著者
松島 幸慧 白坂 大輔 松井 隆 守殿 貞夫
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.86-90, 2013 (Released:2013-06-05)
参考文献数
11
被引用文献数
1

東日本大震災後,避難所である岩手県の高校体育館でインフルエンザが集団発生した.今回我々は,その時間経過と感染拡大防止策について報告する.   近くの基幹病院退院後,避難所体育館に戻った60歳代女性患者が,2011年4月4日に発熱のため救護所を受診し,迅速キットを使用してインフルエンザA型と診断された.空き教室を利用して隔離治療を開始したが,その後から発症者が増加した.発症者が体育館の壁際に偏っていたことから,4月9日より保険適応基準でのオセルタミビルリン酸塩(オセルタミビル)の予防投与を開始した.加えてマスクと擦式消毒用アルコール製剤の設置場所を増やし,校内放送やポスターで実施を呼びかけた.また感染場所として体育館内以外に,給食の列と風呂の脱衣所を疑い,給食の列でのマスクの着用と脱衣所の掃除方法の確認を行った.同時に発熱患者に対して積極的な救護所への受診を呼びかけた.4月16日以降発生患者が減少し,4月20日を最後に新規発生はなく,4月24日に隔離を終了した.この間,発症者の総数は40名であった.   今回重症例を発生することなく,インフルエンザ集団発生を終息に導くことができた.1例目からの隔離治療,一般的感染予防策の徹底,オセルタミビルの予防投与,発熱患者への積極的な受診の呼びかけが終息に寄与したと考えられた.
著者
寺本 咲子 庭川 要 村岡 研太郎 小川 将宏 國枝 太史 松嵜 理登 山下 亮 松井 隆史 山口 雷蔵 鳶巣 賢一
出版者
THE JAPANESE UROLOGICAL ASSOCIATION
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.102, no.5, pp.696-700, 2011-09-20
参考文献数
9
被引用文献数
3

患者は55歳男性.肉眼的血尿,右腰痛を契機に発見された右腎癌でリンパ節・骨・肺転移を認めた(cT1bN1M1).経腹膜的右腎摘除術を施行した.病理組織診断でCD10,P504S,CK19陽性でありTubulocystic carcinoma(pT3a)と診断した.転移巣に対する治療でSunitinibを投与し,CTで腫瘍縮小(部分奏功;PR)を認めた.術後12カ月現在増悪なく治療継続中である.Tubulocystic carcinomaはlow-grade collecting duct carcinomaとAminらが紹介したものに相当し,2004年のWorld Health Organization(WHO)分類に含まれていないまれな腫瘍である.組織学的には,腫瘍細胞は立方体から扁平の形状で嚢胞を取り囲んでおり,大きな核小体と好酸性か両染性の細胞質を有し,軽度の細胞異型があり,その中にHobnail型細胞も認められる.免疫組織学的には,Tubulocystic carcinomaは近位尿細管マーカー(CD10,P504S)と遠位尿細管マーカー/集合管マーカー(Parvalbumin,CK19)の両方に染色されるのが特徴である.この腫瘍は増殖性に乏しい病理組織所見を呈するが,転移・浸潤しやすい性質を持つとされる.転移に対する治療法は確立されていないが,本症例ではSunitinibが有効であった.<br>
著者
松木 俊二 名取 和一 小川 幸司 松井 隆 松隈 京子 坂本 慶 木村 美由紀 神田 英里 米納 誠 伊藤 一弥 鄭 恩希 白源 正成 入江 伸
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.151-159, 2014-07-31 (Released:2014-08-13)
参考文献数
24

The aims of the present study were (1) to determine the maximum tolerated doses of quetiapine and pramipexole when given to healthy Japanese male subjects using gradually increasing single doses; (2) to evaluate the feasibility of this exploratory method for further bioequivalence trials; and (3) to conduct bioequivalence trials using doses determined based on prior tolerability trials. For quetiapine, 18 participants received 25 mg in the first stage. In the second stage, participants were divided into three groups of six subjects each and allocated to receive 50 mg, 75 mg or 100 mg depending on the severity of adverse events in the first stage. For pramipexole, 18 participants received 0.125 mg in the first stage, and then received 0.25 mg, 0.375 mg, or 0.5 mg in the second stage in the same manner as quetiapine. In the group receiving 75 mg of quetiapine, three mild adverse events and seven moderate adverse events (including nightmare and syncope) were reported from all six subjects. In the group receiving 0.5 mg of pramipexole, three mild and five moderate adverse events were reported from five subjects. Therefore, we judged that doses equal to or greater than 75 mg of quetiapine and 0.5 mg of pramipexole are not well tolerated by healthy subjects. Based on these results, we conducted two-way crossover bioequivalence clinical trials with brand-name and generic formulations of 25 mg of quetiapine (25 mg tablets or 50% fine granules) and 0.125 mg of pramipexole, in subjects who did not participate in the tolerability studies. By calculating 90% confidence intervals of logarithmic transformed values of Cmax and AUCt, we found that the brand-name and generic formulations were bioequivalent.
著者
松井 隆尚 松下 洋一 菅本 和寛 宮窪 建児 藤本 英人 落合 克紀
出版者
宮崎大学
雑誌
宮崎大學工學部紀要 (ISSN:05404924)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.23-26, 2005-08

