著者
武蔵 勝宏 ムサシ カツヒロ Musashi Katsuhiro
出版者
大阪大学大学院国際公共政策研究科
雑誌
国際公共政策研究 (ISSN:13428101)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.11-27, 2013-03

This paper analyzes why the Democratic Party of Japan (DPJ) failed to achieve key policies in its 2009 election manifesto. The data are based on case studies about major legislation under the DPJ–led administration. The optimistic foresight of funding measures and the lack of ability to manage the government in the Hatoyama and Kan Administration was found to be related to nonattainment of the pledges. After the ruling parties lost the majority in the House of Councilors at the Kan Cabinet, it became more difficult for the government to enact bills. Therefore, the Noda Administration has adopted the cooperative business in the Diet by which it forms consensus through negotiations with the opposition parties. This study concludes that the execution of the manifesto by the DPJ–led administration was not fully completed, but it realized the passing of important legislation, such as a consumption tax hike.
著者
武蔵 勝宏 ムサシ カツヒロ Musashi Katsuhiro
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha policy and managemant review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.25-41, 2018-08

論説(Article)本論文は、日本の国政調査権の制度とその運用を英仏独の各国と比較し、その現状と問題点に対する解決策を検討するものである。日本の国政調査権は、少数者調査権が認められておらず、調査報告書の作成も行われていない。また、参考人制度に証人喚問が代替され、資料や記録の提出も守秘義務を理由に行政側が応じない事例もある。衆参両院の行政監視委員会や予備的調査制度も、近年不活発化している。以上の問題点を踏まえ、全会一致制の見直しや、委員長職の野党への配分、予備的調査要求の人数要件の引き下げなどを提言する。
著者
武蔵 勝宏
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.33-45, 2007-12

研究ノート(Note)2007年参議院選挙は、自民党の大敗と民主党の大躍進という結果に終わった。自民党が国民の支持を受けなかった要因には、社会保険庁における年金記録問題が選挙の際に争点となったことがあげられる。政府は、2004年の年金制度改革法案の審議の際に発覚した社会保険庁の不祥事とそれに端を発する年金保険料の収納率の低迷に対応するために、二度にわたって、社会保険庁改革法案を国会に提出した。最終的に成立した日本年金機構法案は、非公務員型の公法人に社会保険庁を廃止・分割するというものであったが、その内容は、組織設計の具体化を第三者機関に委ねるなど年金業務に対する国民の不信を払拭するものではなかった。こうした法案自体がもつ問題点と政策決定過程における説明責任の不足が、有権者による安倍政権に対する低い評価につながったと考えられる。
著者
武蔵 勝宏 Katsuhiro Musashi
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha policy and managemant review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.157-170, 2020-03

日本の国会は、政府に議事運営権や審議促進手続に関する権限が付与されておらず、凝集性の低い自民党内で造反を回避するためには、事前の調整で政府と与党を一体化する必要性がある。そのため、自民党政権では与党による事前審査が行われ、国会提出の段階から党議拘束がかけられてきた。本稿は、こうした事前審査制に代えて、閣法草案を国会の委員会において予備審査を行う方法を提案し、国会審議の形骸化の解消に取り組むことを提案する。井上恒男教授退職記念号論説(Article)
著者
武蔵 勝宏 Katsuhiro Musashi
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha University policy & management review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.157-170, 2020-03-01

日本の国会は、政府に議事運営権や審議促進手続に関する権限が付与されておらず、凝集性の低い自民党内で造反を回避するためには、事前の調整で政府と与党を一体化する必要性がある。そのため、自民党政権では与党による事前審査が行われ、国会提出の段階から党議拘束がかけられてきた。本稿は、こうした事前審査制に代えて、閣法草案を国会の委員会において予備審査を行う方法を提案し、国会審議の形骸化の解消に取り組むことを提案する。
著者
武蔵 勝宏
出版者
学校法人 天満学園 太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.231-242, 2010

冷戦期の防衛庁長官や内局の防衛政策に対するスタンスは,自衛隊をいかに抑制するかという消極的統制の要素が強かった。しかし,冷戦の終結に伴い,自衛隊の役割に対するニーズが高まることによって,政治家の防衛政策への関与が増加し,自衛隊を海外派遣や有事対処に積極的に活用しようとする積極的統制が顕著になった。内局の官僚も生え抜き組が主流となることによって,制服組との組織的利害の一致が進むこととなった。こうした1990年代以降の安全保障環境の変化と政治家の関与,防衛庁内の内幕一体化がシビリアン・コントロールを変質させることとなったのである。
著者
武蔵 勝宏
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.105-121, 2005-12

