirochaetaceaeおよびレシチナーゼ陰性Clostridiumは有意(p<0.05)に低下した. 腐敗産物については, 糞便内アンモニア, エチルフェノール, インドールおよびスカトール, 並びに尿内アンモニアはいずれも投与14日目に有意に(p<0.05)低下した. 糞便水分量および便量は乳果オリゴ糖投与中わずかに増加し, 逆に糞便pHはわずかに低下した. 飼育室のアンモニア濃度(p<0.01)は減少し, 糞便臭もかなり減少した.