著者
谷治 隆史 関口 一樹 向井 信彦 小杉 信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.431, pp.29-34, 2005-11-17
被引用文献数
1

パソコンの高性能化, ハードディスクレコーダの普及, および, 通信回線の高速化などにより, 映像を効果的かつ効率的に要約・検索を行う技術の必要性が高まっている.我々は, 長時間の試合に対して重要なシーンの割合が限られている野球中継映像を対象とし, 映像解析により索引の自動付加, および, ユーザの嗜好を反映したダイジェスト映像の自動生成を行ってきた.本稿では, 放送局の判別方法, 詳細打席結果の推定方法, さらに, シーン重要度の算出方法について述べる.シーン重要度を用いることにより, ユーザが時間指定を行うだけでダイジェスト映像を作成することを可能とした.
著者
後藤 智英 小杉 信 向井 信彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, no.34, pp.13-16, 2008-07-31

本稿では、コンピュータグラフィックスにより現実感のある降雪シーンをリアルタイムで生成する一手法を提案する。降雪に関する先行研究で椎名らは、無風で雪粒同士の衝突がないことを条件として実際の雪粒の動きを観測し、雪粒の粒径から落下速度を導出し、形状から降雪の運動パターンを分類した。この運動パターンは主に鉛直落下、斜め落下、回転落下の3種がある。そこで我々は各パターンの動きを表現するために、雪のデータを解析して雪粒の形状、面積から雪粒の移動距離や移動方向などの関係式を導出した。これらを基に、雪粒に球状ポリゴンを用い、この雪粒の大きさと形状を変化させ、3つの運動パターンを組み合わせて雪の動きを生成した。さらに降雪と背景を組み合わせた描画により、リアルタイムでの実態的な降雪シミュレーションを実現した。
著者
瀬谷 政樹 張 英夏 向井 信彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 40.11 映像表現&コンピュータグラフィックス (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.227-228, 2016-03-02 (Released:2017-09-22)

液体が物体と衝突した際の液体の挙動に関する研究は数多く存在するが,凹面状物体に落下した液体の挙動に関する研究はあまり報告されていない.そこで本稿では,凹面状の物体に落下した液体が形成する薄膜の表現手法について考案する.液体の挙動解析には,流体の解析に広く用いられている粒子法を用いる.粒子法の一つであるSPH (Smoothed Particle Hydrodynamics)法を用いて,流体の支配方程式であるナビエ・ストークスの方程式を解く.また,凹面状物体と液体粒子の距離に応じて,液体粒子は凹面状物体からの影響を受ける.さらに,凹面状物体に落下後,飛散する液体に対して空気抵抗,および表面張力などの外力を考慮することで,より現実に近い液体の落下および飛散を表現する.
著者
向井 信彦 加藤 康寛 小杉 信
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.2063-2066, 2008-12-01 (Released:2010-05-01)
参考文献数
12
被引用文献数
2 1

We describe a method of using computer graphics to represent the flow of a river in real-time. As rivers are usually narrow and long, the water surface can be seen in detail only in the near view, but it cannot be seen as clearly from a distance. Therefore, the level of water wave model should be dynamically changed on the basis of the distance from the viewpoint. In the near view, the water wave and the reflection at the riverbank can be seen, but this is impossible from the far view. However, the changes in direction of the wave caused by wind can be seen even in the far view. We also propose a method of generating patterns of waves caused by wind. We applied our method to simulations of a landscape and clarified the behavior of a river in real-time.
著者
向井 信彦 原田 雅之 小山 博史
出版者
日本VR医学会
雑誌
VR医学 (ISSN:13479342)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.72-77, 2002 (Released:2013-01-25)
参考文献数
6
被引用文献数
2 1

This paper describes the architecture of real-time surgical simulators. First of all, a high performance graphics workstation based real-time simulation so that it could supply the user demand; however, there remained one problem of the cost. Then, the next simulator was developed with a personal computer in order to reduce the system cost and also new software simulating another surgery case was developed. Especially, the cost of a stereo display and haptic devices, both of which were the core components of the system and occupied the large ratio of the cost, were reduced by specifying the functions of them for ocular surgery. As a result, we succeeded in establishing a simulator that could supply the user demand of boty functions and the cost. Therefore, it has been tried to develop a neurosurgery simulator with the same components as that of the ocular surgery one. Although it remains the problem of haptic display, it is found that the specification of the stereo view can apply to not only ocular surgery but aloso neurosurgery simulators.
著者
三柳 徹 向井 信彦 小杉 信
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.15, pp.21-24, 2010-03-12

VR環境で立体視を行う際、生体に与える影響について調査したので結果を報告する。平坦な道を自転車で走行するVR環境下で、立体視用画像を生成する左右2つのカメラ間隔をパラメータとして被験者の生体に現れる影響を調査した。調査対象を心拍変動のLF/HF比と瞬目における開瞼時間の上昇とし、これに主観的評価アンケートの結果を加えて総合的に判断した。調査の結果、人間の平均瞳孔間距離(6.5[cm])とカメラ間隔が等しいときに、最も高いストレスと眼精疲労が発生することが判った。一方、カメラ間隔が広いとストレスや眼精疲労の発生を抑えながら高い立体感が得られることも判った。
著者
後藤 智英 向井 信彦 小杉 信
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.15, pp.1-4, 2010-03-12

本論文は,コンピュータグラフィックスにより現実感のある滑雪シーンを生成する手法を提案する.具体的には,屋根雪の落滑雪を,滑雪開始,滑雪中,雪の分割,滑落中,滑落後の5つのステップに分け,それぞれのステップごとに調査・研究文献データをもとに雪の動きを算出した.さらに,中点変位法やポイントスプライト技術を用いて雪を表現することで,屋根の上に積もった雪が滑雪し地面に衝突するまでの一連の動作の滑雪シミュレーションを実現した.このとき,屋根,家形状,雪質および気温の各パラメータを任意に与えることにより多様なリアルタイムでの滑雪シミュレーションを可能とした.
著者
向井 信彦 中川 真志
出版者
武蔵工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、血管の変形と血管を傷つけた際に発生する出血を同時に実現して性能評価を行うと共に、単体の計算機だけではなく複数の計算機をネットワーク結合した手術シミュレータシステムを構築して、処理の高速化に関する検討を行った。さらに、従来の血管モデルでは血管径を一定とした変形にしか対応できないため、血管径の変化も考慮したモデルを考案し、大動脈手術のような血管そのものの手術にも対応できるモデルと変形手法を構築した。
著者
関田 健太郎 阿部 真吾 向井 信彦 小杉 信
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.27, no.21, pp.13-16, 2003-03-18
被引用文献数
1

本報告では,操作者の手振り動作を用いた,直感的なユーザインタフェースを持つ三次元モデリングシステムの構築及び評価について述べる.三次元形状モデリングに最少限必要な機能を抽出すると共に,抽出された機能を実装することによりシステムを構築した.人間の手振り操作を用いたユーザインタフェースとしてデータグローブが最適ではあるが,反力を持つハプティックデバイスは非常に高価であるため反力を持たないデータグローブをユーザインタフェースとして採用した.従って,反力に代わる物体との接触伝達手段として視覚的補助情報の提示手法を提案する.また,手振り動作による入力では手ぶれなどの影響を受けやすいことから,仮想空間上にあるモデルの動きに制約を加えることにより,手ぶれの影響を極力回避する方法も提案する.本システムを用いたモデリングを行うことにより,視覚情報の提示及び動きの制約がモデリングにとって有効であるであることを確認した.