研究(Note)2003年5月、国連安全保障理事会は、イラク戦争後のイラク復興支援に貢献することを加盟各国に要請する決議1483号を全会一致で採択した。日本政府は、米英によるイラク武力行使とそれに引き続く事態をイラク特別事態と位置づけ、日本の「主体的」な判断から、イラクでの人道復興支援活動及び安全確保支援活動を行うため、イラク人道復興支援特措法案を国会に提出した。これに対し、野党は、イラク戦争の正当性、占領行政への協力と交戦権、自衛隊派遣の現地のニーズ、非戦闘地域の判断の困難さ、安全確保と武器使用基準、武器・弾薬の陸上輸送、国会の関与の限定性などについて、政府の立場を批判した。国会での審議・決定過程では、民主党から自衛隊の派遣を法案から削除する修正案が提出され、政府与党との論戦が展開された。最終的には、与党が衆参両院を多数決で押し切り、実質的な戦闘状態が継続されているイラクに陸上部隊を派遣するという従来の自衛隊の海外派遣をこえる立法が成立した。法律の実施段階では、立法段階で積み残された矛盾点が顕在化し、安全確保の観点から、実際の派遣部隊の活動は現地のニーズに十分に対応し得ない限定されたものとなった。イラクでは、2004年6月にイラク暫定政府への主権移譲が行われ、自衛隊の活動は、実質的に多国籍軍の下で展開されるようになった。こうした変化を受け、政府与党内では、自衛隊の海外派遣を本来業務に位置づけ、事態対処的な特措法を恒久法として統一化する動きがある。恒久法を検討する際には、国連決議の有無や受け入れ国の同意、非戦闘地域や安全確保の要件などの派遣条件や、後方支援が認められる活動内容の範囲を合憲性と政策的合理性の観点から明確化し、国会の関与についても、事前承認を原則とし、国会への定期的な情報提供と国会に派遣中止決議権を付与することが考慮されるべきであろう。
著者
武蔵 勝宏
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-13, 2013-09

論説(Article)2007年7月の参議院選挙の結果、当時の政府与党は参議院での多数を失い、ねじれ国会のもとで、野党が強く反対するテロ特措法の延長問題に直面していた。米国を中心とする国際社会が「テロとの闘い」への日本の協力継続を強く求める中で、政府与党は、支援対象を海上補給活動に限定し、有効期限を1年間とする補給支援特措法案を提出するに至った。その背景には、テロ特措法のもとで海上自衛隊が実施していた給油がイラク戦争に転用されたとの疑惑が争点化し、集団的自衛権の行使による憲法違反との野党各党からの批判をかわす狙いがあった。また、参議院での派遣承認が得られるめどが立たないことから、法案からは国会承認規定も削除された。これに対し、野党各党は、参議院での逆転を利用して、衆議院段階から国政調査権の発動による給油疑惑の解明を強く求め、政府側からは補給活動の内容についての具体的な情報開示が小出しながらも相当程度に行われた。その結果、国会での法案修正には至らなかったものの、政府側の答弁を通じて間接給油先の使用目的の確認の徹底など、法執行段階で合法性を担保する運用を政府に確約させることにつながった。ねじれ国会という政治状況は、本来、与野党が合意形成を図る契機となるものである。政権交代を経て、与野党が安全保障政策に関する政権担当の経験を経た現在、日米同盟や国際平和協力などの安全保障政策をめぐって与野党が国益実現の観点から合意点を探しだす努力をすべきである。そのうえで、制服組の行き過ぎや大臣・内局による文民統制の不備があった場合には、党派を超えて国会が監視機能を発揮することが民主的統制の観点から求められているといえよう。
著者
岡田 信弘 常本 照樹 笹田 栄司 佐々木 雅寿 宮脇 淳 棟居 快行 浅野 善治 武蔵 勝宏 小野 善康 稲 正樹 木下 和朗 齊藤 正彰 新井 誠 高見 勝利 深瀬 忠一
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

近時、わが国の法体系や立法過程の在り方に「地殻変動」が起きているとの指摘があるが、こうした現象は日本に特有のものとは考えられない。グローバル化の圧力の下で、多くの国が政治・経済・社会のあらゆる分野での改革を余儀なくされているからである。本共同研究は、このような状況認識の下に、変革期における立法動向と立法過程を国際的な視角から実証的かつ総合的に分析することを通して、日本の新世紀における立法や立法過程のあるべき方向性を追究したものである。
著者
岡田 信弘 高見 勝利 浅野 善治 只野 雅人 笹田 栄司 武蔵 勝宏 常本 照樹 佐々木 雅寿 加藤 一彦 稲 正樹 木下 和朗 新井 誠 齊藤 正彰
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

衆議院と参議院の多数派が異なる、いわゆる「ねじれ国会」が出現した結果、日本の国会における立法活動は混迷状態に陥った。本共同研究は、この混迷状態の制度的・政治的要因を探りつつ、そうした状態を解消・克服するための方策を従来の二院制に関する憲法学的研究とは異なった視角からの分析を通して明らかにすることを試みた。具体的には、従来の類型論的・解釈論的研究に加えて、統治構造論を視野に入れた実証的な比較立法過程論的研究を実施した。