著者
松本 淳太郎 大知 正直 山下 雄大 榊 剛史 森 純一郎 坂田 一郎
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2017-ICS-187, no.1, pp.1-4, 2017-03-22

本研究では,現在急速に成長しつつある C2C 事業,オンラインフリーマーケットサービスの 「メルカリ」 について,商品情報から消費者の購買行動が予測可能かどうかの検証を行う.Convolutional Neural Network および Random Forest を組み合わせることで,消費者の行動を予測する手法を提案する.また,評価実験より消費者の購買行動には画像情報が影響することを示す事ができた.本研究は急成長しているオンラインフリーマーケット事業の消費者行動について新たな知見を提供するものである.
著者
中元 雪絵 大知 正直 榊 剛史 森 純一郎 坂田 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.2O2OS24a02, 2018

<p>グローバル化に伴い食産業でも海外進出が増加し, 地域ごとの文化的差異を理解する重要性が高まっている. これまで文化の研究はアンケート調査を用いたものが多く, 大規模な調査を行う事は難しかった. 本研究では, ソーシャルメディアを用いて異なる言語圏における文化的差異を自動的に検出することを課題とし, テキストデータにおける描写表現の分布の違いを用いた手法を提案した. 実験では, 描写表現として形容詞を用い, 英語圏と日本語圏の食に関するTwitterデータを対象とした分析を行った. 食に関するソーシャルメディアの用法の差や, アメリカでカラフルな料理がより好まれる傾向など, 食全体に対する考え方の差異を取得できることを示した. また, 特定の飲料を対象とした議論を行い, 例えば日本ではコーヒーが「苦い, 酸っぱい」との一般認識がある一方で, アメリカでは「boring」な文脈に多く存在するといった感じ方の違いを検出した. ここから, 提案手法が具体的な個別の対象に関して, 言語圏ごとの感じ方の文化比較を可能とすることを示した.</p>
著者
蕭 喬仁 大知 正直 長濱 憲 榊 剛史 森 純一郎 阪井 完二 坂田 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.1B5GS602, 2020

<p>近年、大衆が問題を発見しそれが拡散されることで社会問題として新たに認識される「情報拡散型社会問題」が急増している。情報拡散型社会問題は、従来の情報公開型社会問題と異なり、問題による悪影響が急速に拡大するため早期に認知・対策することが重要である。しかし、情報拡散型社会問題の早期抽出には従来の社会問題抽出手法は適用できず、問題にまつわる単語の同定も困難である。そこで本研究では情報拡散型社会問題の早期抽出のためにTwitterからクレイム申し立て活動を抽出・分析する構築主義的アプローチを提案する。まずツイートがクレイム申し立て活動か否かの教師データを用意し、それらを判別するモデルを作成する。次に、クレイム申し立てを行ったユーザーの情報と通時的分散表現による単語とクレイム申し立て活動の距離を測ることで、社会問題に関連する単語を教師データ無しに抽出する手法を提案する。17億件に及ぶTwitterデータを用いた実験では、提案手法が2019年中に発生した10の情報拡散型社会問題の事例のうち6つの事例をテレビ放映より早く抽出し、NHKの初放映日に対しては平均20.5日前の早期抽出できることを確認した。</p>
著者
大知 正直 城 真範 森 純一郎 浅谷 公威 坂田 一郎
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

研究への投資戦略策定のために,早い段階で有望な研究や研究分野を特定することは重要である.また,近年の論文出版数の急増及び専門知識の細分化のため,将来の技術動向を自動で予測する技術の開発が必要である.一方で技術の現状を表す指標には様々なものがあり,どの指標による未来予測を示すかは分析の目的に依存する.つまり,様々な指標による技術動向の自動予測を行うための基盤技術の開発が課題である.そこで,本稿では,出版社の論文データの様々な異種ネットワーク情報を用いて,未来の様々な技術指標を自動で予測するための分散表現を抽出する手法を提案する.実験の結果,論文間の参照関係の予測のF値は95.6%で,出版後3年後のh-indexは一定の条件下で64.4%だった. この結果は,論文間の参照関係を十分に写像できていることを示している.一方で,将来のh-indexの予測精度は比較手法と同等であり,さらに研究を深める必要がある.本論文の成果は,論文データ向けの異種ネットワーク分散表現が技術動向の自動予測を行うための基盤となる可能性が示唆している.
著者
河津 裕貴 丸井 淳己 榊 剛史 森 純一郎 坂田 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.4I14, 2015

<p>SNS上のユーザーインタラクションから情報を抽出する重要性が認識されて久しい.分析に際しテキスト情報から主観や感情を抽出する技術が多く用いられるが,非自然言語の頻出するSNSの感情分析において話者の感情を司る顔文字の重要性は高い.本研究ではSNSの特徴を考慮した実用性の高い顔文字分類を目的とし, 主に教師なし学習を用いて十分に多数の顔文字を分類し,検証する.</p>
著者
邵 博華 浅谷 公威 坂田 一郎
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

