著者
進士 誠一 田尻 孝 宮下 正夫 古川 清憲 高崎 秀明 源河 敦史 佐々木 順平 田中 宣威 内藤 善哉
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.815-819, 2003-07-31 (Released:2010-09-24)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

症例は61歳男性. 1995年8月に十二指腸潰瘍穿孔のため上腹部正中切開開腹下に幽門側胃切除術施行. 1996年5月頃より手術瘢痕部に直径約10cmの半球状に膨隆する腹壁瘢痕ヘルニアを生じ, 近医でフォローアップされていた. 2002年9月4日排便時に腹壁破裂を生じ, 救急外来受診. 小腸脱出を伴った腹壁破裂と診断され緊急手術となる. 腹壁破裂創は約10×20cmで, 脱出した腸管の色調は良好であった. 腹腔内の感染が危惧されたため, 腹腔内を洗浄後, 腸管を腹腔内に戻し, 一時的に皮膚一層のみを縫合した. 術後感染を合併せず順調に回復. 術後26日目の9月30日に待期的に腹壁形成術を行った. 腹直筋前鞘と後鞘はメッシュを用いて補強した. 腹壁瘢痕ヘルニアは腹部手術における比較的多い術後合併症であるが, 破裂に至る症例はまれである. 今回, 腹壁破裂を生じ二期的手術により治療し得た1症例を経験した.
著者
古川 清彦
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = The Bulletin of The National Institute of Japanese Literature (ISSN:03873447)
巻号頁・発行日
no.7, pp.33-44, 1981-03-30

飯田武郷は『日本書紀通釈』の著者として有名であるが、幕末期の国学者としての地位は必らずしも明らかではなく、地味な存在である。しかし国学の実践活動においては権田直助・落合直亮・相楽総三らと結んで多面的であり、岩倉具視との関係も興味深いものがある。そして権田・落合・相楽と異なる学者としての道を歩んで、明治維新後の時代に身を処した点に特色があるが、詩歌の道にも優れていた。最近、幕末の志士における詩歌の重要性が説かれるが、武郷はそうした面で志士としての活動とともに詩歌文章によって歴史の変革期の記録を行った文人としての面も備えている。本稿においては、家系・学統・国学活動などを周辺の情況・人物などに触れながら考察した。そして文人としての意味からは『蓬室集』に注目したのである。 Ida Takesato was famous as an author of "Nihonshoki-tsushaku" (the explanation of the oldest chronicles of Japan), however the position as a Japanese classical scholar of the end of the Edo period was not necessarily clear and had a simple existence. In the practice activity of the study of Japanese classical literature, he multilaterally allied with Gonda Naosuke, Ochiai Naoaki and Sagara Sozo, the relations with Iwakura Tomomi is also interesting. There is characteristic at the point that he followed a different paths as a scholar from Gonda, Ochiai, Sagara and behaved in the times of the Meiji Restoration. He was also superior in the way of the poetry. Importance of the poetry written by Shishi (a historical term describing a commoner in the late Edo period who actively contributed to the country) was explained recently. In such a behavioral aspect, he possessed a side as a literati who recorded the revolutionary period of the history by a poetry sentence with the activity as Shishi. In this article, family lineage, academic lineage, activity of a study of Japanese classical literature were considered while mentioning neighboring situation and people. From the meaning as a literati "Hoshitsu-shu"(蓬室集) was noteworthy.
著者
古川 清治 内保 顕 内田 敏仁 伊藤 一郎 吉田 恒行 上林 史朗 阿部 清一 古角 雅行
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会論文誌 (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.10, no.5, pp.276-283, 1999-09-30 (Released:2010-05-31)
参考文献数
11
被引用文献数
2 1

ごみ焼却残渣の溶融施設から排出されるばいじん (溶融飛灰) 中の重金属の安定化手法として, リン酸処理方法について検討した。溶融飛灰原灰および, これにリン酸を添加, 混練りしたリン酸処理灰について, 各種溶出試験によりPbなどの重金属の溶出挙動を調べるとともに, 処理灰の化学形態を調べた。各種溶出試験の結果から, pHや液/固比によらず, リン酸処理灰は原灰と比較してPb, Cd, Zn, CuおよびCaの溶出が抑制されることが明らかとなった。また, リン酸処理灰の形態調査の結果から, 処理灰中には, 化学的に安定な鉱物であるPb5 (PO4) 3Cl (クロロピロモルファイト) が検出された。
著者
秋谷 行宏 恩田 昌彦 古川 清憲 鈴木 英之
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.1781-1787, 1998 (Released:2011-08-23)
参考文献数
24

血清総コレステロール値を用いて術後感染症の早期診断について検討した. 1995年7月から1997年6月までの胃・大腸切除症例111例を対象に術後10日目までの術後感染の有無により感染群 (13例) と非感染群 (98例) に分けた. 術後3日目の血液生化学検査項目を含む臨床データを両群間で単変量解析で比較したところ, 感染群のリンパ球数, 総コレステロール (TC), 総蛋白は有意に低く, 体温, 脈拍数, CRPは高かった. 多変量解析のロジスティック回帰分析では臓器別で, 胃手術例ではTCを含む8項目, 結腸手術例ではTCを含む3項目の組み合わせが良好であり, overallの正診率はそれぞれ95.1%, 95.4%, sensitivityはともに80.0%であった. なお, 直腸ではoverallの正診率は高かったがsensitivityは低かった. 以上より, 術後感染症は, 術後3日目の総コレステロールを含む臨床データを用いたロジスティック回帰分析から早期診断可能であった.
著者
市古 貞次 久松 潜一 佐々木 八郎 臼田 甚五郎 フランク ・ホープ 松田 修 鈴木 寿 大久保 正 古川 清彦
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館報
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-20, 1972-12-25

