著者
大江 将悟 渡邉 真也 塩谷 浩之
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2011-MPS-85, no.14, pp.1-6, 2011-09-08

投影方向の限定されたコンピュータトモグラフィ (Computed Tomography, CT) である少数投影 CT は逆問題の 1 種であり,欠損情報を推定することにより内部画像の再構成を行う.本研究では,この問題に対して GS アルゴリズム (Gerchberg-Saxton algorithm) と進化型多目的最適化手法 (Evolutionary Multi-criterion Optimization, EMO) を組み合わせた新たな手法を提案する.これは解の一意性が保証されず,実空間・逆空間の双方の空間において拘束条件が存在する少数投影 CT に対して,多点に基づく多目的の枠組みで最適化を行う EMO が親和的に機能すると考えられるからである.本研究では,上記の提案手法を用いて性質と解像度の異なる 3 種類の画像に対して数値実験を行ない,その有効性を検証した.
著者
前原 洋祐 川原 宏太 塩谷 浩之 郷原 一寿
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.500, pp.13-17, 2007-01-18

フーリエ反復アルゴリズムは位相回復の有効な手法として用いられており,最急降下法と対応付けられている.最急降下法に基づいた機械学習においては,複数の学習済みの予測機械を組み合わせるアンサンブル学習法が汎化能力の向上に有効である.本研究では,アンサンブル学習の枠組みを位相回復法に適応し,その有効性について検討する.
著者
塩谷 浩之 郷原 一寿 渡邉 真也 渡邉 真也
出版者
室蘭工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究課題では,情報量を基盤とした位相回復法の理論構築・解析を行い,さらに,非周期的な物質構造の解析に貢献するために,回折パターンからの高効率な物質構造復元手法の確立を目的とし,情報数理による位相回復法を対象とした基礎理論と応用研究を行うことである.位相問題において,不完全な実・逆空間の拘束条件が与えられた場合には,実像となる解の不定性や収束に至らない不安定性がある.このような不定な条件のもとでは,弱い意味での位相回復解を求めていく必要がある.そこで,実空間における弱解群の分布を求めることで,その解集合の性質を明らかにした.逆空間における不完全さとしての条件として,量子ノイズを含む回折パターンに着目した.実空間上のノルム体積有限なすべての関数で構成される関数空間を設定し,実像間の情報量解析において用いる分布間情報量を導入することで,弱位相回復解が球殻に分布することを見出した.そのアンサンブル平均が適切な解を与えており,ノイズ回折パターンからの単一な位相回復では,その平均解が得られないことを明らかにした.画像復元,特に位相問題がからむ回折イメージングにおいて,解となる像の分布に着目したのは我々が初めてであり,この研究成果は米国の光学専門の論文誌(OSA)に採録された.
著者
塩谷 浩之 伊達 惇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.358, pp.1-7, 2000-10-12
被引用文献数
2

自乗誤差最小やその改良型は, 多くの工学的応用において用いられている学習方式である.しかしながら統計的枠組みにおいては, 擬距離のクラスを利用した推定方式があり, その場合, 一般的にはデータから生成されたヒストグラム密度などを構成し, それを用いて推定を行うなどの必要がある.本研究においては, 多層パーセプトロン上でエスコート分布の性質を用いることで, α-尤度に対応する学習則を導出し, その学習則が通常の誤差逆伝播法と同様な直接的な計算で可能になることを示し, 通常のBP学習では大きく影響されるような誤差データを含む場合の多層パーセプトロンの学習に応用する.