著者
西村 拓一 向井 理朗 野崎 俊輔 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.1563-1570, 1997-06-25
参考文献数
12
被引用文献数
60

我々は, 動作者にデータグロープ等の接触型センサやマーカーを装着させることなく, 人間の身振り手振りをとらえた動画像からのジェスチャ認識を試みている. ここでは, 時間差分画像から特徴を抽出しているが, 衣服・背景の変化や動作の軌跡変動に影響されやすいという問題点があった. そこで, 本論文では, 時間差分画像の2値化により変化領域を求めることで前者の問題に対処し, 更に低解像度の画像特徴を用いることで後者の問題を解決できることを示す. また, 複数人物を同時にとらえるために適したカメラを用いて, 低解像度の人物のジェスチャでも本手法によりロバストに認識可能であることを実証する.
著者
矢部 博明 西村 拓 向井 理朗 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.183, pp.23-30, 1999-07-15

動画系列とその意味する単語の記号列に基づくジェスチャ認識手法を提案する。まず、Incremental Path Methodと呼ぶ方式で、ジェスチャー動画像データからそのnetworkモデルの自動作成を行い、ネットワークのトポロジ解析によりジェスチャの部分共通性、特異性を抽出することで、ジェスチャ動画像の自動文節をする。ジェスチャ動画像系列に現れるジェスチャの順序と、その意味する単語記号の記号系列の順番が一致しているとき、テキストデータについても、同様に自動的に文節化する。それぞれのネットワークの間で部分的対応を取ることで、ジェスチャ動画像について自動的に意味付けを行う認識方法を提案する。さらに、本方式の有効性を検証するために、テキスト付き手話データを対象とした認識実験を行い、本手法の有効性を検証する。
著者
芥子 育雄 鈴木 優 吉野 幸一郎 Graham Neubig 大原 一人 向井 理朗 中村 哲
出版者
電子情報通信学会
巻号頁・発行日
2017-04-01

LeとMikolovは,文書の分散表現を単語と同様にニューラルネットワークで学習できるパラグラフベクトルのモデルを提案し,極性分析ベンチマークを用いて最高水準の分類精度を示した.パラグラフベクトルを用いたツイートの極性分析における実用上の課題は,単語のスパース性を解消するパラグラフベクトルの構築のために大規模文書が必要なことである.本研究では,Twitterの文に対して評判情報抽出を適用する際,その出現単語のスパース性に由来する性能低下を解決するため,人手により構築された単語意味ベクトルを導入する.意味ベクトルとして,各次元が266種類の特徴単語に対応し,約2万語に付与されている単語意味ベクトル辞書を使用する.この辞書を用いて単語拡張したツイートをパラグラフベクトルのモデルで学習するという,単語意味ベクトルとパラグラフベクトルの統合化手法を提案する.これにより,単語がスパースでも特定分野の文脈情報を学習できることが期待される.この評価のため,クラウドソーシングを利用してスマートフォン製品ブランドに関する極性分析ベンチマークを作成した.評価実験の結果,約1万2千ツイートから構成される特定のスマートフォン製品ブランドのベンチマークにおいて,提案手法は,ポジティブ,ニュートラル,ネガティブの3クラス分類におけるポジティブ予測とネガティブ予測のマクロ平均F値71.9を示した.提案手法は従来手法であるパラグラフベクトルによるマクロ平均F値を3.2ポイント上回った.
著者
向井 理朗 山下 浩生 岡 隆一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.79, pp.9-16, 1998-09-17
参考文献数
6
被引用文献数
7

人間の身振りを計算機システムにいかに理解させ,より円滑で自然な対話を支援するかは重要な課題である.こうしたジェスチャー認識システムの開発を進めるための共通的な基盤となる人間の身振りのデータベース整備はその対象となる身振りが非常に多様であることやデータ整備自身についての知見の不足からこれまで十分には行われてこなかった.そこで我々はジェスチャーデータベースの企画,仕様決定,作成を行ったので,データベースの収録方法,収録データ等についてを報告し,今後のデータベース整備の概要を報告する.In this paper, we describe about Gesture Database. It is important to be understood human gesture by computer. A common database is necessary to develop gesture recognition system. We developed gesture database. We used sign language as a gesture. Sign language includes a rule of movement. Therefore, we use sign language as the data which don't depend on recognition system. We describe specification and recording method of database and describe preparation of future database. And, we intend to show this database to a general researcher.
著者
中沢 正幸 向井 理朗 関 進 綿貫 啓子 三吉 秀夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.15, pp.35-35, 2000-02-04

In this paper we describe a multimodal human interface system MAICO (Multimodal Agent Interface for COmmunication) based on Dynamical Dialogue Model. This system not only integrates information of a speech processing and a gesture processing but also controls the response timing in order to realize a smoothness and a easy interaction between a user and a computer. Our approach consists of human-human dialogue analysis and computational modeling of dialogue.In this paper, we describe a multimodal human interface system, MAICO (Multimodal Agent Interface for COmmunication), based on Dynamical Dialogue Model. This system not only integrates information of a speech processing and a gesture processing, but also controls the response timing in order to realize a smoothness and a easy interaction between a user and a computer. Our approach consists of human-human dialogue analysis, and computational modeling of dialogue.
著者
西村 拓一 古川 清 向井 理朗 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.40, pp.183-190, 1997-05-15

すでに提案されているRIFCDPは,2つの時系列データ間の任意の類似区間を検出できるため,時系列パターン検索に有用である.しかし,RIFCDPは、計算量とメモリ量が大きいという問題点がある.そこで,過去に溯るに従って指数関数的に重みを減少させてマッチングをとることにより,計算量とメモリ量を軽減し,ほぼ類似の機能をもつ重み減衰型RIFCDPを提案する.また,ジェスチャー動画像を用いて本手法の有効性を示す。
著者
三吉 秀夫 綿貫 啓子 中沢 正幸 向井 理朗
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.44, pp.9-12, 2002-06-28
被引用文献数
1

人間同士のコミュニケーション手段であるマルチモーダル対話をマンマシンインタラクションに応用したマンマシンインタフェースは,次世代のユーザインタフェースとして有望視されている.我々は,マルチモーダル対話によって計算機と対話し,ネット検索等のタスクを実行するインタフェースエージェントMAICOを試作した.本稿ではMAICOの概要を述べる.
著者
向井 理朗 大和田 勇人 溝口 文雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.3-4, 1993-03-01
被引用文献数
1

本稿で扱うロボット動作計画とは作業環境内に存在する障害物を回避しつつどのように初期状態から目標状態へ移動するかという障害物回避問題について扱う.従来の障害物回避のアプローチとしてポテンシャル場を用いる方法とコンフィギュレーション空間を用いる方法がある.ポテンシャル場を用いる方法では衝突を避けるためのポテンシャルと目標状態に達するためのポテンシャルを用いるが,ポテンシャルの極小点に迷い込む可能性がある.コンフィギュレーション空間(以下C-Space)を用いる方法では物体の姿勢を一意に定めるパラメータによって張られるC-Spaceを定義し,この上で経路探索を行なう.インプリメントが簡単でマニピュレータ全体の経路が求まる反面,C-Spaceの生成に膨大な計算量を要するという問題点がある.ここでは,制約論理プログラミングの宣言性,モジュール性,数理的処理という特徴に着目し,コンフィギュレーション空間法に応用することにより経路を導出する方法を述べる.ここで使用した制約論理型言語は,CLP〓であり,対象としたロボットは回転型のマニピュレータである.