著者
坂尻 正次 岡田 伸一 竹内 恭彦 富田 英雄 和田 親宗
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 23.31 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.11-18, 1999-04-16 (Released:2017-06-23)

本研究の目的は、盲ろう者の指点字によるコミュニケーションを補助するための支援機器を開発することである。まず、振動を用いた指点字提示方式についての基礎的検討をおこない、最適な呈示条件を定めた。この呈示条件でコミュニケーション評価実験をおこない、健常者と盲ろう者が通訳者を介さずに直接コミュニケーションがおこなえることを確認した。
著者
和田 親宗 井野 秀一 庄司 壽一 伊福 部達
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.46, pp.17-22, 1996-09-13 (Released:2017-10-13)

我々は音声スペクトルを振動バターンに変換しそれを人差し指の腹に呈示することによって聴覚代行を行う装置、タクタイルエイドの改良研究を行っている。我々は振動刺激を電光掲示板のように指腹上を流すというスウィーブ呈示方式を考案しその評価を行ってきた。その際、触覚の疲労や時には指先に不快な感覚が生じることを経験した。この不快感を避けるために昨年の報告では点字のような凸点刺激をスウィーブさせて呈示する方式を提案した。今回は、振動刺激と凸点刺激によって生じる触感をどのように組み合わせると効果的に情報を呈示できるかを調べた。音声を模擬した刺激バターンでの子音部の母音部によるバックワードマスキング測定実験および単音節音声の子音識別実験の結果、子音部を振動刺激で母音部を凸点刺激で呈示する組合せが効果的であることがわかった。
著者
城屋敷 健志 和田 親宗
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.44-51, 2018-04-10 (Released:2018-10-18)
参考文献数
21

Body-conducted sound sensors have an electret condenser microphone with an exposed diaphragm. By covering the sensor with a urethane elastomer, the sensor can be used as a bioacoustic sensor with high sensitivity and resistance to external noise. The body-conducted sound sensors constructed in the past had different parameters such as contact area, thickness of the propagation layer and mass, and the extent of their influence on frequency characteristics is unclear. This study aimed to investigate the influence of the mass and shape of body-conducted sound sensor on pressure sensitivity. The methods comprised ( 1 ) simulation using the equivalent circuit model, ( 2 ) production of body-conducted sound sensors and measurement systems, and ( 3 ) sensitivity measurements and analyses. The simulation results demonstrated that the sensitivity increased when the body-conducted sound sensor had a small mass and a large contact area. In the sensitivity measurement system, a compact acceleration sensor was used as a reference sensor, and the sensitivity to pressure was calculated. The results obtained from the sensitivity measurement system correlated strongly with the frequency characteristics of the simulations, with a correlation coefficient of 0.90-0.95 in the frequency range of 100-2,000Hz. In the statistical analysis, by varying the mass and contact area, significant differences were observed in the frequency range of 700-2,000Hz while no significant differences were observed in the frequency range of 100-600Hz. Moreover, as a result of reducing the housing mass, sensitivity was increased. In conclusion, body-conducted sound sensors with a small mass and large contact area exhibit high pressure sensitivity in the frequency range of 700-2,000Hz, and their frequency characteristics can be estimated by simulation.
著者
曽我 知絵 三宅 晋司 和田 親宗
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.294-302, 2009-10-15 (Released:2010-12-03)
参考文献数
21
被引用文献数
1

近年,労働者の精神的ストレスは増大しており,ストレス評価機器の開発が求められている.我々はこれまでにストレスの定量評価のための研究を行ってきたが,過去の結果において,作業後の生理反応が作業前の状態に完全に回復しない場合が認められた.その原因を探るため,本研究では,作業時および作業後の感情状態と生理反応の関連性を明らかにすることを目的とした.18名の健常な男性に4段階の難易度に設定した計算課題を遂行させ,作業時および作業後に生じた感情状態と生理量を記録した.その結果,作業時には,RR間隔(RRI)と皮膚電位水準(SPL)が満足感や集中度の因子と関連する可能性が示唆され,鼻部血流量(TBF_N)と指尖容積脈波振幅(PTG)が低下した.作業後では,どの生理量と感情状態にも関係は認められなかった.また,RRIとSPLは作業後すぐに回復したが,TBF_NとPTGは回復に時間を要することが示唆された.
著者
伊福部 達 敦賀 健志 吉田 直樹 井野 秀一 吉永 泰 脇坂 裕一 上見 憲弘 和田 親宗 大西 敬三
出版者
北海道大学
雑誌
地域連携推進研究費
巻号頁・発行日
1999

本課題の目的は、水素吸蔵合金(MH)アクチュエータを改良して新たな介助機器やリハビリ機器を開発し、高齢社会および地域産業に貢献することである。具体的には、1.寝たきりを防ぐために,被介助者をベッドから車椅子および車椅子からベッドへの移乗する機器,2.脳卒中などによる手足の麻痺や骨折による筋-関節系の拘縮のための関節可動域訓練で必要となるリハビリ機器(CPM)のために利用する。1については,昨年度から引き続き,MHアクチュエータの小型化,高速化、および軽量化を行い,被介助者の生体特性を踏まえた実用性の高い移乗機器の第2号を試作した。さらに、日本製鋼室蘭製作所に隣接する日鋼記念病院で実際の被介助者を対象として移乗介助機器を使用し、現場からの高い評価を得た。2のCPMのためのアクチュエータとしては高分子材料をベローズとして利用することで,極めて小型軽量にすることができ,関節周りに柔軟に装着できるような構造を実現でき,しかも水素漏れは数十日で5%程度であり,金属ベローズに比べて桁違いに廉価にすることができた。今後は,CPMのための最適なヒューマンインタフェースを構築するとともに,使い捨てのCPMを想定し,製品化の道を探る予定である。以上の成果が評価され、福祉機器の開発と販売を行っている会社の協力を得て、この介助機器とCPMを実用化するための組織ができ、科学技術振興事業団からの支援により,来年度から製品化へ向けての具体的な作業に入ることとなった。さらに、この課題の総括として、どのMHアクチュエータがどのような場面で、どのような被介助者に有効であるかを明確にし、将来の需要を見込みながら、高齢社会と地域産業にどこまで貢献できるかを展望した。
著者
和田 親宗 伊福部 達 井野 秀一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.95, no.237, pp.53-58, 1995-09-14
被引用文献数
10

我々は音声スペクトルを振動パターンに変換しそれを人差し指の腹に呈示することによって聴覚代行を行う装置、タクタイルボコーダの改良研究を行っている。我々は刺激を電光掲示板のように指腹上を流すというスウィープ呈示方式を考案しその評価を行ってきた。その際、触覚の疲労や時には指先に不快な感覚が生じることを経験した。この不快感は振動刺激が指腹上を流れることに起因するものと想像されたので、今回、点字のような凸点刺激をスウィープさせて呈示することにより問題を軽減できるのではないかと考えた。また、盲人による点字の読解能力を考慮すると,スウィープする凸点パターンは振動パターンよりも識別の面でよりよい刺激方法になることも想像された。そこで振動刺激を用いた場合、凸点刺激を用いた場合、両者を組み合わせた場合の3つの場合について、絶対閾値、二点閾値、疲労の状態からそれらを評価した。その結果、絶対閾値、二点閾値についてはほとんど差が見られなかったが、凸点刺激だけの場合には疲労の影響を最も受けにくかった。このことより長期間使用するタクタイルボコーダの刺激方法は凸点刺激が実用的であろうと推察された。