著者
濱脇 諒 和泉 潔 坂地 泰紀 米納 弘渡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.2P202, 2018

<p>ある企業の倒産が原因となり、その他の企業まで倒産し、ドミノ倒しのように倒産が続くことを連鎖倒産と呼ぶ。本研究では、エージェントシミュレーションを用いて、「銀行の保有する市場性資産の価格変動」と「銀行間の貸借ネットワーク形状」を変化させた時の銀行の連鎖倒産への影響を調査した。得られた結果は以下の通りである: (1)市場性資産の価格の変動率が高いほど最終的な倒産数も増加する; (2)リンク密度が高いほど最終的な倒産数は減少する。これらの結果は、銀行の連鎖倒産の原因が、資産市場の価格変動と銀行間の貸借のどちらか一方ではなく、両方であることを示唆している。</p>
著者
濱脇 諒 尾崎 順一 和泉 潔 島田 尚 松島 裕康 坂地 泰紀
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.2O3J1302, 2019 (Released:2019-06-01)

近年経済のグローバル化によりある金融機関の破綻の影響がその業界や国を超えて国際的なものとなっている。 関連する分野の先行研究は、銀行単体もしくは企業単体でのエージェントシミュレーションを行うものがほとんどである。 そこで、本研究では銀行と企業の相互作用に焦点を当てた多層ネットワークのモデルを提案し、銀行から企業への投資の有無が企業の成長率に与える影響を調べる。 具体的には、投資を受けているかどうかによって成長率の変動幅を変化させ、最終的な企業の規模の分布の変化について議論する。 銀行が持つ貸借対照表は全国銀行協会が公表している全国銀行財務諸表分析に基づいて作成した。 シミュレーションの結果として、投資は企業の成長の平均には影響を与えなかったが、企業間の格差が広がった。 これは投資を受けた企業のうち、投資を活かして成長することができたものと失敗したものに別れてしまったことが原因だと考えられる。
著者
前田 巌 松島 裕康 坂地 泰紀 和泉 潔 ディグロー デビット 富岡 博和 加藤 惇雄 北野 道春
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

近年,社会の様々な場面で機械学習・深層学習手法による予測が活用されている.深層学習手法を用いて学習したモデルは高い精度で予測を行うことができるが,予測信頼性を十分に考慮できておらず,予測の困難な外挿データに対しても高い確信を持って予測を行ってしまう危険がある.本研究では画像識別タスクに対して,通常の深層学習手法および近年提案されている不確かさを考慮した深層学習手法を適用し,外挿データに対するモデルの頑健性を検証した.通常の深層学習手法により学習したモデルはモデル学習用データに存在しない特徴を持つデータに対して高い確信度で予測を行ってしまうが,不確かさを考慮した深層学習手法により学習したモデルはそのようなデータに対し確信度を低く出力し,誤った予測を回避することが可能となる.実験結果より深層学習手法における不確かさ評価の重要性が示唆された.
著者
桧森 拓真 木村 泰知 坂地 泰紀 荒木 健治
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.645-652, 2019-04-15 (Released:2019-04-15)
参考文献数
13

本研究では,地方議会会議録に含まれるテキストの発言箇所を自動で推定する.実験のデータセットは,平成23年4月から平成27年3月までの4年間の4つの自治体の議会会議録であり,青森県,東京都,大阪府,福岡県の会議録に対して,人手で発言文と発言以外の文にアノテーションを行った.「4年間のデータを利用した発言文の推定実験」では,学習データと評価データに「同一自治体のデータ」を利用した実験,および,「異なる自治体のデータ」を利用した実験を行なった.実験の結果,SVMの平均正解率が最も高く,それぞれ,0.985,0.951となった.また,少量の学習データによる「1年間のデータを利用した推定実験」では,LSTMとSVMの比較を行った.比較実験の結果,LSTMの平均正解率が0.926となりSVMの平均正解率よりも6.1ポイント上回る結果となった.
著者
余野 京登 和泉 潔 坂地 泰紀
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2J102, 2018 (Released:2018-07-30)

