- 著者
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永田 千鶴
北村 育子
- 出版者
- 一般社団法人 日本地域看護学会
- 雑誌
- 日本地域看護学会誌 (ISSN:13469657)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.1, pp.23-31, 2014-07-31 (Released:2017-04-20)
- 被引用文献数
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1
目的:3つの地域密着型サービスで提供されているケアサービスの現状からその特性と共通するケアサービスを明らかにし,地域包括ケア体制下の地域密着型サービスの機能および今後の課題を明示する.方法:3つの地域密着型サービスにおけるエイジング・イン・プレイスを果たすケアサービスの比較検討により明らかにしたケアサービスの現状を,国が示す地域包括ケアシステムの構築に向けた5つの視点に基づき検討する.結果:3つの地域密着型サービスの共通するケアサービスの特徴としては,1.小規模・小人数・ユニット型による個別ケアが徹底できること,2.地域密着型サービスとして関係する専門機関および専門職,地域・住民,行政と連携してケアサービスが提供されていること,3.家族とのつながりを重視し家族とともにケアを提供していること,4.医療が提供しにくい環境下で何とか工夫や努力をして医療ニーズに対応し,終末期ケア・看取りに取り組んでいること,が挙げられた.結論:地域包括ケア体制下でのエイジング・イン・プレイスを果たす地域密着型サービスは,「介護サービスの充実強化」や「住まいの機能をもつこと」「ネットワークを生かしたケアニーズへのタイムリーな対応」などの重要な機能を担うことが明らかになった.課題としては,医療との連携強化において,地域密着型サービスにおける高齢者への医療提供のあり方を明確にすることが示唆された.