- 著者
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渡辺 友里菜
吉崎 一人
大西 志保
- 出版者
- 日本認知心理学会
- 雑誌
- 日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第14回大会
- 巻号頁・発行日
- pp.64, 2016 (Released:2016-10-17)
逆ストループ課題では,採色された色名単語の単語読みを求め,インク色が干渉した程度が測定される。Smithson, et al. (2006)は,彩色された色名単語のインク色を操作し,色名単語との色が近づく程,反応時間は速くなることを示した。本研究は,刺激呈示空間の上下と刺激の示す方向(上下)との間で適合性が決まる空間ストループ課題を用いて,空間ストループ効果には凝視点から刺激呈示位置の距離(視角)に応じた変化がみられるかどうかを調べた。実験では,凝視点を通る垂直子午線上で,上下視野に2箇所(凝視点から視角にして2.32°と6.97°,又は6.97°と11.63°)の計4箇所に矢印刺激が呈示された。その結果,視角に関わらず,最も上,最も下の呈示位置の空間ストループ効果が,他の呈示位置より大きかった。つまり,空間ストループ効果の大きさは,刺激布置の相対的な位置(上下)に依拠することが示された。