著者
野村 孝一 受田 浩之 松本 清 筬島 豊
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.916-919, 1985
被引用文献数
1 2

電導度検出型糖含量測定用フローインジェクション分析(FIA)装置の汎用化の一環として,リンゴ果汁およびビート汁中の糖含量測定,並びに牛乳の全固形分(TS)含量の測定を試みた。本FIA装置を用いた場合,各試料ごとに専用の算出式を用いることにより全く同一のFIA運転条件下で糖含量あるいはTS含量の測定が可能であった。本法により算出した糖含量は平均0.24%の偏差でフェノール硫酸法により求めた値と一致した。一方,TS含量の測定においてはAOAC法と平均0.19%の偏差で一致する値を与えた。
著者
受田 浩之 中田 勇二 松本 清 筬島 豊
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.723-727, 1990-11-05
被引用文献数
7 7

単一の酸素電極でワイン中のL-リンゴ酸とエタノールを同時定量するフロー型酵素センサーを開発した.L-リンゴ酸の定量にはリンゴ酸脱水素酵素(MDH), ジアホラーゼ(DI)及びメディエーターとしてビタミンK_3を, 又エタノールの定量にはアルコール酸化酵素(AOD)を用いて, 各反応で消費される酸素量を酸素電極で測定することにより, 各成分濃度を間接的に求めた.試料は並列に配置したMDH, DI固定化リアクター及びAOD固定化リアクターに同時に注入され, 各リアクターを通過した後, 合流され, 酸素電極を装着したフローセルに送液された.L-リンゴ酸定量用流路{ビタミンK_3飽和0.05Mピロリン酸塩緩衝液(pH9)}及びエタノール定量用流路{0.05Mリン酸塩緩衝液(pH8)}の流量を各々0.5及び1.0ml min^<-1>に設定したところ, 二つのピークが重なりなしに得られ, 定量範囲は各々0.09〜0.9mM, 18〜50mM, 分析速度は15検体/時であった.本法をワインの分析に適用したところ, F-Kit法及びHPLC法との良好な一致が認められた.