国文学研究資料館の発足に当って設立をよろこんで国文学研究責料館の創設経過 資料に導かれもして国文学研究資料館へ望むこと〃新考古学〃の立場から高野山採訪記史料管見文献資料部事業報告研究情報部事業報告評議員名簿・職員名簿・組織図
著者
古川 清香 森 智恵子 植野 正之 品田 佳世子 川口 陽子
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.33-43, 2008-01-30
参考文献数
22
被引用文献数
1

口腔疾患が日常生活に障害を引き起こすことが報告されているが,日常生活の障害と喫煙行動との関連については明らかにされていない.また,タバコをとりまく環境が変化している現在,労働者の意識や知識を喫煙対策に反映していく必要もある.そこで,喫煙と日常生活への障害,人々のタバコ対策への意識およびタバコの害への知識を明らかにすること,そして,職域における歯科保健活動における喫煙対策の必要性を探索することを目的として本研究を行った.対象者は,2004〜2005年に,歯科健診および質問票調査に参加した電子機器メーカの事務および技術職の男性従業員855名(平均年齢42.1±6.4歳)である.健診項目は,歯の状況(DMFT),歯周組織の状況(CPI),歯垢の付着,口腔粘膜,咬合・歯列,顎関節の異常の有無,質問内容項目は,歯科保健行動,口腔に関連する日常生活の障害,タバコ関連の質問である.その結果,本研究の対象者は,喫煙者38.7%,過去喫煙者12.9%,非喫煙者48.4%であった.口腔に関連した日常生活の障害は,「見かけが気になる(20.6%)」が最も多く,次に「おいしく食事ができない(13.7%)」,「話しづらく感じる(10.1%)」,「仕事に集中できない(6.1%)」,「よく眠れない(3.5%)」であった.ロジスティック解析において,喫煙習慣と口腔に関連する日常生活の障害のうち3項目について関連がみられた.喫煙者は非喫煙者に比べて1.60倍「見かけ」が気になり,喫煙者は2.03倍,過去喫煙者は1.98倍,非喫煙者に比べて「おいしく食事ができない」と感じ,喫煙者は非喫煙者に比べて4.01倍「よく眠れない」と回答した.会社における禁煙支援が不十分だと回答したのは23.7%,会社における歯科専門家からの禁煙支援が必要だと回答した人は29.3%であった.労働者のタバコ関連疾患の認識は,肺がん95.4%,口腔癌67.1%,歯周病54.6%であった.以上の結果,男性労働者の喫煙行動と口腔に関連する日常生活の障害の間に強い関連があること,労働者は禁煙支援が必要だと考えていること,タバコに関連する情報の提供が必要であることが明らかとなった.それにより,職域における口腔保健活動に禁煙支援活動が必要だと考察された.歯科専門家は職域においても積極的に禁煙支援活動に携わるべきである.
著者
横井 公良 恩田 昌彦 山下 精彦 森山 雄吉 田中 宣威 古川 清憲 京野 昭二 高崎 秀明 瀬谷 知子 横山 滋彦
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.27, no.8, pp.1940-1948, 1994-08-01
被引用文献数
30

過去19年間に当教室で経験した成人(15歳以上)の腸重積症は11例あり,著者らは発生部位別に小腸型(4例),回盲部型(4例),大腸型(3例)の3つに分類し,さらに回盲部型を小腸由来の回腸結腸型(1例),大腸由来の盲腸結腸型(3例)に亜分類し,臨床病理学的検討を行った.小腸型,回盲部型,大腸型の平均年齢は31.0歳,46.6歳,69.3歳,平均病悩期間は59.3週,33.3週,1.1週,診断率は25%,50%,100%,原因疾患が悪性腫瘍であった頻度は0%,50%,100%であった.小腸由来か大腸曲来かの観点から悪性腫瘍の頻度をみると,小腸由来は0%(0/5),大腸由来は83%(5/6)であった.それぞれの部位に臨床病理学的特徴があり,この分類方法は有用と思われた.また術前,術中の愛護的な整復を試みて腸重積が環納されれば,発生部位の同定が可能となり,より的確な術式が選択できるものと考えられた.
著者
西村 拓一 古川 清 向井 理朗 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.40, pp.183-190, 1997-05-15

すでに提案されているRIFCDPは,2つの時系列データ間の任意の類似区間を検出できるため,時系列パターン検索に有用である.しかし,RIFCDPは、計算量とメモリ量が大きいという問題点がある.そこで,過去に溯るに従って指数関数的に重みを減少させてマッチングをとることにより,計算量とメモリ量を軽減し,ほぼ類似の機能をもつ重み減衰型RIFCDPを提案する.また,ジェスチャー動画像を用いて本手法の有効性を示す。