半導体は人工知能社会に置いて基礎的な役割を果たしている。近年、半導体産業における大規模な経営資源の統合と組織再編が行われている。そのため、本稿では半導体産業の技術動向や変化に着眼する。具体的には、米国と日本の半導体分野の特許データに関して分析を行い、特許の引用ネットワークを構築した。Louvain法を用いて、最大連結成分に対しクラスタリングし、代表的なクラスターについて考察した。両国間の技術ポートフォリオは異なるということが検出でき、tf-idfを用いて異なる技術分野のキーワードや特徴を抽出した。今後特許データベースの出願人情報と企業データベースの企業統合・買収(M&A)情報を紐付け、投資、M&A、技術特性や産業政策分析などの結果と連携して考察を深めていきたい。
著者
大知 正直 城 真範 森 純一郎 浅谷 公威 坂田 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1K3J403, 2019 (Released:2019-06-01)

研究への投資戦略策定のために,早い段階で有望な研究や研究分野を特定することは重要である.また,近年の論文出版数の急増及び専門知識の細分化のため,将来の技術動向を自動で予測する技術の開発が必要である.一方で技術の現状を表す指標には様々なものがあり,どの指標による未来予測を示すかは分析の目的に依存する.つまり,様々な指標による技術動向の自動予測を行うための基盤技術の開発が課題である.そこで,本稿では,出版社の論文データの様々な異種ネットワーク情報を用いて,未来の様々な技術指標を自動で予測するための分散表現を抽出する手法を提案する.実験の結果,論文間の参照関係の予測のF値は95.6%で,出版後3年後のh-indexは一定の条件下で64.4%だった. この結果は,論文間の参照関係を十分に写像できていることを示している.一方で,将来のh-indexの予測精度は比較手法と同等であり,さらに研究を深める必要がある.本論文の成果は,論文データ向けの異種ネットワーク分散表現が技術動向の自動予測を行うための基盤となる可能性が示唆している.
著者
浅谷 公威 鳥海 不二夫 大知 正直 森 純一郎 坂田 一郎
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

人間関係は人々の移動を決定する要因であるため、そのメカニズムの解明は人間の移動の理解や制御に重要である。以前の研究では位置情報ゲームなどの行動履歴の解析により特定の状況下における人間関係と移動との関連性が解明されてきた。しかし、人間関係と移動を紐付けるデータの取得は難しいため、多様な人々の人間関係やそれらの日常的な移動への影響の理解は進んでいない。本研究では、大規模・長期間の人間の移動データより人間関係を抽出し、その妥当性を議論し、人間関係と移動との関連性を明らかにする。ぶんs3年間で600万人の日常的な移動をカバーする鉄道の移動データを用いた。通勤客などの見知らぬ同乗者同士の抽出を防止するために同時移動を複数のパターンで行う人々の間に人間関係を推測する手法を提案し、抽出結果の妥当性は条件を変えた観察より裏付けた。抽出した人間関係の密度を年齢性別のグループ別に観察し、高齢男性の孤立などの社会構造を明らかにした。また、人間関係のある人との移動は非日常的かつ短距離であることが多く、それらは時空間的に収束することが確認された。そして、この性質を用いたイベント検知が有用であることを確認した。
著者
邵 博華 浅谷 公威 坂田 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3A3J1302, 2019 (Released:2019-06-01)

半導体は人工知能社会に置いて基礎的な役割を果たしている。近年、半導体産業における大規模な経営資源の統合と組織再編が行われている。そのため、本稿では半導体産業の技術動向や変化に着眼する。具体的には、米国と日本の半導体分野の特許データに関して分析を行い、特許の引用ネットワークを構築した。Louvain法を用いて、最大連結成分に対しクラスタリングし、代表的なクラスターについて考察した。両国間の技術ポートフォリオは異なるということが検出でき、tf-idfを用いて異なる技術分野のキーワードや特徴を抽出した。今後特許データベースの出願人情報と企業データベースの企業統合・買収(M&A)情報を紐付け、投資、M&A、技術特性や産業政策分析などの結果と連携して考察を深めていきたい。
著者
邵 博華 浅谷 公威 坂田 一郎
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

M&Aが起こりやすいペアを自動的に検出する技術を作ることができれば、効率的なM&Aの候補の推薦や検討しているM&Aの有効性の検証に適用する事ができる。しかし、過去において、データの不十分さとM&A本来の複雑さのため、M&Aを自動推薦することは難しい。本研究では、M&Aを企業が持つキャッシュフローのデータや企業間の関係性などの指標からクラスタリングする手法を提案し、M&Aは特定のクラスターに集中していることが観察された。また、クラスタリングの精度を向上するために、キャッシュフローに関する指標から企業間の関係性の分類に重要と思われる指標のみを取り出すべく各指標間の関係性を分析した。本研究の結果は大規模データからのM&A推薦の有用性を示すものである。また、今後は多くの特徴量の設計と取捨選択を行い、M&Aの分析に応用し、その結果を経営学と比較連携する予定である。
著者
浅谷 公威 大知 正直 森 純一郎 坂田 一郎
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

