著者
西岡 豊弘 森 広一郎 菅谷 琢磨 手塚 信弘 武部 孝行 今泉 均 久門 一紀 升間 主計 中井 敏博
出版者
日本魚病学会
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.69-72, 2010-06-15

クロマグロの種苗生産中に発生した大量死の原因についてウイルス学的に検討した。大量死は主にふ化20日齢までの仔魚に発生し、一部の事例では死亡魚の中枢神経系および網膜組織に顕著な空胞形成が認められ、それらの病変部にベータノダウイルスの抗原が蛍光抗体法により検出された。またPCRおよびウイルス分離試験においても本ウイルス(RGNNV遺伝子型)の存在が確認された。これらの結果から、VNNがクロマグロ仔魚の大量死に関与していると考えられる。
著者
照屋 和久 升間 主計 本藤 靖 浜崎 活幸
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 = The aquiculture (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.359-368, 2008-09-20

石垣島におけるマダラハタの産卵期および産卵開始時期を明らかにする目的で,天然魚の生殖腺指数を調査するとともに,天然魚を数年間養成した親魚の水槽内における産卵開始時期を5年間にわたり調査した。さらに,親魚の産卵行動を観察し,本種の配偶システムを明らかにすることを試みた。天然魚の主要な産卵期は,雌雄とも生殖腺指数がピークに達する4月~5月(太陽暦)であると推察された。産卵期最初の親魚の産卵は,満月から下弦の月にかけての3月19日~23日(太陰暦)に集中した。ただし,産卵期前の水温が低い年の産卵は,1カ月後の満月から下弦の月の期間にシフトした。このように,マダラハタの産卵は月齢に同調していた。水槽内では最大の雄1個体がなわばりを形成し,その個体と成熟雌によるペア産卵が行われたが,小型雄によるスニーキングも観察された。
著者
武部 孝行 佐伯 悠 升間 主計 二階堂 英城 井手 健太郎 塩澤 聡 間野 伸宏
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.214-218, 2013 (Released:2013-03-22)
参考文献数
18
被引用文献数
1 2

クロマグロ幼魚(ヨコワ)の鰓に寄生していた Didymocystis wedli の消長および伝搬性について調べた。日本海で採捕したヨコワを奄美海域に搬入し,寄生虫検査した結果,搬入直後の全ての検体で本寄生が観察された。その後,寄生率は減少し,搬入から 5 か月以後には確認されなかった。また,同一または隣接生簀網で飼育されていた同虫未寄生のヨコワおよびクロマグロ,周辺海域に生息する他魚種においても寄生は確認されなかったことから,ヨコワの搬入が奄美海域に同虫の感染を伝搬させる可能性は低いものと考えられた。
著者
村田 修 板倉 壮太 山本 眞司 服部 亘宏 倉田 道雄 太田 博巳 升間 主計
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.93-95, 2017-03-20 (Released:2018-03-20)
参考文献数
11

In order to breed a faster-growing grouper, the longtooth grouper, Epinephelus bruneus (LG), was hybridized with the giant grouper, E. lanceolatus (GG). Eggs from a female LG that was injected with HCG were inseminated by the fresh sperm of LG and cryopreserved sperm of GG obtained from a fish in Malaysia. Normal hatching rate was 8.8% (LGGG) and 18.6% (LG), respectively. The LGGG and LG larvae were raised for 61 days after hatching; the survival and mean size were 17.5, 42.0% and 63.6±11.3, 36.2±8.7 mm, respectively. This new hybrid grouper would be a promising-breed for aquaculture.