著者
Mushtaq Muhammad Naeem 春原 由香里 松本 宏
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌(Journal of Pesticide Science) (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.68-73, 2013
被引用文献数
11

<span style="font-variant: small-caps;">l</span>-DOPA (<span style="font-variant: small-caps;">l</span>-3,4-dihydroxyphenylalanine) is a bioactive secondary metabolite which inhibits growth of many weed species. However, its mode of action is not well elucidated in plants. The present studies were conducted to evaluate the effect of <span style="font-variant: small-caps;">l</span>-DOPA on root growth of cucumber (<i>Cucumis sativus</i> L.) and the possible involvement of quinoproteins (quinone-incorporated proteins) in phytotoxicity of <span style="font-variant: small-caps;">l</span>-DOPA. The results revealed that <span style="font-variant: small-caps;">l</span>-DOPA significantly inhibited root growth, induced cell death, increased polyphenol oxidase (PPO) activity, reduced free cysteine content, and enhanced quinoprotein formation in cucumber roots. The decrease in free cysteine content and increase in PPO activity suggested that quinones covalently bind with cysteine to form quinoproteins. The quinoproteins may be involved in phytotoxic action of <span style="font-variant: small-caps;">l</span>-DOPA in cucumber roots.
著者
春原 由香里
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(C)2009-2011
著者
原 由香里 佐竹 晋輔 鵜野 伊津志 竹村 俊彦
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.51, no.10, pp.719-728, 2004-10-31
参考文献数
16
被引用文献数
3

2000年から2002年にかけて日本における黄砂観測日数は急激な増加傾向を見せたが,2003年は一転して非常に観測日数の少ない年となった.このような黄砂現象の年々変動のメカニズムを明らかにするため,領域ダスト輸送モデルを用い,1993〜2003年の11年間の春季)2月20日から4月30日)を対象に黄砂の発生・輸送過程のシミュレーションを行った.黄砂観測日数データやTOMS Aerosol Indexを用いた比較から,モデル結果は観測された年々変動を再現していることが確認された.また,シミュレートされた黄砂現象の年々変動から,黄砂多発年と非多発年の間には大気境界層内の輸送経路や輸送量に明らかな違いが見られた.更に,ECMWF客観解析データを用いた気象場の解析から,モデル結果の発生量と発生源域の強風発生頻度の間には強い相関が見られ,ジオポテンシャル高度のアノマリー解析から発生源域の強風発生頻度や輸送経路が説明されることが明らかとなった.
著者
三上 正男 長田 和雄 石塚 正秀 清水 厚 田中 泰宙 関山 剛 山田 豊 原 由香里 眞木 貴史
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

ダストの気候インパクトの定量的評価を高精度に行うことが出来るダストモデルの開発を、(1)発生過程の観測解析、(2)ダスト輸送途上の解析、(3)ダスト沈着量の観測解析と(4)ダストモデルの高度化のための技術開発により行った。(1)では、粒径別鉛直ダスト輸送量の評価法を確立し、ダスト発生モデルの検証を行い、スキームの最適化を行った。また(2)衛星及び地上ライダーの解析から、アジア域ダストがサハラ等に較べて高高度・長距離にわたって輸送される実態や、輸送中のダストでは粒径分布変化よりも内部混合の進行による形状変化が重要であることを明らかにした。さらに(3)乾性・湿性沈着観測ネットワークによる沈着フラックスの観測データを用いて、全球ダストモデルMASINGARの粒径分布とモデルのダスト発生過程の改良を行うと共に(4)高精度データ同化システムと衛星ライダー観測値を組み合わせ、全球ダスト分布の客観解析値を作成し、東アジアのダスト発生量のモデル誤差推定を行なった。また同同化システムにより、モデルの再現性を大幅に向上することが可能となった。これらにより、発生・輸送・沈着各過程を寄り現実的に再現できるモデルを開発することが出来た。
著者
春原 由香里 臼井 健二 松本 宏 小林 勝一郎
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.95-103, 1995-08-31
被引用文献数
3

著者らはすでに, クロメプロップ自身はオーキシン活性を示さず, 植物体内でその加水分解物であるDMPAに分解された後に初めてオーキシン結合蛋白質に認識され, オーキシン活性を示している可能性が高いことを報告した。本論文では, クロメプロップの更は詳しい作用機構を調べることを目的とし, ダイコン幼植物を材料としてクロメプロップの茎葉処理後に生成されるエチレンが形態変化に関与しているかどうかの検討を行った。(1) クロメプロップ, DMPA処理後に現れる葉のカーリングや葉の葉柄間角度の増大はエチレン生成阻害剤(AOA)を前処理することにより軽減された(Fig. 1, Table 1)。 (2) クロメプロップ, DMPA処理後の上記の作用は, エチレン作用阻害剤(NBD)を後処理することにより軽減された(Fig. 2)。(3) エチレン生成量は, クロメプロップの場合, 茎葉処理12時間後までは殆ど生成されず対照区と同程度であったが, 24時間後からはエチレン量の増加が見られた。DMPAの場合は茎葉処理3時間後から徐々に増加し始め, 12時間後から生成速度が増加した(Fig. 3)。(4) エチレン生成促進剤(ETH)処理により, 著しく第1葉の伸長が阻害された(Fig. 4)。(5) クロメプロップ, DMPA処理により, ACC合成酵素が誘導され, AOAの前処理によりその誘導が抑制されることが確認された(Fig. 6)。(6) クロメプロップ, DMPA処理では, ACCからエチレンへの反応を触媒する酵素(ACC 酸化酵素)の誘導は起こらなかった(Table 2)。以上の結果より, クロメプロップは植物体内でDMPAへと変化し, DMPAがACC合成酵素を誘導することによってエチレン生成量を増加させ, そこで生成されたエチレンが, ダイコンの形態的変化を引き起こしているものと推察された。