著者
只野 雅人
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.80-91, 2020 (Released:2023-11-16)
参考文献数
53

第二次安倍政権成立以降,国会,官僚機構,野党に対して,また与党内部でも,首相の優位が際立った。それは,1990年代以降の一連の制度改革と安倍政権下の選挙が生み出した政治的条件の帰結である。本稿では,首相の優位がとくに際立った2017年の衆議院解散総選挙と臨時国会召集の問題をとりあげ,首相の優位に対する抑制・均衡のメカニズムについて検討する。日本国憲法は統治機構に関する規定が簡略な,テクストの余白が広い憲法である。裁量的権限を規制するためには,憲法テクストと適用をつなぐものとして,政治的アクターの合意によって形成されるルール(習律あるいは政治法)が重要な意味をもつ。このような視点から,内閣(実質的には首相)による裁量的な解散権行使に対する習律による制約の可能性について,検討する。野党による臨時国会召集要求に内閣が応じないという問題をめぐっては,法律によるルール化と合理的な慣行の必要性を論じる。
著者
岡田 信弘 新井 誠 徳永 貴志 木下 和朗 只野 雅人 赤坂 幸一
出版者
北海学園大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

(1)本共同研究の目的・課題:本共同研究は、密接な関わりを有する「議会と時間」をめぐる諸問題を国際的な視野で検討することにより、日本の国会が直面している議会審議と運営に関わる問題点を明らかにするとともに、それを解消するための方策を探究しようとするものである。平成30年度は、主に、外国(特にフランス)の研究者と日本の実務家との意見交換を通じて問題点とそれを解決するための処方箋の明確化に努めた。また、フランスでのワークショップの合同開催により、国際的な学術交流も試みた。(2)研究会の開催:平成30年7月に、フランス・サンテチエンヌ大学のDisant教授を本科研費で招聘し、北海道大学、慶應大学、同志社大学で「議会・時間・憲法院」の三者関係に関わる問題点についての報告をしてもらった。また12月には東京で、国会図書館と議院法制局の職員を招いて研究会を開催し、「議会運営における時間」をめぐる諸問題についての意見交換を行った。会期不継続の原則を廃止した場合の問題点など、研究者がなかなか気がつかない論点を知ることができ有益であった。(3)国際ワークショップの合同開催:平成31年3月に研究代表者と分担者が渡仏し、リール大学(テーマ:「議会と時間」ーフランスと日本の視点の交錯)とINALCO(テーマ:日本における民主主義、憲法及び議会)で研究成果の一部を公表するためのワークショップを合同で開催し、フランスの研究者や学生と意見交換を行った。フランスに限定されるが、日本の憲法や議会に関する国際的な情報発信を行うことができたように思う。
著者
只野 雅人
出版者
一橋大学
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.119, no.4, pp.446-462, 1998-04-01

論文タイプ||論説
著者
岡田 信弘 高見 勝利 浅野 善治 只野 雅人 笹田 栄司 武蔵 勝宏 常本 照樹 佐々木 雅寿 加藤 一彦 稲 正樹 木下 和朗 新井 誠 齊藤 正彰
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

衆議院と参議院の多数派が異なる、いわゆる「ねじれ国会」が出現した結果、日本の国会における立法活動は混迷状態に陥った。本共同研究は、この混迷状態の制度的・政治的要因を探りつつ、そうした状態を解消・克服するための方策を従来の二院制に関する憲法学的研究とは異なった視角からの分析を通して明らかにすることを試みた。具体的には、従来の類型論的・解釈論的研究に加えて、統治構造論を視野に入れた実証的な比較立法過程論的研究を実施した。
著者
只野 雅人
出版者
一橋大学
雑誌
一橋研究 (ISSN:0286861X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.75-99, 1990-07-31

論文タイプ||論説
著者
只野 雅人
出版者
一橋大学
雑誌
一橋研究 (ISSN:0286861X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.53-64, 1990-10-31

論文タイプ||論説