日銀の金融政策決定会合議事要旨に対して、生成モデルおよび深層学習を用いることで、日銀のマクロ経済や物価等に対するトピック別のセンチメントを指数化を行う。
著者
坂地 泰紀 ベネット ジェイスン 宮尾 祐介 和泉 潔
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1C2OS8a03, 2018 (Released:2018-07-30)

本研究では,ロイターニュース記事からの因果関係抽出手法の開発を試みる. まず,我々は,ニュース記事に含まれる因果関係と,それを示す手がかりとなる表現の調査を行った. その後,特定の手がかりに着目し,因果関係抽出手法を試みた.
著者
佐藤 史仁 佐久間 洋明 小寺 俊哉 田中 良典 坂地 泰紀 和泉 潔
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2O404, 2018 (Released:2018-07-30)

有価証券報告書には,業績の他,リスク対策や企業の施策等,決算短信にはない情報の記載もある.また,先行研究では,多くの情報から重要な文を効率よく抽出する方法として,因果関係文を重要文とした手法が提案されている.しかし,抽出対象を決算短信等とした報告はあるが有価証券報告書とした報告はない.そこで本稿では,この手法を応用し,有価証券報告書専用の因果関係文を抽出する判別モデルを提案した.そして,判別モデルの評価等を行い,高い性能であることなどを示した.この判別モデルにより有価証券報告書独自の投資判断に有益な情報の効率的な抽出が期待できる.
著者
太田 貴久 南 拓也 山崎 祐介 奥野 好成 田辺 千夏 酒井 浩之 坂地 泰紀
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2L103, 2018 (Released:2018-07-30)

本研究では,発明の新たな用途先を探す手法を提案した.提案手法では,はじめに,技術的特徴とそれに対応する効果を抽出する.その後,ユーザが指定した発明と,技術的特徴が類似し,かつ効果が類似しない他の特許を検索する.このような手法によって,発明の新たな用途先を探索する.提案手法に対して実験を行った結果,実際に別用途へ展開された特許の例を再現することでできた.
著者
田原 如菜 坂地 泰紀 酒井 浩之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.429, pp.5-10, 2014-01-30

本研究では,キャラクターに対応する印象表現をTwitterから抽出する手法を提案する.具体的には,キャラクターとして,ゆるキャラを対象とし,キャラクター名に対応する印象表現(「可愛い」や「癒される」等)を抽出する.人手で印象表現辞書(喜,怒,哀,怖,恥,好,嫌,昂,驚,安,楽,その他のカテゴリーから成る363表現)を作成し,キャラクター名と印象表現辞書に存在する印象表現が含まれているツイートを取得する.そして,キャラクターごとに印象表現を抽出し,実際にアンケートで印象調査した結果と,本手法で抽出した印象表現を比べて評価した.
著者
池田 晃人 小林 暁雄 坂地 泰紀 増山 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.211, pp.47-52, 2014-09-04

日本の動画共有サイトであるニコニコ動画の最大の特徴は投稿コメントである.この投稿コメントは,再生中の動画上の任意の時間,場所に重ねて表示することができ,それがニコニコ動画の動画をより一層ユーザにとって楽しいもの,価値のあるものにしている.ニコニコ動画のコメントは,その動画の1つの特徴であるといえる.動画の特徴であるコメントの情報を用いることで,動画推薦や動画検索などの様々な応用が考えられる.本研究では,ニコニコ動画のコメントから情報を得ることを容易にするために,コメントにアノテーションを行う.ここでは,アノテーションを行うのための分類を行う.
著者
野中 尋史 小林 暁雄 坂地 泰紀 鈴木 佑輔 酒井 浩之 増山 繁
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

特許文書中に出現する効果に相当する語(効果語)と技術要素に相当する語(技術語)を軸としてマッピングした「効果ー技術型パテントマップ」は、知財戦略や研究戦略の策定等で重要な役割を果たす。本研究では、効果語と技術語を特許文書中から自動的に抽出し、さらに、重複した意味を持つ語を統合した上で、「効果ー技術型パテントマップ」を作成する手法を提案する。