Abstract ###From the quantitative analysis of steam-condensed solution which was obtained by the ###steam-dried treatment of Sugi wood at 90-120 ℃ (dry-bulb temperature) for 54-93 hours, the ###amounts of phenolics were found to be very small. The total extracts of organic solvent ###extractions (hexane and ethyl acetate) of steam-condensed solution were 0.16 w/v %. The ###adsorbate amount from steam-condensed solution using HP-20 adsorbent were the same as ###that of the solvent extract. The analysis of solvent extract and HP-20 adsorbate by capillary ###gas chromatography-mass spectrometer (GC-MS) revealed eight sesquiterpene compounds in ###the steam-condensed solution from Sugi wood.
著者
菅本 和寛 松下 洋一 松井 佳菜 柴田 嵩大 朴 鍾[Cheol] 松井 隆尚
出版者
宮崎大学工学部
雑誌
宮崎大学工学部紀要 (ISSN:05404924)
巻号頁・発行日
no.39, pp.43-47, 2010

The roots, stems, and leaves of Ashitaba (Angelica keiskei Koidzumi) growing in Miyazaki were extracted and fractionated with solvent. These extracts and fractions were analyzed by high performance liquid chromatography (HPLC), and were evaluated for antibacterial activities.
著者
阪井 裕太郎 徳永 佳奈恵 松井 隆宏
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.17-29, 2019-01-15 (Released:2019-02-03)
参考文献数
34
被引用文献数
1

違法・無報告(IU)漁業由来の輸入品が国内イカ産業に与えている被害を推定した。1990年8月から2016年12月の月次データを用い,需要・漁獲・価格の3本の推定式と需給関係を表す1本の恒等式から成る連立方程式モデルを構築した。先行研究で推定されているIU漁業由来のイカ類の輸入量をもとに,これらの輸入がなかった場合の輸入量について3つのシナリオを設定し,シミュレーションを行なった。その結果,IU輸入品により,イカ産業の収益金額の15-29%にあたる243-469億円が失われていると推定された。
著者
神野 智史 金崎 真聡 松井 隆太郎 岸本 泰明 小田 啓二 山内 知也 上坂 充 桐山 博光 福田 祐仁
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 = Journal of plasma and fusion research (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.95, no.10, pp.483-489, 2019-10

レーザー駆動イオン加速技術において,ミクロンサイズの水素クラスターのクーロン爆発を利用して,高繰 り返しで,multi-MeV の純陽子線を発生させる方法を提案した.本研究において,クライオスタットで冷却した 高圧水素ガスをパルスバルブに接続した円錐ノズルを介して真空中に噴射することによりミクロンサイズの水素 クラスターターゲットを発生させる装置を開発した.水素クラスターのサイズ分布は,散乱光の角度分布から Mie 散乱理論に基づき,Tikhonov 正則化法を利用して数学的に見積もった.25 K,6 MPa の状態の水素を噴射し た場合,クラスターの最大サイズは 2.15±0.1 μm であると見積もられた.その上で,J-KAREN-P 施設において水 素クラスターをターゲットとした 0.1 Hz 高繰り返し陽子加速の実証実験を行った.トムソンパラボラスペクトロ メーターを用いたエネルギー測定では,最大 7 MeV の純陽子線を観測した.高出力レーザーパルスとミクロンサ イズ水素クラスターの相互作用過程に関する三次元 Particle-in-Cell(PIC)シミュレーションにおいては,レー ザー伝搬方向に加速される 300 MeV におよぶ高指向性の準単色陽子発生が予測され,本手法は,将来的に高繰り 返しの高エネルギー高純度陽子源の有力候補になる可能性を秘めている.
著者
阪井 裕太郎 徳永 佳奈恵 松井 隆宏
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.18-00027, (Released:2018-12-20)
参考文献数
34
被引用文献数
1

違法・無報告(IU)漁業由来の輸入品が国内イカ産業に与えている被害を推定した。1990年8月から2016年12月の月次データを用い,需要・漁獲・価格の3本の推定式と需給関係を表す1本の恒等式から成る連立方程式モデルを構築した。先行研究で推定されているIU漁業由来のイカ類の輸入量をもとに,これらの輸入がなかった場合の輸入量について3つのシナリオを設定し,シミュレーションを行なった。その結果,IU輸入品により,イカ産業の収益金額の15-29%にあたる243-469億円が失われていると推定された。
著者
今泉 光雅 松井 隆道 大槻 好史 菊地 大介 佐久間 潤 室野 重之
出版者
一般社団法人 日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.245-251, 2019

<p>聴性脳幹インプラント(auditory brainstem implant: ABI)は,蝸牛神経に障害を受けた際に,中枢側である脳幹の蝸牛神経核に電気刺激を加え,聴覚を獲得させることを目的とする人工聴覚器である.今回我々は,両側の聴神経腫瘍術後,高度難聴に至りABI埋め込み術を施行した症例を経験し,術後1年間の経過観察する機会を得たので報告する.症例は44歳,女性.両側の聴神経腫瘍術後,高度難聴に至ったためABI手術を脳神経外科と共同で行った.ABI術後1年を経過し語音明瞭度検査は,術前が単語0%,文章0%,読唇併用の際は単語32%,文章46%であったものが,単語4%,文章0%,読唇併用の際は,単語68%,文章43%と改善を認めた.ABI単独での会話は困難な状態であるものの環境音の聴取は可能となった.両側聴神経腫瘍術後症例に対するABI埋め込み術は,聴覚獲得の一手段になり得ると考えられた.</p>
著者
松井 隆博 井上 弘一 中村 昇一 二川原 淳志 森 保 坂井 広志 鳥海 臣吾 山下 洋一 中尾 亮 松村 年郎 山口 博司 伊坪 徳宏
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.51-51, 2011

塩ビ壁紙が環境へどのような影響があるのかをLIME2によって評価を行った。影響カテゴリーとして地球温暖化と室内空気質汚染等を対象とした。温暖化については1次データにもとづく業界代表値インベントリーを作成し評価した。室内空気質汚染については、パッシブサンプラー法による壁紙の放散量試験を行い、ホルムアルデヒドの放散量からLIME2により人間健康への影響を試算した。