著者
土屋 武彦 法村 俊之 山本 久夫 畠山 智
出版者
Japan Health Physics Society
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.279-284, 1985 (Released:2010-02-25)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

The radiations emitted from the front surface of CRT of a color-television and a personal-computer display were measured by GM-counter. No difference was observed in the radiation dose between the cases with and without application of a high voltage to the CRT. The radiations were also measured by Si- and Ge-semiconductor spectrometers. It was found that the radiations emitted from CRT were composed of β- and γ-rays, and were essentially emitted from 40K and the nuclides of uranium- and thorium- series contained within the front glass of CRT. The exposure dose rate of these radiations at 50cm from the surface of CRT was, however, less than 1.6×10-3mrem/hr, and it was practically negligible in comparison with that of natural background radiations.
著者
岡田 重文 森川 尚威 佐藤 幸男 土屋 武彦 酒井 一夫 二階堂 修
出版者
京都大学
雑誌
エネルギー特別研究(核融合)
巻号頁・発行日
1985

本計画研究は、トリチウム各種化学形の中、ヒトに最も取り込まれ易く、障害の主役と考えられるトリチウム水に絞り、それによる障害の研究をヒトを念頭におきながら推進しようとするもので、本年度は3ケ年計画の第2年度となる。1.トリチウム安全取り扱い法:トリチウム実験においてインベントリィ(回収トリチウム/使用トリチウム比)を取るには手間がかかるが、システムさえ作ればルーチンで行え、トリチウムのR工管理の鼎ともなる。トリチウム水の廃棄は、コンクリート・バーミキュライトによる固化法を開発し始めた。2.障害のメカニズムの研究:トリチウム水による細胞死のRBEはDNAの修復不能切断で説明できそうである。ハムスター胚細胞のがん化及びそのRBEは、染色体異常中の染色体異数性(トリソミイ、モノソミイ)と関連を示している。低濃度トリチウムによる前処理はハムスター細胞を放射線誘発SCE、小核形成に対し修復系を活性化し低抗性にする。マウス個体ではトリチウム水前処理により、免疫能の増加が見られた。3.RBE:ヒト細胞;繊維芽細胞、1.4,甲状線細胞、1.7-2,末梢血淋巴球では線量率依存性を示し1.8-4以上。個体のRBEについては雌マウスで、卵母細胞が線量率依存性を示し1.1-3以上、胞胚形成、胎盤形成及び胎児形成の障害のRBEはいづれも約1、ラットの奇形発生では、1.3-3以上。4.進捗中の研究・マウスのトリチウム水およびガンマ線による発癌実験では早期に胸線型淋巴性白血病が発生、後期になると9種類以上の固形腫瘍が見つかっている。放射線治療患者で末梢血中で、赤血球系幹細胞BFU-Eの減少が見出され、これは将来ヒト障害のモニターとなるかもしれない。
著者
欅田 尚樹 法村 俊之 土屋 武彦
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.137-145, 1993-06-01

在阪の某製造業従業員を対象に1984年度がら1990年度健康診断時にTHI (Todai Health Index)質問票を用いて喫煙の健康に及ぼす影響を検討した。その結果,1)本事業所の男性従業員全体の平均年齢は37歳であり,喫煙率ば84年度(62.4%)から'89年度(57.2%)までに5%強,減少した。以下の解析は,飲酒の影響を除くために,全く酒を飲まない244名を除いた男性1260名の回答結果について行った。2)THI尺度得点では「呼吸器」,「消化器」,「循環器」,「生活不規則性」,「多愁訴」,「直情径行性」において喫煙により訴えの増加を認めた。3)THIの個々の質問項目としては,咳,痰,のどが痛む・詰った感じ,歯をみがくときの吐き気,食欲不振,胃痛,胸やけ,下痢,歯ぐきの色が悪い,口臭,まぶたが重い,皮膚が痒い,顔色が悪い,息切れ,動悸,体が熱っぽい,背中が痛む,早寝早起きでない,仕事がきつい,横になって休みたい,食事が不規則,イライラするなどの種々の訴えが喫煙により増加傾向を示した。予防医学の立場からもこれら身近な自覚症状に及ぼす喫煙の影響について,健康教育等でアピールしていく必要がある。
著者
土屋 武彦 法村 俊之 須藤 清二 橋本 哲明
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.213-220, 1985-06-01

原子力関連華葉所は一般的に市街地と遠く離れた場所に立地しており, また施設的にも放射線防護の関係から他と隔絶された作業環境となっている. そこでこのような特殊な環境で作業している原子力関連事業所の放射線作業従事者がどのような健康意識をもっているかについて, CMI健康調査表を用いて調査した. その結果, 原子力関連事業所の放射線作業従事者は他の一般工場勤務者あるいは医学関係研究者ならぴに診療放射線技師の放射線作業従事者と比較して, 特に問題となる事象を示すようなものは認められなかった.(1985年2月27日 受付)