著者
山門 實 新原 温子 山本 浩史 山本 麻以 谷 瑞希 戸田 晶子 石坂 裕子
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.673-677, 2013 (Released:2014-03-28)
参考文献数
19
被引用文献数
2

目的:がん患者と健常人の血漿中アミノ酸濃度(PFAA)のバランスの違いを「アミノインデックス技術」を用いて統計解析し,がん罹患の確率を予測する新規がん検診として,アミノインデックス®がんリスクスクリーニング(AICS)が開発され,現在,肺,胃,大腸,前立腺,乳腺,子宮・卵巣の6種のがんに対するスクリーニング検査が実用開始された.本研究では,AICSの精密検査対象となるランクCの割合とAICS値の分布の妥当性について,AICS導出時の理論値と人間ドック受診者での検査結果を比較検討した.方法:三井記念病院の人間ドック受診者799名(男性494名,女性305名,平均年齢59±11歳)を対象とし,各がん種に対するランクCの割合とAICS値について,AICS導出時の理論値と比較した.結果:人間ドック受診者のランクC割合は,AICS(大腸),AICS(乳腺),AICS(子宮・卵巣)では,6.8%,3.0%,3.8%であり,理論値の5%と有意差がみられず,AICS値の分布も理論値と同等であった.AICS(肺),AICS(胃),AICS(前立腺)のランクC割合は,10.1%,10.8%,11.3%と理論値より有意に高く,AICS値分布も理論値と有意差がみられた.結論:ランクC割合およびAICS値分布が理論値とほぼ同等であったことは,AICSが新規がん検診として応用可能であることを推察させた.
著者
宮原 温子 藤森 景子
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌 (ISSN:18813968)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.20-21, 2020

In the current era where information equipment is widespread, research was conducted regarding the extent to which beginner Kanji learners -whose native language does not include Kanji characters in their writing system- are seeking recognition, reading, meaning, usage, and reproduction of the shape of Kanji characters. As a result, it was found that all of them seeked to learn to read Kanji words and to convert Kanji through typing. It was also revealed that many students sought the ability to handwrite Kanji, demonstrating their desire to be able to use Kanji through both handwriting and typing.
著者
原 温子 八島 典子
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.86-90, 2018-06-25 (Released:2018-06-29)
参考文献数
7

三叉神経第1枝(V1)領域の帯状疱疹は眼症状(角膜炎,虹彩毛様体炎,強膜炎など)を伴うことが多い.しかし,複視を呈する眼球運動障害はまれな合併症である.今回われわれは,外転神経麻痺を合併した帯状疱疹を経験したので報告する.症例は52歳,男性.右V1領域に水疱が出現し,皮膚科で帯状疱疹と診断.ファムシクロビル,プレドニゾロン,ロキソプロフェン,プレガバリンが投与された.2週間後,複視を自覚したため,脳MRIを施行したが,脳内に異常はなかった.ステロイドはいったん増量後3週間で漸減中止した.1カ月で皮膚症状は軽快したが,複視の回復がないため当科受診となった.初診時,右方視時に右眼の外転障害を認め,眼科検査でも右外転神経麻痺が考えられた.星状神経節ブロック(SGB)を開始し,麻痺は徐々に改善した.V1領域帯状疱疹による眼球運動障害の機序として,ウイルスによる神経炎や血管炎によるもの,三叉神経炎に伴う腫脹による上眼窩裂での神経圧迫などが考えられている.治療は抗ウイルス薬,ステロイド投与に加えてSGBの有効性も報告されている.V1領域帯状疱疹においては経過中の眼球運動にも注意深い観察が必要である.
著者
宮城 悦子 沼崎 令子 中西 透 片岡 史夫 猿木 信裕 井畑 穰 伊藤 則雄 吉田 憲生 新原 温子 村松 孝彦 今泉 明 山本 浩史 高須 万里子 光島 徹 杤久保 修 山門 實 青木 大輔 平原 史樹
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.749-755, 2012 (Released:2012-07-13)
参考文献数
17

目的:血漿中アミノ酸濃度はがんを含む各種疾患により変化する.血漿中アミノ酸プロファイルから健康状態や疾病の可能性を把握する「アミノインデックス技術」は複数がんのスクリーニング法として臨床実用化されている.本研究は多施設共同試験により3種の婦人科がん(子宮頸がん,子宮体がん,卵巣がん)の判別を行う指標式を「アミノインデックス技術」を用いて導出し,その有用性を検討することを目的とした.方法:複数施設で子宮頸がん患者208例,子宮体がん患者186例,卵巣がん患者102例,婦人科良性疾患患者305例,健康人1,631例を対象として採血し,血漿中アミノ酸濃度をLC-MSにより測定した.結果:3種の婦人科がん患者の血漿中アミノ酸濃度変化は共通性が高く,婦人科がんのいずれかに罹患している可能性を判別する一つの指標式を「アミノインデックス技術」を用いて導出し,その判別性能評価を行った.導出された指標式の特異度95%での感度は子宮頸がん52%,子宮体がん58%,卵巣がん77%であり,いずれもⅠ期症例から高い感度を示した.また,子宮頸がんでは腺癌も高い感度を示す,子宮体がんではCA125より有意に感度が高い,卵巣がんではCA125と同程度の感度を示すなどの特徴を有していた.結論:「アミノインデックス技術」により導出された,3種の婦人科がんのいずれかに罹患している可能性を評価する一つの指標式は,3種の婦人科がんの簡便な血液検査のスクリーニング法として有用であることが示唆された.