著者
國枝 和雄 各務 達人 大久保英嗣 津田 孝夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.1185-1199, 1994-06-15
参考文献数
12
被引用文献数
2

本諭文では、分散トランザクションシステムIXIの設計と実現について述べる。IXIは分散アプリケーションの構築のためのプラットフォームである。すなわち、IXIは、分散アプリケーションの開発コストを軽減することを目的としている。分散トランザクションシステムとしては、Cammelot/Avalon,Argus,ISISなどがすでに開発されている。しかし、これらのシステムでは、(1)トランザクション処理に関する一貫性が強い一貫性(robust consistency)に限られる、(2)障害発生時に、システムが回復するまでサービスが停止する、などの問題点がある。そこで、IXIでは、(1)弱い一貫性(weak consistency)に基づく入れ子型トランザクションの実行機能、(2)代行プロセス機能とロギング機能、によってこれらの問題点を解決した。これによって、IXIでは処理効率・柔軟性、信頼性のいずれの点においても優れたアプリケーション構築プラットフォームを実現することができた。プログラマはIXIの提供するC言語ライブラリを用いてクライアントサーバ型のプログラムを記述することによって、分散アプリケーションを容易に構築することができる。本諭文では、IXIを構成する各部の処理の概要と特徴について説明した後、既存のトランザクションシステムと機能此較することによってその有効性を示す。
著者
杉浦 学 小舘 亮之 来住 伸子 加藤 大志 植村 弘洋 國枝 和雄 山田 敬嗣
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.12, pp.1-8, 2010-02-27

MIT Media Lab の子供向けビジュアルプログラミング環境である Scratch を拡張した制御プログラムエディタにより,NEC のコミュニケーションロボット PaPeRo を制御可能な 「ぱぺろっち!ツール」 を,NEC と津田塾大学で共同開発した.体験型学習のワークショップで 「ぱぺろっち!ツール」 を利用することにより,PaPeRo の対人コミュニケーション機能を活用して,人間と PaPeRo の対話的な要素を含むロボットの利用シナリオを考案し,シナリオの実現に必要な機能をプログラミングするといった活動が可能になり,アイデアの創出を重視した創造的な学習活動が実現できる.女子高校生を対象とした利用実験では,多様なロボットの利用シナリオが発想され,プログラミングの初学者でも比較的短時間で制御プログラムを記述できることが確認できた.We developed the "PaPeRochTool", a robot programming environment for "PaPeRo", based on Scratch. PaPeRo is a communication robot developed by NEC Corporation, which has various functions of human-robot interaction. PaPeRochTool supports a creative robotics workshop, such as drawing up a scenario which includes human-robot interaction, and developing robot control programs to perform the scenario. The result of experiment carried out for high school female students shows the fact that students could get diverse scenario ideas and developed control programs within a relatively short time.
著者
國枝 和雄 広明 敏彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.325-326, 1996-03-06

計算機性能の飛躍的な向上やインターネットの急速な広まりによって、家庭や公共の場においてネットワークを介したマルチメディア情報利用の要望が高まっている。通信・放送機構奈良リサーチセンターにおける映像データベース遠隔検索/表示技術に関する研究では、上記背景に鑑みたものとして、一般の利用者が自然でかつ理解しやすい操作でマルチメディア情報の検索/獲得できることを目標に臨場感図書館の研究を進めている。臨場感図書館はCGによる3次元ウオークスルーを基本とし、図書館のメタファによって情報検索を実現するシステムであり、高品質CG(HDTV)、実写映像(HDTV/NTSC)合成表示、音響制御などを用いた臨場感豊かな仮想空間I/Fを実現する。本稿では、同仮想空間I/Fの特徴となる・テキストや実写映像のコンテンツオブジェクトと空間CGとのシームレスな合成表示・フィードバック情報に基づく適応的演出による臨場感演出方式について述べる。