著者
小村 健 鈴木 晴彦 竹内 洋介 原田 浩之 前田 顕之 嶋田 文之
出版者
Japan Society for Head and Neck Cancer
雑誌
頭頚部腫瘍 (ISSN:09114335)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.49-54, 2001-03-25
被引用文献数
3 1

舌全摘出例の中には術後の誤嚥を防止するために喉頭全摘出術を併施せざるをえない症例がある。今回, 舌全摘出例における喉頭保存の限界について舌周囲の合併切除範囲との関係から検討した。<br>舌全摘出例における喉頭保存の条件としては, 心肺機能が良好で, 喉頭保存に対するモチベーションが高いことに加え, 上喉頭神経が温存され, 下顎骨の連続性が確保あるいは再獲得され, 中咽頭切除が一側壁までに限局することが挙げられた。また喉頭保存例では喉頭挙上術, 喉頭形成術, 輪状咽頭筋切断術等の誤嚥防止策が有効であるが, 甲状舌骨筋神経の温存は喉頭挙上術を補完する上からも重要と考えられた。
著者
小村 健 原田 浩之 前田 顕之
出版者
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
雑誌
日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.391-395, 2000-12-15 (Released:2010-05-31)
参考文献数
7
被引用文献数
3 3

顎関節部の悪性腫瘍は極めてまれであり, 顎関節に原発するもの, 周囲組織に発生し顎関節に進展するもの, および顎関節に転移するものに大別される。症状は他の顎関節疾患に類似しているが, 進行は急速である。診断には詳細な病歴聴取, 視診, 触診, CT, MRI, 99mTcや67Gaシンチなどの画像診断が必須であり, 確定診断には生検ないし細胞診を必要とする。その中で超音波ガイド下穿刺吸引細胞診は有用である。治療は, 原発性腫瘍では拡大手術が第一選択となり, 経耳下腺的アプローチが有用である。進展性や転移性腫瘍では原発腫瘍の状況により放射線治療, 化学療法あるいは手術を選択し, 転移性腫瘍でもQOLの向上のための手術を検討すべきである。
著者
小村 健 原田 浩之 島本 裕彰 竹内 洋介 林崎 勝武
雑誌
頭頚部腫瘍 (ISSN:09114335)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.34-40, 2003-03-25
被引用文献数
2
著者
小村 健 原田 浩之 島本 裕彰
出版者
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
雑誌
日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.61-68, 2010-06-15 (Released:2011-10-20)
参考文献数
17
被引用文献数
3 4

現在,下顎再建には金属プレート,遊離骨,有茎の骨筋皮弁,血管柄付き骨皮弁が用いられている。こうした中,血管柄付き骨皮弁は成功率が高いこと,骨量に制限がないこと,理想的な形態付与が可能である等,多くの利点を有している。1995年3月から2006年4月の間に遊離血管柄付き骨により下顎再建を施行した57例,59再建について検討した。下顎骨切除に至った原疾患は悪性腫瘍44例,良性腫瘍10例,放射線性下顎骨壊死3例で,Boyd分類による下顎骨欠損はL型が74.6%,軟組織欠損はm型が81.4%と多くを占めた。59再建中,58再建は即時再建であり,1再建のみが二次再建であった。骨皮弁は欠損部の形状と患者の要望とから選択し,16腓骨皮弁,43肩甲骨皮弁を用いた。下顎骨形態付与のために14骨弁に1部位の骨切り,3骨弁に2部位の骨切りを加えた。16腓骨皮弁再建例では,13骨皮弁は生着したが,2皮弁は部分壊死,1皮弁は全壊死を来した。一方,43肩甲骨皮弁再建例では,41骨皮弁が生着し,2骨皮弁が部分壊死を来した。術後の平均開口量は4.1cm,インプラント・義歯装着率は31.6%,常食摂取率は68.4%,顔貌満足率は85.4%であった。以上の結果から,下顎再建には血管柄付き骨が第一選択になるものと判断された。
著者
太田 一徳 原田 浩幸 中嶋 重旗 田中 一彦
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.141-146, 1992-03-05
被引用文献数
6 1

市販のイオンクロマトグラフィー(IC)用陰イオン交換体より大きな交換容量を有するはん用のイオン交換体(シリカ系強塩基性陰イオン交換体)と大きな溶出力を有する芳香族トリカルポン酸(トリメリト酸)系溶離液の組み合わせから成る無機陰イオンの導電率検出ICを開発し, 酸性雨に関連する実際試料に対して適用した.その結果, 1.25mMトリメリト酸溶離液(pH 4.65)と内径4.6mm, 長さ100mmの分離カラムを用いることにより8種の陰イオン(PO_4^<3->, Cl^-, NO_2^-, NO_3^-, I^-, SO_4^<2->, SCN^-及びS_2O_3^<2->)を25分以内で良好に分離, 導電率を検出することが可能であった.最適IC条件下の検量線は, 一価陰イオンにおいて, 0.3mMまで, 二価陰イオンにおいて0.2mMまで各々直線であり, これらの検出限界(S/N=3)は, 10ng/mlオーダー(Cl^- 10ng/ml, NO_3^- 25ng/ml及びSO_4^<2-> 28ng/ml)であった.本法を酸性雨及び酸性雨による土壌(黒ぼく土及び赤ぼく土)溶出(抽出)水中の無機陰イオン分析に適用したところ, その中に含まれるCl^-, NO_3^-及びSO_4^<2->を良好に分離定量することが可能であった.その結果, 土壌のSO_4^<2->吸着量は, 雨水中の全陰イオン濃度及びpHに依存することが明らかとなった.
著者
原田 浩 石川 裕 堀 敦史 手塚 宏史 住元 真司 高橋 俊行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.66, pp.89-94, 1999-08-02
被引用文献数
6

既存のUnixオペレーティングシステムと低通信遅延かつ高通信バンド幅を有するネットワークシステム上にSCASHと呼ぶソフトウエア分散共有メモリを開発している。SCASH上に、ページ管理ノードの動的再配置機構を実装し、SPLASH2のLUを用いて評価を行った。その結果、管理ノードをノードに固定的にラウンドロビンに配置した場合との比較では64台の実行で1.17倍の性能向上を達成したが、管理ノードを固定的に最適化した場合との比較では、0.722倍の性能を得るに留まった。We have been developing a software distributed shared memory system called SCASH on top of a Unix with a low latency and high bandwidth network system. A dynamic owner node reallocation mechanism is introduced to SCASH and evaluated using the LU benchmark from SPLASH2 suits. LU under the dynamic ower node reallocation mechanism is 1.17 times faster than that of using round robin fashion node allocation. It is 0.722 times faster than that of using statically optimized owner node.