集団の発展する過程の理解や将来予測のため、引用ネットワークをはじめとしたネットワークの発展を可視化する手法が提案されている。しかし、既存手法では 要素をクラスタに集約し離散的な時間で可視化するため各要素の役割が明瞭ではない。我々は連続的な空間内に各論文を一つの点として分野が徐々に広がっていく過程を2次元空間に描画する手法を開発し、実際のデータセットで領域の成長・分岐・融合の様子を確認した。
著者
田爪 聡 榊 剛史 坂田 一郎 森 純一郎 大知 正直
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

twitterを用いたマーケティング解析は広く行われているが、投稿数や感情分析が主流であり、テキストの内容に着目した解析は十分に行われていないのが現状である。そこで、本研究ではtwitterから得られたテキストデータに対しトピックモデル解析を行い、トピックの時間ごとの移り変わりを調べた。またそこから各トピックに関する投稿数を推定することで、各アニメーション作品の売り上げ予測の精度向上が確認された。
著者
金子 大輝 大知 正直 森 純一郎 坂田 一郎
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

分散表現を用いることで、単語の意味の時系列での変化を分析する研究が行われてきた。本研究では企業名に注目して、word2vecによって日本経済新聞の記事データから企業名ごとに分散表現を獲得した。不祥事や経営危機などの事象の前後での分散表現の変化について分析を行い、また、分散表現と企業の業績に相関関係についても検証した。
著者
柴田 尚樹 梶川 裕矢 坂田 一郎
出版者
Japan Society of Information and Knowledge
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.171-176, 2010-05-15
被引用文献数
1

二次電池のケーススタディを通して、学術俯瞰、特許俯瞰を通して、商業化可能な技術要素の早期発見を行う方法論を提案する。学術論文は基礎的、特許は応用的になる傾向があった。学術論文と特許それぞれの主要5領域が扱うトピックを比較すると、リチウム二次電池と電解質に関する2組の対応関係が見られ、トピックスの内容や平均出版年から学術論文と特許の差分を抽出した。その結果、商業化の可能性がある領域が発見された。
著者
藤田 桂英 梶川 裕矢 森 純一郎 坂田 一郎
出版者
Japan Society of Information and Knowledge
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.144-149, 2012-05-20

本論文では,重み付き引用ネットワーク解析における新興論文群の発見に対し,どの属性を考慮した重みが有効かを調査した.重み付き引用ネットワークでは出版年など論文の属性情報を解析に用いることが可能である.また,複数の学術領域ごとに重みを考慮した重み付き引用ネットワークを作成し,トポロジカルなクラスタリング手法によりクラスタに分割後,各種類のパフォーマンスをvisibility, speed, topological relevance から評価した.
著者
橋本 正洋 坂田 一郎 梶川 裕矢 武田 善行 松島 克守
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
年次学術大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.302-305, 2007-10-27
被引用文献数
1

イノベーションという概念は、経済学、経営学等という学問分野だけでなく、経済政策の運営にとっても、近年とみに重要性を増し、学術と政策との連関が深まっているが、他方で、学術の世界におけるイノベーションに関する議論については、これまで、どういう視点で何が議論されてきたのか、今後の研究の重点課題は何かということについて、必ずしも明確になっていない。筆者らは、学術論文の引用分析という手法により、イノベーションに対する学術研究の俯瞰を試みた。具体的には、論文のタイトルやアブストラクトといった書誌事項に「イノベーション」という用語を含むものを抽出した。4万件近い学術論文が該当した。次に、それらの間の引用分析を行った。これら論文群によって構成される引用ネットワーク中、最大連結成分に含まれる論文について、Newman法を用いてクラスタリングをし、主要なクラスターの特性の一部を明らかにした上で、可視化(俯瞰マップの作成)を行った。更に、各クラスターの平均年齢の特定も行った。主要なクラスターには、イノベーション創成の環境、技術経営、組織のイノベーションなどの横断的テーマのほか、ヘルスケア、環境問題、サービス、農業などの分野別テーマがみられる。また、時系列的にみると、イノベーション研究そのものは70年代以前から行われてきたが、90年代初頭から活発となり、論文数は急速に増加している。その傾向は、最近一段と顕著になっている。分野別には、技術経営は、特に成長が著しい。また、大学とイノベーションとの関係に関する論議も、90年代初頭から活発化していることが判明した。このように、学術論文の引用分析という手法を用いることで、イノベーションに関する研究動向を客観的に捉えることが可能となった。